たまねぎレポート【243号】

HOMEへ戻る

                        平成19年12月24日

                    阪南青果株式会社

社内報

 11月の天候は、月平均気温は平年並みであったが、前半は高温、後半は低温と気温の変動が大きかった。降水量は北日本の太平洋側と、沖縄・奄美で平年並みであったほかは、全国的に少なかった。特に青森などで11月の最大値を更新した一方、西日本では最小値を更新し、極端な違いを見せた。

 気象庁が発表した12月24日〜1月20日の1カ月予報では、12月下旬は、冬型の気圧配置が長続きせず、低気圧が日本の南海上を通過しやすい。日本海側は平年より雪や雨の日が少なくなりそう。太平洋側は北日本では晴れる日が多いが、東・西日本では平年より晴れる日が少ない。

 1月中旬にかけては、冬型の気圧配置となる日が多く、年末年始は一時強い寒気が南下しそう。日本海側は曇りや雪となりやすく、大雪の恐れも太平洋側は晴れる日が多いが、雪の降るところもある。

 南西諸島は期間中、気圧の谷や北東季節風の影響を受け、曇りや雨の日が多い。 此の先1カ月の平均気温は全国的に平年並み。ただ12月下旬は平年より高く、その後1月中旬にかけては平年並みか低くなるため、寒暖の変動が大きくなりそうだ。

 

需要市場の動き

 東京都中央卸売市場の11月の野菜の入荷は128,380トン前年比97%(前月比92%)で前年及び前月を下回った。主要品目では大根が前年同月比12%増となったほか、馬鈴薯が10%、なすが7%、玉葱が5%増で前年を上回ったのは5品目であった。他方、トマトが前年比17%減となったのを始め、ピーマンが13%、里芋が7%減で8品目が前年を下回った。平均単価はkg¥202前年比125%(前月比92%)で好水準を保った。主要品目では、ピーマンが前年の2倍となったほか、キャベツ、白菜が前年比6割高、レタス、きゅうりが5割高、大根、ねぎ、人参が4割高、トマト、ほうれん草が3割高で12品目が前年を上回った。他方、馬鈴薯、玉葱が前年比2割安で前年を下回ったのは3品目であった。

 

         東京都中央卸売市場11月の入荷量と単価

品  目

量 t

前年比 %

前月比 %

  単 価   ¥/kg

前年比 %

前月比 %

 

野菜総数

 128,380

 97.4

 91.6

 202

 124.5

 92.2

たまねぎ

だいこん

キャベツ

はくさい

にんじん

ばれいしょ

レ タ ス

ね   ぎ

きゅうり

ト マ ト

かぼちゃ

ながいも

にんにく

  10,518

  13,613

  12,923

  12,779

  7,834

  7,583

  7,446

  5,642

  5,068

  4,792

  2,423

   796

   439

 104.5

 112.2

 96.9

 99.6

 99.7

 109.8

 96.8

 93.7

 97.6

 82.9

 78.6

 71.5

 96.9

 89.7

 105.4

 85.2

 98.3

 93.7

 88.8

 85.3

 97.9

 81.2

 82.4

 62.0

 95.6

 102.6

   70

   56

   63

   41

  119

   87

  130

  291

  321

  418

  205

  328

  582

 83.4

 143.1

 164.3

 161.6

 137.3

 81.4

 147.6

 139.1

 147.7

 132.8

 157.9

 186.1

 132.2

 102.9

 60.2

 84.0

 53.9

 102.6

 103.6

 82.3

 92.7

 115.5

 97.7

 157.7

 102.5

 92.8

 

 全国の主要市場の野菜市況は東京市場に類似した動きで、野菜の入荷は福岡が前年比2%増、大阪本場が前年比6%減と多少のバラツキが見られたものの、平均単価は前年比20%前後の値上がりとなった。玉葱の入荷は札幌と東京は前年を上回ったが、大阪本場前年並み、名古屋と福岡は前年を下回った。平均単価は前年比で札幌の落ち込みが大きく前年比79%、福岡が落ち込みが少なく88%であったが、いずれの市場も入荷量に比べて値下がり率が大きかった。

 東

 東京都中央卸売市場の11月の玉葱の入荷は10,518トン前年比105%(前月比87%)で概ね順調であった。北海道物オンリーに近い状態で、北海物の入荷は前年比105%占有率は97%、中国物は前年比92%の入荷で占有率は2%であった。兵庫の冷蔵物は前年比125%の入荷だが量的には少なく占有率は1%以下であった。平均単価はkg70前年比83%(前月比103%)で凡調な保合相場であった。

 月後半からは、ホクレンの出荷調整で入荷は減少傾向となったが、荷動きに変化は見られず、指し値販売に移行したこともあって、売手側からの積極的な売込みは手控えられ、重苦しい雰囲気が市場を支配した。10月からは秋冬野菜が堅調に推移するなか、11月に入って弱含みに転じたものの、平年を上回る価格水準を維持したが、土物の玉葱、馬鈴薯は波に乗れず安値相場が続いた。

 12月に入ってからも、少なめの入荷が続いたが、指し値に阻まれ売手も買い手も消極的で荷動きが鈍化し、数量減にも拘らず荷凭れ感が抜け切れず、沈滞ムードが続いた。何処の市場も相場が平準化しているため、転送需要が動かず入荷が減少しても品薄感はなく、活気のない状態に陥った。月後半になって主要野菜の動きが回復に向かったが、玉葱の動きは今一つである。指し値販売が続いているので平均単価はやや上昇している。ホクレンでは今年の生産量は前年比18%増だが、出荷の進捗率は年末には64%に達すると話している。事実であれば春高が期待出来そうだが、市場サイドでは荷凭れ感は払拭されていない。

 名

 名古屋市中央卸売市場の11月の玉葱の入荷は5,636トン前年比96%(前月比93%)で減少傾向となった。北海物主力の販売で、北海物の入荷は前年比97%で占有率は93%、中国物が前年比162%の入荷で占有率は2%であった。平均単価はkg¥64前年比86%(前月比105%)で数値的にはやや強含みとなったが、実勢に変化はなかった。

 11月後半には、ホクレンが出荷調整と指し値販売を実施したことで、一時期人為的に値上げを試みたが需要が伴わず徒労に終った。相場の高値は飾りに過ぎず、価格を底上げするには指し値であるL大¥1,400、L¥1,300以下は売り止めする以外に策はなかった。そのため売残りが増加し、他野菜に比べ玉葱の荷動きが鈍化した。例年11月の市場は野菜の入荷が減少するにも拘らず、荷動きが停滞することが多く、玉葱も余程環境が良くなければ値上がりは難しい。今年他野菜は10月から堅調に転じ、11月も弱含みながら前年比2割高で推移したが、10月に比べるとやや軟調であった。玉葱はホクレンの出荷調整で入荷は前年を下回ったものの、価格は前月比5%高、前年比15%安にとどまった。

 12月に入ってからも、ホクレンの出荷調整で入荷は前年を下回っている。価格は指し値販売が浸透し、前月を上回っているものの前年より1割余安の水準で、市場の荷凭れ感は解消されていない。年末需要期を迎え多少は荷動きが回復するものと思われるが、今のところ値上がりを期待出来る状況ではない。産地では年末年始高を期待している模様だが、市場では滞貨を一掃するのが精一杯である。

 

 大阪市中央卸売市場本場の11月の玉葱の入荷は1,950トン前年比100%(前月比83%)で頭打ちとなった。北海物が減少し兵庫の冷蔵物が増加した。北海物主力の販売だったが北海物の入荷は前年比92%占有率は65%、兵庫物の入荷は前年比119%占有率は31%、中国物が前年比146%の入荷で占有率は2%であった。平均単価はkg¥78前年比82%(前月比107%)で兵庫物が¥99、北海物が¥68であった。11月の半ばからは、前月まで続いていた前年比2桁増の順調な荷動きが次第に緩慢になり、販売量は前年同月並みに落ち込んだ。

 11月後半からは、ホクレンの指し値を受入れL大¥1,400、L¥1,300以下の販売は自粛したことで、品質を問わず高値安値の差が縮少し、荷動きが鈍化した。北海物は入荷減ながら前捌きが滞り荷凭れ感が出てきた。一方、兵庫の冷蔵物は荷動きが良くなり、強含みで推移した。冷蔵産地では、北海物の出回り増を意識して前進販売をしている向きが多い。

 12月に入ってからも、荷動きに変化はなく横這い相場が続いている。北海物は産地の要請もあり、¥100高相場を目標に値上げ販売を試みたが、買い手が追随せず実勢価格は殆ど変わらなかった。引き続き冷蔵物の動きは順調だが、学校給食が休みに入り、冷蔵物も2Lの荷動きが鈍化傾向にある。既に年末需要期に入っているものの、荷動きに大きな変化は見えていない。現状、北海物は仲卸段階での手持ちが多く、年内に在庫が一掃されるか否か気掛かりである。大阪地方では指し値販売は、物の良し悪しが価格に反映しないことや、目利きの機能が阻害されるとして敬遠される風潮がある。定価販売は統制経済的で上意下達との声もあり受け入れられにくい。指し値先行型ではなく、出荷調整強化で価格上昇を図って貰いたいものだ。

 

 福岡市中央卸売市場の11月の玉葱の入荷は2,508トン前年比97%(前月比106%)やや減少傾向であった。北海物を主力に香川、佐賀の冷蔵物を併売した。平均単価はkg¥71前年比88%(前月比96%)で数量減の単価安であった。野菜全体では数量増の単価高であった。

 11月後半は、ホクレンの出荷調整で、入荷が減少するが価格は上昇に向かうと期待されたが、かえって荷動きが鈍化し相場も弱含みで、期待はずれに終った。産地の要請を受けて底値切上げの販売を実施したが、前捌きが鈍く荷受けも仲卸も在庫増を招くことになった。

 12月に入ってからも、荷動きは好転せず凡調な動きが続いている。既に年末の需要期を迎えており、量販店などからはL小の発注が増え始めているものの、学校給食が休みに入ったことなどで2Lの動きが鈍化している。現状のままだと越年在庫は例年より多くなる可能性がある。

 

12月22日(土)主要市場の玉葱市況は次の通り

【札幌市場】入荷63トン、強保合。銘柄格差大

 北海道 20kg 2L \1,250〜 770、 L\1,300〜 650、 L \1,300〜 700、  M \700 〜 500

【太田市場】入荷150トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,5001,300、 L\1,6001,400、 L \1,6001,300 M \1,2001,000

 中 国 20kg  L \1,000〜 950

【名古屋北部】入荷150トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,4001,200、 L\1,6001,500、 L \1,5001,400 M \1,2001,000

 アメリカ20kg 2L \1,2501,150

大阪本場】入荷52トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,5001,300、 L\1,6001,400、 L \1,6001,350 M \1,2001,000

 兵 庫 10kg 2L \1,100〜 850、  L \1,3001,000、 M \1,100〜 900

【福岡市場】入荷121トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,5001,400、 L\1,6001,400、 L \1,6001,400 M \1,2001,100

 佐 賀 10kg 2L \1,000〜 800、  L \1,050〜 800、 M \1,000〜 900

 香 川 10kg 2L \1,2001,000、  L \1,2501,100、 L \1,100〜 950

 

供給産地の動き

 今冬は平年並みの寒さに戻ると予報されていたが、此処に来て温暖な日々が続いており、年末にも拘らず一部の品薄品目を除いては、荷動きは低調である。特に玉葱、馬鈴薯は平年の価格水準を大きく下回っている。

 年明け1〜4月の玉葱の出回り量は過剰と言われるほど多くはないが、10月まで前年を上回っていた家庭消費が11月から落ち込んでいるほか、加工需要も伸び悩んでいることが気掛かりである。北海道産地では、ホクレンの試算で出荷進捗率は年末には64%に達するとして、春高相場に期待感が強まっている。輸入物は相次ぐ食品偽装問題で消費者に敬遠され、輸入商談は低調で年明けの輸入は前年比15%前後減少すると見られている、府県の冷蔵産地は北海産地の増産を懸念して前進出荷態勢にあり、越年量は昨年並みと見られている。従って年明けの総出回り量は前年比2〜3%増にとどまると予想される。

 全玉連では年明け1〜4月の出回り量を次ぎの様に試算している。北海物(道外出荷、道外越年在庫を含む)187,000トン(前年比112%)、輸入物67,000トン(前年比87%)、府県冷蔵物10,000トン(前年比95%)、府県早生物38,000トン(前年比95%)計302,000トン(前年比102%)。いずれにしても流動的な面はあるものの趨勢から見て妥当な数値だと思う。

 北 海 道 産 地

 北海道産の8〜11月の道外出荷は218,000トンで前年比110%。作柄に地域差があり出荷の進捗率も地域差が大きい。また、JA系と商系の差も大きい。豊作型の網走が前年比123%に達しているが、不作型の石狩は79%、空知が82%と低調である。JA系は前年比112%、商系は90%で商系に後ずれ傾向が見られるものの、空知と網走では商系がJA系を上回っており、石狩、上川ではJA系が商系を上回っている。特に空知のJA系は81%で生産率を大きく下回っており、春高期待の後ずれではと言われている。しかし、主な生産者を訪ね歩いて話を聞くと、収量は前年に比べ反当り鉄コン1基(1、300kg)〜半基は少なく、市況安で数百万円も収入が少なくなると嘆いている。

 ホクレンでは年内の出荷進捗率は64%に達し、計画を1%上回ると試算している。我々はホクレンの様な数字の積み上げは出来ないが、十勝地区の作付、生産量が激増していることなどもあり、客観的な観測の域からは61〜62%程度かと見ている。

 産地関係者の間では、北海物の生産増は認識しているものの、食品偽装や農薬残留など、玉葱にも輸入品を敬遠する動きが拡がりつつあり、今後の輸入量は更なる減少が予想されることで、需給バランスの改善が見込まれるとして、先高期待感が強まりつつある。また、今年は前年に比べると秋冬野菜の価格が高いことも追い風になっているし、北海玉葱の品質が前年より見劣りし、商品化率が3〜4%低下していることも、出回り量の減少につながり、過剰供給が回避されるとの思いもある。いずれにしても年明け高を期待したい。

 府 県 産 地

 冷蔵物の出荷は順調で年内の進捗率は64%に達し、越年在庫は10,000トン前後に減少する。こだわりの客層に供給するのにも事欠く数量で、市況に影響を与える量ではない。いずれの冷蔵業者も、北海物の増反増収で安値市況が続いていることや、入庫時に良いと思った品質が病害などの進行が早く、意外にロス率が高いことなどで、年内出荷が得策との意識が強まり出荷が促進されている。従来年明け出荷に重点を置く香川においても、年内出荷が60%を超える動きにある。主力産地の淡路では、中国産玉葱の偽装報道で、市場価格に影響を受けたとして、関係当局に早急な原因究明と結果報告を求めている。

 府県産地では、殆どの地域で既に次シーズンの移植作業が修了しており、極早生産地の静岡では新年早々から出荷が始まる。全国的な作付面積は、九州地域は増反傾向にあるが、それ以外の地域は減反傾向にあり、総体的には前年並みかやや減少すると見ている。

 輸 入 物

 11月の輸入は速報値で17,360トン前年比82%と報告されている。中国が主力で中国物が15,083トン前年比95%、アメリカ物が2,277トン前年比41%となっている。

 近年の中国物は、府県の栽培品種と同一で、肥培管理が向上し品質的にも府県と優劣を付けがたいレベルに向上し、廉価が受けて府県物の代替として販売されて来たが、食品の安全・安心問題から消費者の中国離れがが起き、輸入は減少傾向にある。ただ、ムキ玉については加工筋での商圏が定着しており、大きな需要減は起きていない。今後も輸入量のトップの座を維持して行くと見ている。

 アメリカ、貯蔵玉葱の12月1日現在の産地在庫は1,015,000トンで前年比119%。2004年に次いで多い。C&F価格も6$前後の安値で推移しているが日本側との大口商談は見当らない。現在は黄玉以外の赤玉やピックルなど特殊な品種は、従来通りの入荷であるが主力の黄玉は少ない。しかし、在庫増から此の先投売り的な商談が発生する可能性もある。

 その他の国々との商談は今のところ静観状態にある。

 

1月の見通

 主導権を握る北海道特にホクレンの出荷姿勢に左右されるが、現状の市場では年末需要も玉葱、馬鈴薯の動きは今一つで、年内販売用に売り残りが発生する可能性がある。北海道産地では春高を期待する雰囲気が強い。産地として当然の動きである。販売環境も昨年に比べると好転している。一般野菜は昨年の様な廃棄処分に追い込まれる品目はなく、市況水準も前年比2割高の水準にある。天候も今冬は平年並の寒さになると予報されている。寒波が強ければ強いほど野菜の需要は好転する。外国物の輸入は昨今の社会情勢から予想以上に減少する可能性がある。府県の早生玉葱の作付は前年の暴落から作付減の傾向にある。反面、家庭消費も加工需要も伸び悩んでいる。天候も温暖が続く可能性もある。

 今後、適時、適量の出荷が望まれる。産地は強気過ぎない方が良いし、出荷は価格先行型でないのが良い。物販では売手と買手の論理は相反するもので、お互いの理解や認識を深めることが大事、買手に反発されると売れなくなる。1月の市場価格は北海物kg¥80〜85、冷蔵物kg¥110〜120を予想。()

HOMEへ戻る