たまねぎレポート 【245号】

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                        平成20年2月25日

                    阪南青果株式会社

 社内報

 1月の天候は、中旬に冬型の気圧配置が強まって北・東日本に寒気が南下したが、逆に西日本が小春日和の日があるなど「南高北低」の気温となった。北日本の月平均気温は平年より0.5度低く、西日本は0.7度高かった。降水量も地域差が目立ち、東日本以北で少なく西日本で多かった。

 気象庁が発表した2月25日〜3月23日の1カ月予報では、2月下旬から3月上旬にかけては、気圧の谷が周期的に日本付近を通過する。通過後は一時的に冬型の気圧配置となり、寒気が流れ込む見通し。このため日本海側の天気は周期的に変わるものの、北・東日本では曇りや雪または雨の日が多い。

 太平洋側も数日の周期で天気が変化するが、北日本では平年と同様に晴れる日が多い見込み。3月中旬から下旬にかけては低気圧と高気圧が交互に通過し、全国的に変わりやすい天気になる。南西諸島は晴れ間の出る日もあるが、平年同様にぐずつく日が多い。

 此の先1カ月の平均気温は、北日本は平年並かやや高めになる。西日本はほぼ平年並み、南西諸島は平年並かやや低くなりそう。

 

需要市場の動き

 東京都中央卸売市場の1月の野菜の入荷は123,082トン前年比101%(前月比88%)で、月後半の冷え込み等で生育が抑制されたものの、順調な入荷であった。主要品目では、馬鈴薯が前年比15%増となったのを始め、レタス、大根、ピーマン、キャベツの5品目が前年を上回った、他方、トマトが前年比6%減となったのを始め、人参、玉ねぎ、ほうれん草、ねぎ、きゅうりの6品目が前年を下回った。平均単価はkg¥203前年比97%(前月比91%)で弱含みで推移した。主要品目では、人参が前年比49%高、白菜が39%高となったのを始めねぎ、キャベツ、トマトの5品目が前年を上回った。他方、レタスが前年比30%安となったのを始め、馬鈴薯、ピーマン、玉ねぎ、ほうれん草、きゅうりの6品目が前年を下回った。

 

         東京都中央卸売市場1月の入荷量と単価

品   目

 

前年比 %

前月比 %

単 価 ¥/kg

前年比 %

前月比 %

 

野菜総数

123,082

101.4

88.2

203

97.3

91.4

たまねぎ

だいこん

キャベツ

はくさい

にんじん

ばれいしょ

レ タ ス

ね  ぎ

きゅうり

ト マ ト

かぼちゃ

ながいも

にんにく

8,203

12,958

13,372

12,535

7,332

8,214

8,475

5,367

4,612

5,109

2,336

642

375

96.2

106.7

102.2

98.9

95.0

114.5

107.7

126.9

98.2

94.2

89.3

77.7

98.1

82.0

93.2

104.1

83.8

73.0

101.5

101.8

82.7

95.8

112.0

70.4

63.4

83.7

81

53

64

38

96

93

147

229

466

298

198

275

375

83.8

99.1

123.4

139.3

149.3

78.9

69.9

130.0

93.4

107.4

147.1

140.2

131.5

108.0

82.8

91.4

97.4

96.0

104.5

80.3

88.8

118.3

66.7

84.6

94.8

83.7

 

 1月の建値市場の野菜の入荷は、概ね順調で名古屋が前年を下回ったほかは、前年を上回った。特に札幌は16%も増加した。平均単価は前年比97%(東京・名古屋)〜82%(札幌)総ての市場で前年を下回った。玉葱の入荷はまちまちで大阪本場だけが前年を上回った。前年比105%(大阪本場)〜74%(札幌)で札幌が大幅減となった。札幌市場では近郷産地の空知、石狩の生産者の個人出荷の減少が影響していると言う。平均単価は前年比87%(大阪)〜75%(札幌)で全国的に入荷減の価格安であった。

 東

 東京都中央卸売市場の1月の玉葱の入荷は8,203トン前年比96%(前月比82%)と減少傾向であった。主力は北海道で入荷は前年比96%で占有率は95%。静岡が前年比108%の入荷で占有率は2%、中国が前年比75%の入荷で占有率は2%であった。平均単価はkg¥81前年比84%(前月比108%)で、北海物¥77(前年比83%)、静岡物¥220(前年比98%)であった。

 2月に入ってからは、降雪や寒波の影響で、多くの品目が値上がりしたが、玉葱は荷凭れ感が払拭されず、市況に変化は起きなかった。北海物はホクレンに出荷抑制の気配が見られたものの、商系の入荷が増加傾向となり、総じて順調な入荷が続いている。寒波の影響で多くの野菜の市況が堅調となるなか、玉葱市況は横這いの域を脱していない。荷受け各社とも、高値はホクレンの指示価格で勉売をしているものの、相場の腰は重く荷動きは今一つである。中国ギョウザーの中毒事件で、生鮮野菜の消費も国内産志向に傾いているが、玉葱は北海物が潤沢な出回りにあることや、中国産玉葱は加工向けが主力であることで、今のところ市況への影響は出ていない。本来なれば輸入玉葱の主力を占める中国産の輸入が減少すれば、相場上昇の追い風になる筈だが、生しいたけ、にら、にんにくのような動きは見られない。他方、静岡の早生物の入荷は前年をやや上回る状況にあるが、引合いが強く荷動き活発で品薄高が続いている。

 

 名古屋市中央卸売市場の1月の玉葱の入荷は4,484トン前年比93%(前月比77%)で減少傾向であった。引き続き北海物主力の販売であったが、北海物の入荷は前年比91%占有率は92%、京都が前年比109%占有率は2%、アメリカが前年比999%占有率2%であった。平均単価はkg¥72前年比85%(前月比109%)であった。北海物は産地の価格要請が強く、産地を意識した仕切りになっているが、実質は仕切り価格を下回っている。

 2月に入って、降雪などの影響で、重量野菜を始め洋菜類が一斉に値上がりしたが、玉葱は小売、転送需要とも動きに変化が見えず、荷動き回復の気配はなく、市場関係者は手持ち在庫を抱え、在庫処理に苦労した。月後半には寒波の影響や他野菜の堅調な動きに連れられて、在庫は減少に転じたものの、市況に変化はなく横這い状態が続いている。中国ギョウザの中毒事件で、中国からの輸入は減少しているが、今のところ加工筋を始め小売段階でも影響は見受けられない。産地は追い風を期待しているが、売手も買い手も静観している。静岡の早生物の入荷は少なめで、高値ながら順調に売れている。3月になれば静岡が最盛期に入ると共に、地場産地の愛知物も出荷が始まる。

 

 大阪市中央卸売市場本場の1月の玉葱の入荷は1,765トン前年比105%(前月比87%)で概ね順調であった。北海物の入荷は前年比111%占有率65%、兵庫物の入荷は前年比84%占有率は26%、静岡物の入荷は前年比125%占有率4%、香川物は前年比271%の入荷で占有率は3%であった。平均単価はkg¥100前年比87%(前月比120%)であった。産地別では北海物が¥74(前年比76%)、兵庫物が¥139(前年比105%)、静岡物が¥267(前年比101%)で高値の静岡、兵庫物が平均価格を押し上げた。

 2月に入ってからは、白菜、大根など一部品目の需給調整や降雪・寒波の影響で重量野菜の値上がりが続いたが、玉葱市況に変化はなく、北海物は入荷順調で凡調な動きに終始している。市場関係者の手持ち在庫は多くはないが荷動きに活気がない。ホクレンでは指示価格の値上げをちらつかせ、値上げ誘導を試みているが、市場は反応していない。静岡の早生物は人気良く品薄状態が続いているが、当面は大幅な入荷増は期待出来そうにない。兵庫の冷蔵も在庫が少なく品薄状態が続いている。中国ギョウザの中毒問題もあり、玉葱には追い風となっているが、今のところ市況への影響は表面化していない。1月末からの寒波で、九州産地の早生物の生育が2週間前後遅れていることも、北海物の販売に味方しているが、潤沢な入荷で需給は安定している。此の先兵庫の冷蔵物は終盤に入り入荷は減少傾向となる。静岡の早生物は3月がピークになるが引合いが強く後続産地が出回るまでは品薄高が続きそうだ。

 福

 福岡市中央卸売市場の1月の玉葱の入荷は2,001トン前年比96%(前月比81%)で減少傾向であった。北海物主力に香川の冷蔵物の併売であった。平均単価はkg¥80前年比85%(前月比107%)で強含みの推移であった。ホクレンの指示価格に向けて勉売したことで、価格を上げたものの数量は減少した。 2月に入ってからも、買い手側は北海道産地の在庫増を懸念し、量販店、加工筋とも大口の注文が減少し、活気のない取引が続いている。他市場からの流入もあり市況は保合が精々で気分的には弱含んでいる。市場関係者のランニングストックは適当な水準で推移しており、北海物の入荷減が続けば、市況の好転が期待できる。

 香川、愛媛の冷蔵物は終盤を迎えており、熊本、長崎の早生物は寒波で生育が停滞し、未だ入荷はなく3月半ばからになりそうだ。

 

 2月25日(月)主要市場の玉葱市況は次の通り

【札幌市場】入荷31トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,3501,050、 L\1,3501,100、 L \1,300〜 700、  M \900 〜 550

【太田市場】入荷180トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,5001,000、 L\1,6001,300、 L \1,5001,200、  M \1,3001,000

 静 岡 10kg 2L \2,2002,000、  L \2,5002,300、 M \2,2002,000

【名古屋北部】入荷60トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,4001,300、 L\1,6001,500、 L \1,5001,400、  M \1,3001,200

 静 岡 10kg 2L \2,2002,000、  L \2,5002,300、 M \2,2002,000

【大阪本場】入荷75トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,4001,100、 L\1,6001,300、 L \1,5001,200、  M \1,2001,000

 兵 庫 10kg 2L \1,6001,400、  L \2,0001,600、 M \1,6001,300

 香 川 10kg 2L \1,400〜     L \1,600〜    M \1,300

 静 岡 10kg 2L \2,200〜     L \2,7002,500、 M \2,3002,000

 長 崎 10kg 2L \2,200〜     L \2,500〜    M \2,000

【福岡市場】入荷55トン、保合

 北海道 20kg  L\1,6001,500、 L \1,6001,500、 M \1,4001,300

 香 川 10kg 2L \1,5001,300、  L \1,6001,250、 L \1,4001,100

 

供給産地の動き

 主力の北海物も出荷は終盤を迎えたが、月末在庫は前年同期に比べ10%程度は多いと見られている。他方、輸入物は、中国の冷凍ギョーザの中毒事件から、大幅に減少すると予想されるほか、府県の冷蔵物の在庫は、前年同期の60%程度に減少しており、静岡に続く九州産地の早生物も、寒波の影響で生育が停滞し、出荷は10日前後後ずれする見込み。従って、3〜4月の供給量は前年を可成り下回る可能性が強まっている。北海物も府県の冷蔵物も貯蔵に限界があり、出荷の後ずれは品質低下を招くことになるし、府県の早生物はストック出来る品質ではなく、出荷の調整には難がある。輸入の減少が表面化する3月下旬には品薄現象が起きる可能性がある。

 北 海 道 産 地

 ホクレンでは、年始に年内の出荷進捗率は65%と話していたが、65%だと仮定すると道外出荷の越年在庫は149,000トンで前年より10,000トン減になる。1月の道外出荷は52,515トンで前年同月比108%になり、2月も前年並か前年を上回る出荷が続いていることから、3〜4月の道外出荷も前年を7〜8%上回ると推察される。

 北海道産地の出荷は、終盤に入っているが、中国ギョーザの中毒事件を受けて、玉葱の輸入減必至と見て、値上がり期待感が強まっている。今年は市況が低迷したことで、地域によっては今も出荷の適期を逸した早生・中生系の品種在庫を抱えている向きがあり、品質的には可成の格差が出始めている。今年の品質はやや軟質で正品歩留まりは前年に比べ2〜3%低下しているが、此の先冷蔵貯蔵物が主力となり品質低下の心配はないと見ている。

 産地関係者が注目している札幌市場では、空知、石狩の不作が影響して、入荷は前年同期を大きく下回っているものの、市況は低迷を続けている。道外市場に北海物が隈無く出回り道外からの注文が激減しており、入荷減ながら価格安が続いていると言う。

 産地では次シーズンの栽培準備に忙しく、ビニールハウスでの育苗に精を出している。作付面積を論ずるのは時期尚早だが、市況安にもめげず20年産の作付は前年並みかやや上回りそうな動きである。

 府 県 産 地

 府県の冷蔵物は、市況高を反映して順調な出荷が続いたことと、病害の進行で商品化率が低下したことで、2月末の在庫は3,000トンを割込みそうな状況にあり、前年比60%程度にとどまる予想である。特に冷蔵物の市況は関西市場で高く、北九州・福岡市場は割安である。

 新物は静岡が最盛期に入り出回り量は増加するが、前年を下回ると予想されている。適期収穫による品質向上を志向したことで、例年に比べると裾物の発生が減少し球締まりが向上している。玉葱市況が低迷するなかで前年並みの高値を確保しているのは、市場評価が高まった物と受け止められている。静岡の後続産地である長崎、佐賀、愛知はいずれも2月の寒波や降雪の影響で生育が停滞し、出荷は1週間〜2週間の遅れとなる予想である。例年、3月始めから出荷が始まる長崎の島原地区も生育が遅れているし、諌早の長田も諌早湾堤防の完成で潮流が変わり、平均温度が下がり生育は遅れ気味である。佐賀の白石、鹿島のマルチの極早生も寒波で葉鞘に損傷を受け回復が遅れそうだ。トンネル栽培は3月始めには出荷が始まる予想。

 輸 入 物

 1月の輸入は速報値で16,660トン前年比104%、平均単価はC&F、¥34前年比56%と報告されている。中国が13,897トン前年比103%、アメリカが2,683トン前年比116%、タイ80トン前年はなし。中国が順調な入荷で、中国並みの価格になったアメリカが増加傾向となった。1月末には中国の冷凍ギョーザの中毒事件が発生し、2月は中国物が激減する見込である。代替としてアメリカ物の手当が始まっているが、大勢は中国動向を見守っており大口の成約はない。アメリカの貯蔵玉葱の出荷も終盤を迎えており、数量的にも品質的にも問題が多い。シーズンに入ったニュージランドは、為替の円安から輸入原価は20kg¥1,700以上になり、高過ぎて成約は進んでいない。

 中国物の輸入は2月の第2週から着荷が減少しており、現在では船積み中止の港もあり、中国側にも波紋が拡がっている。近年、中国からの玉葱の輸入量は年間20万トンを超え、国内産地2位の佐賀と3位の兵庫、両県を合わせた出荷量を上回る量であり、輸入量の80%前後を占めている。特に中国産のムキ玉は加工筋の原料供給と価格の安定に大きく貢献している。中国物の輸入が止まることになれば加工筋に大きな打撃を与えることになり、原料価格の高騰は免れられない。業務筋や加工筋では「中国産玉葱」の使用を手控える動きにあり、輸入関係者は対応に頭を痛めている。中国産玉葱の主力はムキ玉で、ムキ玉を廉価で輸入出来る相手国はない。原料なればアメリカ産の手当も可能だが、原袋で輸入した物をムキ玉に加工すると当然価格はハネ上がり、国内産の原料を使用するのと大差がなくなる。消費者や需要家の国内産志向は国内産地にとっては追い風になるが、消費者や需要家に国内産地の生産者の採算価格(再生産価格)が受け入れられるか否かが問題である。中国産の代替は価格が受け入れられれば、当面は北海産の利用は可能だが長続きはしない。

 中国側でも事件を重視し、再発防止を目的に生鮮野菜を始め冷凍加工食品の輸出検査が強化され、残留農薬などの検査に長時間を要し、日本向けの輸出手続きが停滞している。中国側の輸出業者の多くは「輸出検査に時間と費用が掛かり、日本向けは輸出停止と同じである」と嘆いている。日本が輸入する農産物の60%以上を占める中国産が輸入停止となれば、日本の食生活に大きな影響を及ぼすのは必至である。

 

3月の見通し

 2月の玉葱市況も好転の気配がなく、横這い状態が続いているが、環境は大きく変化をしている。中国産玉葱の輸入激減が玉葱の需給に大きな影響を与えるのは必至であると思われるが、今のところ市況に影響は出ていない。業務、加工筋では水面か下で、中国物の代替探しに動いているが表面化はしていない。生鮮、加工を合わせた中国産の輸入のボリュームが巨大であり、輸入禁止になる可能性が低いと見ているほか、中国に替わる廉価な相手国が見当らないことから対応を決めかねていると思われる。一部ムキ玉業者のところには、中国物に替わるムキ玉の打診はあるものの価格が折り合わず殆ど成約には至っていない。ユーザー側にしても、中国産の2倍もする国内産のムキ玉に短絡的な切り替えが出来る筈はないし、ムキ玉業者も新規の発注に赤字覚悟で引き受けることには躊躇する。

 現在は市場向け、加工向けとも北海物の潤沢な出回りに支えられ、品薄感はないが、既に北海物の出荷は終盤を迎えており、続く府県の新物は寒波の影響で生育が停滞している。3月に入ると中国物の輸入が激減する。アメリカ等の手当に動いている商社もあるが、時期的に大量契約には無理がある。従って3月後半からは需給は均衡から順次タイトに向い、市況は好転し平年水準に回復する。(了)

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