たまねぎレポート【No252

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平成201025日号

  阪南青果株式会社 

社内報

 9月の天候は、全国的に気温が高かった。北日本と東日本の日本海側では、高気圧に覆われて晴れる日が多く、気温が高く、降水量が少なかった。また、北日本では日照時間が多かった。東日本の太平洋側と西日本では、月前半は高気圧に覆われて、晴れる日が多かったが、月後半は台風、低気圧や前線の影響で曇りや雨の日が多く、太平洋側を中心に広い範囲でまとまった雨があった。

 気象庁が発表した11月〜1月の3カ月予報によると、この期間の平均気温は沖縄・奄美で平年より高く、東・西日本で平年並みまたは高い見込み。降水量は沖縄・奄美で平年並みまたは多い。北日本の日本海側の降水量は平年並み亦は少ない見込み。

 11月、天気は、北・東日本の日本海側では平年と同様に曇りや雨または雪の日が多い。北・東日本の太平洋側と西日本、沖縄・奄美の天気は数日周期で変わる。気温は、沖縄・奄美で平年並みまたは高い見込み。

12月、天気は、日本海側では平年と同様に曇りや雪または雨の日が多く、太平洋側では平年と同様に晴れの日が多い。沖縄・奄美では平年と同様に曇りや雨の日が多い。気温は沖縄・奄美では平年より高い見込み。

 1月、天気は、北・東日本の日本海側では平年と同様に曇りや雪または雨の日が多く、北・東日本の太平洋側と西日本、沖縄・奄美では平年に比べ曇りや雨または雪の日が多い見込み。気温は沖縄・奄美では高く、その他は平年並みまたは高い見込み。降水量は全国的に平年並みか多い見込み。

 

需要(市場)の動き

 東京都中央卸売市場の9月の野菜の入荷は、盆明けの天候不順が影響し、多くの品目でズレ込み入荷があった。ために、入荷量は139,146トン前年比106%(前月比109%)と増加した。主要品目では、ナス、ネギが前年比2割以上の増となったのを始め12品目が前年を上回り、レタス、ハクサイの2品目だけが前年を下回った。平均単価はkg¥215前年比97%(前月比106%)で前年比安の前月比高であった。主要品目では、レタスが前年比4割高となったのを始めバレイショ、タマネギが2割高、ダイコン、サトイモが1割高等、6品目が前年比高であった。反面、ピーマン、ネギが3割安となったのを始め7品目が前年比安であった。

 

東京都中央卸売市場の9月の入荷量と単価

品  目

入荷量 t

前年比 %

前月比 %

単価 \/kg

前年比 %

前月比 %

野 菜 総 数

139,146

106.3

109.0

215

97.1

105.9

た ま ね ぎ

11,478

105.2

 102.2

84

119.1

  107.7

キ ャ ベ ツ

15,616

107.9

  102.4

67

79.3

 108.1

だ い こ ん

12,207

102.1

  117.8

100

113.2

120.5

ト   マ   ト

9,368

103.9

 101.5

265

 88.9

116.7

レ   タ   ス

7,678

88.7

  93.1

234

 139.2

  166.0

き ゅ う り

8,352

108.6

  107.8

223

    96.0   

   94.1

に ん じ ん

7,425

114.3

  118.1

125

102.6

 112.6

ば れ い しょ

7,601

102.5

130.3

106

123.3

102.9

は く さ い

8,197

 98.7

 144.9

77

100.2

106.9

か ぼ ち ゃ

4,268

100.5

  123.4

117

 105.8

 81.3

な が い も

1,000

116.4

  96.7

278

91.4

94.6

に ん に く

389

96.1

  89.4

650

121.3

  104.2

 

9月の建値市場の野菜の入荷は概ね順調であった。生育が順調な秋野菜の作柄を反映して、いずれの市場も前年を上回った。平均単価は、名古屋と福岡が前年比高であったが、札幌、東京、大阪本場は前年比安であった。

 玉葱の入荷は、市場別にバラツキがあり、札幌が前年比143%、福岡が110%、東京が105%、名古屋が94%、大阪が79%で大阪本場の減少が目立った。平均単価は前年比125〜113%でいずれの市場も2桁高であった。

東 京 市 場

東京都中央卸売市場の9月の玉葱の入荷は、11,478トン前年比105%(前月比102%)で順調であった。府県物主導から北海物主導の販売に移行したが、兵庫物の入荷増が目立った。北海物の入荷は前年比100%で占有率は82%。兵庫物が前年比253%の入荷で占有率は10%。中国物が前年比103%の入荷で占有率は3%。佐賀物が前年比89%の入荷で占有率は3%であった。平均単価はkg¥84前年比119%(前月比108%)と月平均では強保合で推移した。北海産地の出荷の後ずれで月半ばまでは予想を上回る価格水準を維持したが、月後半からは荷動きが鈍化し、月末には荷凭れ感が広がり、市場段階で滞貨が出始めた。産地からは底値¥1,500堅持の声が出始めた。

10月に入ってからの荷動きは低調で、荷受各社は発注を抑制して価格維持に努めており、月前半は表面上では¥1,500割れは出ていないが、一部纏まった買い手に安値が出ている。買い手側は総じて当用買いに終始し、荷動きは小口化している。小売店も転送業者も買い気が後退し、市況はジリ貧傾向にあり、着荷量を捌き切れず売り残りが発生している。豊作予想の秋冬野菜の入荷は順調で、値下がりが懸念されたが、月前半の入荷は品目別にはバラツキがあるものの、総じては前年並みの入荷で、価格水準は前年比安の品目は少なく、概ね前年比高の市況を維持した。月後半は市況軟化で多くの品目が前年比安に転じ、玉葱の売れ行きも鈍化傾向が表面化し、各社とも上場数を調整して価格維持に努めているものの、価格維持は困難の情勢にあり、既に一部で¥1,200前後の裏相場が発生している。転送先であった周辺市場でも荷凭れ現象が強まり、東京市場よりも安値に落ち込んでいる地方市場もあり、荷動きは低迷している。

名古屋市場

名古屋市中央卸売市場の9月の玉葱の入荷は4,804トン前年比94%(前月88%)で減少傾向であった。北海物の入荷減が大きく影響した。北海物主導の販売となったが、北海物の入荷は前年比82%で占有率は76%にダウンした。兵庫物は前年比389%の入荷で占有率は18%にアップした。佐賀物の入荷は前年比95%で占有率は3%であった。平均単価はkg¥80前年比125%(前月比119%)で堅調に推移した。北海物の入荷減を兵庫物の入荷増でカバーしたが、兵庫物は2Lの比率が高く大粒過ぎて家庭向きではなく、価格の伸びは今一つであった。

10月に入ってからも、主力の北海物の入荷は引き続き減少傾向にあるものの、荷動きが鈍化し、市況は弱保合に転じている。月後半には豊作型の秋冬野菜の入荷が本格化し、大型野菜の値下がりで玉葱の販売環境も厳しさを増している。また、大型量販店のなかには、市場調達から産地との直取引の比率を高める店もあり、市場関係者に不信と不安を与えている。実勢相場は先安に動いていることを、仲卸や小売店の誰もが肌で感じている。北海物の入荷は2L、Mが少なくL大、Lが主力となっている。小売店の店頭売値はL大3P、L4P詰めが主力の販売で、価格水準は¥150前後が殆どであったが、値下げをしている店が増えている。また、バラ売りが多くなっている。前裁きの低迷から市況は¥1,400〜1,300が通り相場になり、産地が求める¥1,500の維持は極めて困難の状況下にある。

 大阪市中央卸売市場本場の9月の玉葱の入荷は2,129トン前年比79%(前月比105%)で予想外の減少であった。北海物の入荷が半減したことが大きく影響した。昨年と異なり9月も兵庫物主導の販売となった。兵庫物の入荷は前年比177%で占有率は65%に上昇。北海物は前年比40%の入荷で占有率は32%に低下。中国物が前年比66%の入荷で占有率は1%であった。北海物は天候不順が影響したものの、予想外の減少であった。府県物との競合を避けたと思われる(ふし)も否定出来ない。兵庫物は、大豊作を反映して入荷増となったものの、球流れは大玉化で冷蔵用には不向きなため、即売に廻された感が強い。終盤期の出荷は,予想を大幅に上回ったことから、その分冷蔵物の入庫が減少したと見ている。

 10月に入ってからも、入荷は前年並みか前年を下回る状態が続いている。淡路物は即売から冷蔵に切り替わったが、大粒で2Lの比率が高く、2Lは弱含みでM・Sが強含みの動きとなった。北海物の入荷は前年を下回っているものの、市況は弱含みでJAの求める¥1,500維持は困難な状態にあり、此処に来て中心相場は¥1,400〜1,300に落ち込んでいる。北海物の¥1,500維持には更なる入荷減が必要との声が出ている。従来、仲卸の場立ちは店主・番頭が主力であったが、近年は店員が主力で相場感に乏しく、小売店の代理買いに終始し、自主性がなくなりつつある。また、買い手口(ロット)も小口化している。そのことが荷受のセリ人の士気にも影響を与えている。現在、販売の主力は既に北海物に移行しているが、玉葱市況は、此処暫く秋冬野菜の潤沢な出回りに影響され軟調の気配にある。9〜10月の様な前年比高の価格維持は微妙な段階に来ている。

 福岡市中央卸売市場の9月の玉葱の入荷は2,253トン前年比110%(前月比132%)で順調であった。前半は佐賀・長崎が主力で後半は北海物主力の販売であった。平均単価はkg¥82前年比113%(前月比112%)で入荷増の単価高の市況で、数値を見る限り好ましい販売であった。

 10月に入って、20日までの販売量は前年を下回っているものの、平均単価は前年を10%程度上回っている。荷動きは10月に入って鈍化傾向となり、価格維持を図るため販売量を調整したことで、コンテナー基地には北海物の滞貨が増加している。此処にきて仲卸段階のランニングストックも増加の傾向にあり、秋冬野菜の安値市況の影響もあり、玉葱市況も弱含みの状態が続いている。また、他市場からの流れ物もあり、価格維持が困難の見通しにある。佐賀物は即売が終了し10月は冷蔵物に切り替わっているが、概ね順調に動いている。香川の冷蔵物は11月からの販売を予定している。

 

10月24日()の主要市場の玉葱市況は次の通り

【札幌市場】入荷85トン、弱含み 

北海道  20kg 2L1,5001,000L大¥1,400 980L1,300 950

 〃   20kg M1,200 850 S¥450 300     

【太田市場】入荷200トン、弱含み

北海道  20kg 2L1,6001,500 L大¥1,6001,300L1,5001,300     

 〃   20kg M1,2001,100         

【名古屋北部】入荷30、弱保合

北海道  20kg 2L1,6001,500L大¥1,5001,300L¥1,5001,300        

〃   20kg M1,2001,100    

【大阪本場】入荷 60トン、弱保合

北海道  20kg 2L 1,6001,500L大¥1,5001,300L1,5001,300         

〃   20kg M1,2001,100             

兵 庫  10kg 2L¥900 750、 L 1,200 900  M1,100 900           

【福岡市場】入荷 60トン、保合

北海道  20kg 2L 1,500      L大¥1,6001,500L1,5001,400     

〃   20kg M 1,4001,300       

佐 賀  10kg 2L 1,000      L1,1001,050  M 1,2001,150      

 

供給(産地)の動き

 府県産地の即売物の出荷は予想よりも前進化し、10月20日までに出荷は終了している。冷蔵物も主力産地の淡路では出庫が前進化し、9月後半から出荷が始まっている。冷蔵物の入庫は29,140トンで前年比105%となったが、淡路産地では出庫が前進化して今月末の進捗率は30%近くに達すると言われている。

 北海道産地では、先月予想の生産・出荷量が多少上方修正されるとの情報もあるが、数値的には微修正に終わると見ている。出荷はやや後ずれ傾向にあり、此処にきて市況が弱含んでいるため、当面出荷は抑制傾向で後ずれが続きそうな雲行きである。在庫増になる可能性もある。

 輸入物は、中国物が週間3千余トンのペースでコンスタントの入荷が続いており、今後も同様の入荷があると予想されている。アメリカ、ニュージランド、オーストラリアが商談の季節を迎えているが、未だまとまった数量成約の情報はない。

 

 今年の北海道地方は、温暖な天候が続き風乾が心配されたが、此処にきて冷涼な気候となり、玉葱の倉入れ作業が最盛期を迎えている。9月出荷は後ずれ傾向であったが、10月は回復歩調となったものの、此処にきて市況が弱含んでいることから、出荷は抑制の動きにあり、今月も前年を下回りそうな気配である。生産・出荷予想は前月の予想値が上方修正されるとの声も聞こえるが、収穫時の現地を見る限り微修正に終わると見ている。

 8〜9月の道外出荷は、JA系と商系の出荷団体を合わせて77,463トン前年比97%と報告されている。他方、札幌市場(地場市場)への個人出荷は前年比2桁増が続いており、数値を見る限り生産者個々には前年の安値を警戒して、前進出荷の姿勢を崩していない。現在、市況水準は20kg¥1,000の攻防まで値下がりしているが、引き続き順調な出荷が続いている。道外出荷は建値市場の軟調市況を受けて、価格維持には出荷調整が必要との声も出ている。今年の北海道産は、豊作型ながら球揃いが良く、2Lの発生率は意外に少ない。また、2L、L大、Lの価格差は殆どなく、長玉・格外品の発生も少ないことから、生産者の手取り価格は安定化している。格外品の発生が少ないことで加工向けの格外品が品薄状態にある。市況の低迷を受けて、今後、産地としては、有利販売を意図して種々の販売対策を講じることと思われるが、出荷調整を価格維持の伝家の宝刀とすることは、米の減反政策と同じ道を歩む気がしてならない。

 府県産地の即売の終了は意外に早く、現在の出荷は冷蔵物に切り替わっている。北海物の9月出荷が後ずれしたことが、府県産地の即売出荷の前進化を促した。冷蔵物の主力産地である淡路の出荷は順調で、10月末には出荷進捗率は30%に達すると予想されている。淡路の中晩生は近年にない大豊作型で、冷蔵物も大粒で2Lが多くL・Mが少ない。品質的には可成のバラツキがあり、現在の出荷は、総じて中生の「ターザン」で商品化率が高く、正品歩留まりは90%を上回っている。晩生の「もみじ」は品質低下が目立ち歩留り率は既に90%を割り込んでいる。優良品種と言われて来た「もみじ」に近年退化劣化が目立ち人気が離散しており、品種改良を望む声が高い。現在、出荷の標準的な球流れは、3L〜2Lが50%、Lが44%、Mが6%で依然大玉傾向である。また、今年は気候の所為か種子の関係か定かでないがコマ型が多い。11月に入れば次シーズンの定植作業が最盛期を迎え、出荷作業が手薄となることや、此処に来て荷動きが鈍化し、市況は値下がり傾向にあることで、出荷ペースは低下すると見ている。今迄の順調な出庫を反映して、先行き冷蔵物が品薄になるのではとの声もある。此の2〜3年、年明けの冷蔵物市況が堅調に推移したこともあり、先高期待感が出始めている。

 香川、愛媛の冷蔵出荷は11月に入ってからで、淡路に比べ入庫コストが高く、9〜10月市況は採算に乗る水準ではなかった。両県とも豊作で球流れは大玉化となるが、品質は良好であると言われている。

 佐賀では今年の冷蔵物の主力は加工向けで市場出荷は少ない。市場向けは10月から九州市場に出荷されているが、入庫コストが安く市況は採算価格を上回っている。

 輸 入 物

 9月の輸入は、速報値では14,887トン前年比88%でやや回復歩調となっている。中国が14,729トンで前年比90%、アメリカが128トン前年比22%と激減している。主力の中国物は殆どがムキ玉である。原料産地は山東省と甘粛省だが、山東省の在庫は少なく今後は甘粛省が主力となる。昨年の安値が影響して甘粛省も作付減で前年比70%前後に落ち込んでいる。収穫は9月末までにほぼ終了しているが、作柄は旱魃が影響して球伸びが悪く小玉傾向で、前年比10%程度の反収減になった模様。減収を反映して産地価格は堅調で、輸入価格は前年を上回っている。現在のムキ玉の中心価格は20kgC&F、山東省産$6、甘粛省産$7である。

 アメリカ、今シーズン全米の貯蔵性玉葱の作付け面積は前年比92%、日本に関係の深いワシントンが前年比94%、アイダホが92%となっている。10月1日現在の在庫量は前年比83%でかなり少ない。在庫減を反映して日本向けのオファは現在50£・C&F・Jサイズ$9.85、SJサイズ$9.35、Mサイズ$8.85の高値にあり、大口の成約はない。

 ニュージランド、今シーズンの栽培面積の確定値は入手していないが、現地からの報告では、前年比5〜10%の減反になる予想とのこと。6〜7月の播種・生育初期に降雨が多く、蒔き直しをした地域があるものの、現時点での生育は良好であると言う。今シーズンは欧州産地の作柄も良好で欧州向けのビジネスも厳しくなりそうだ。との声もある。日本向けの価格は20kg・C&F・¥1,100前後と言われているが、此のところ急速な円高で、7月にはNZ$が¥99台であったものが、10月に入って¥61台に急騰しているので、輸入価格はなお流動的である。

 

 11月〜12月の見通し

 10月後半に入り、関東以西の秋冬野菜の出荷が最盛期を迎え、野菜の市況は低迷している。此れを受けて玉葱市況も弱含みの状態にある。野菜には旬があり、野菜の価格はその作柄や気候の変化によって変動する。晩秋からは鍋物シーズンを迎え、需要は鍋物商材を中心とした動きに変わる。玉葱も煮物需要が中心となるが、需要は通常11月から減少に向かい1月に底を打つ。この3カ月間の拡販は容易でなく、需要を見詰めながら販売対策を講じることが必要である。11月市況は弱含んでも、月末には底を打つ。冬野菜の作柄にも影響されるが、12月は横這い市況で価格変動の少ない月になる。今年も11〜12月の値上がりは期待薄とみている。府県の冷蔵物、北海物ともに品質低下が起きないよう、在庫管理に注意することが肝要。(了)

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