たまねぎレポート 【239号】

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                         平成19年8月22日

                    阪南青果株式会社

社内報

 7月の天候は、全国的に平均気温は平年より低く、降水量は上、中旬は西日本で多く、北海道は少雨で旱魃となったが、下旬は逆転し北海道は多雨で西日本は少雨であった。8月に入ってからは全国的に猛暑に見舞われ、各地で最高気温の記録が更新され、熱中症の被害が続出し、農作物にも高温障害が広がった。

 気象庁が発表した8月20日〜9月16日の1か月予報によると、北海道は低気圧と高気圧が交互に通過するため、天気は周期的に変わる見通し。東北から東日本にかけては、晴れて残暑の厳しい時期と、前線や湿った空気の影響で曇りや雨の降りやすい時期とがありそう。

 西日本は太平洋高気圧に覆われ、平年と同様に晴れて残暑となる日が多いが、前線や湿った空気の影響で、にわか雨や雷雨の発生する日もある。

 南西諸島は、太平洋高気圧の圏内で、平年と同様に晴れる日が多い見通し。ただ、8月下旬は湿った空気が流れ込む影響で、にわか雨や雷雨が発生しやすい。

 この先一カ月の平均気温は、北日本から西日本にかけては平年並かやや高めで、南西諸島は平年より高くなる見込み。

 

需要市場の動き

 東京都中央卸売市場の7月の野菜の入荷は123,499トン前年比101%(前月比92%)で概ね順調であった。全国的に低温や日照不足など気象環境は前年に類似した状況であったが、入荷は前年をやや上回った。主要品目では、人参が前年比25%増となったのを始め、馬鈴薯、大根が前年比10%増、白菜、ねぎ、ピーマンも前年を上回った。一方、茄子が前年比9%減となったのを始め、レタス、トマト、キャベツが5%減、玉葱、ほうれん草も前年を下回った。平均単価はkg¥230前年比99%(前月比117%)で強保合で経過した。品目別では入荷減となったキャヘツが前年比35%高、レタス25%高となったほか、果菜類もきゅうりが20%高ピーマンが5%高であった。他方、人参が前年比半値の45%安となったのを始め、馬鈴薯が3割安、大根が2割安、玉葱、白菜は1割安であった。

 

          東京都中央卸売市場の7月の入荷量と単価

 

t

前年比 %

前月比 %

単価 \/kg

前年比 %

前月比 %

 

野菜総数

 123,449

 101.2

 92.3

 230

 99.2

 116.8

た ま ね ぎ

キ ャ ベ ツ

だ い こ ん

レ  タ  ス

ト  マ  ト

に ん じ ん

き ゅ う り

は く さ い

ば れ い しょ

ね    ぎ

か ぼ ち ゃ

な が い も

に ん に く

  9,928

  15,284

  9,415

  8,242

  7,818

  7,300

  7,085

  6,644

  6,021

  4,031

  3,168

  1,102

   432

 98.2

 95.2

 110.8

 93.7

 95.0

 124.8

 100.7

 106.1

 111.9

 103.7

 116.2

 81.8

 97.7

 93.1

 109.4

 117.1

 110.2

 84.2

 105.6

 94.2

 126.2

 67.1

 92.3

 97.4

 92.3

 91.3

   77

   88

   79

  164

  273

  106

  307

   60

   86

  315

  169

  255

  432

 90.8

 135.3

 78.1

 125.3

 102.7

 55.2

 119.6

 90.6

 68.7

 102.2

 76.3

 141.9

 104.4

 116.7

 129.4

 106.8

 124.2

 120.8

 103.9

 156.6

 111.1

 110.3

 123.0

 82.4

 120.9

 94.9

 

 7月の建値市場の野菜の入荷は、前年並か前年をやや上回ったが、価格は前年並か前年をやや下回った。7月は低温や日照不足、加えて台風が影響して野菜の入荷は予想を下回り、価格的には安定した値動きであった。主題の玉葱については、入荷は札幌が前年比3割増となったほかは、概ね前年並みの入荷であったが、単価は前年比1割安であった。産地では先高期待感が強まったが、末端需要は振るわず値上がり率は低かった。

 

 東京都中央卸売市場の7月の玉葱の入荷は9,928トン前年比98%(前月比93%)と減少傾向であった。主力産地の佐賀、兵庫が在庫増ながら先高期待感が広まり、出荷が先送りムードとなったことや関東産地の入荷減が影響した。7月は佐賀、兵庫、香川など西日本産地で80%を占めた。佐賀が前年比100%の入荷で占有率は47%、兵庫は前年比122%の入荷で占有率は22%、香川は76%の入荷で占有率は11%で、最盛期の群馬、栃木の入荷が前年を大きく下回った。平均単価はkg¥77前年比91%(前月比117%)で強保合に推移した。兵庫、佐賀が¥80台前半、群馬、栃木が¥60台前半でkg¥20の格差が出た。梅雨明けの遅れや7月中旬の台風の影響もあり、7月後半の野菜市況は総じて強含みで推移し、玉葱も産地の強気と入荷減を反映して10%以上の値上がりとなった。

 8月に入ってからは、猛暑が続き荷動きが鈍化したことや、北海物の出荷が前進化するとの情報から、価格は頭打ちから弱含みに転じた。盆明けと共に北海物の入荷が始まったが、L大¥1,500、L1,300の水準で府県物とは¥400〜300の価格差が生じ、産地の希望価格からも¥300程度下回った。北海物の入荷が増えるに連れて府県物も弱含みに転じた。また、連日の猛暑が祟り佐賀物には黒煤が多発、淡路物には肌腐りが増加し、品質不安から一部で買い控えが出始めた。北海物も稀に見る高温に見舞われ、根切り後の圃場で高温障害(火傷球)が多発し、市場では早生物に乾腐病による腐敗や高温による火傷障害に品質不安が出始めている。

 名

 名古屋市中央卸売市場の7月の玉葱の入荷は4,381トン前年比102%(前月比102%)で順調であった。兵庫物主力の販売で、兵庫物の入荷は前年比106%占有率56%、続く愛知物は前年比82%の入荷で占有率22%、中国物は前年比169%で占有率7%であった。北海物は在庫整理品の販売で前年比10倍の入荷で占有率は6%であった。地場産地の愛知物は年々切り上がりが早まる傾向にあり、7月入荷は減少した。平均単価はkg¥69前年比87%(前月比130%)で価格的には回復歩調であった。産地別では兵庫物が¥83で前年比92%、愛知物が¥52で前年比88%、中国物が¥77で前年比120%で、中国物が愛知物を上回った。

 8月に入って、梅雨明けと共に猛暑が続き荷動きが鈍化し、入荷は減少傾向ながら盆需要も動かず、市況は弱含みの状態となった。盆前から北海物の着荷が始まったが、地合いの弱さを考慮して販売調整を行い、盆明の初売りとなったが、時期尚早の感が否めず値が出なかった。20kgL大¥1,500の相場は予想を下回る水準であるが、当面は初値を上回る価格は望めそうにない。今年の北海物は生育の前進化で球締まり、色乗りともに良好で、品質的には申し分はないが、買参人の間には買い見送り気分が強く、完売に苦労した。現在も、買い手口は兵庫物中心で、北海物への切り替えは予想よりも遅れる気配である。

 大

 大阪市中央卸売市場本場の7月の玉葱の入荷は1,741トン前年比91%(前月比111%)で前月に続き減少傾向であった。淡路物主力の販売で、淡路物の入荷は前年比93%占有率は86%、島根物は前年比104%占有率7%、その他の産地の入荷はいずれも100トン未満で市況えの影響力は低い。平均単価はkg¥79前年比91%(前月比116%)で前月からは回復相場となったが、数量減の価格安の状態で活気に乏しかった。

 8月に入って、盆需要を契機に市況は強含むとの予想が多かったが、猛暑が続き淡路物のなかには高温による品傷みや腐敗が発生したことや、仲卸や小売店では高温下のストックを敬遠したため、荷動き鈍化で相場は保合がやっとの状態であった。淡路産地では北海物の出回る迄は高値を確保したいとの思いが強く、産地に呼応した荷受け各社では、20kgL¥2,000の販売を試みたが、実需が伴わず実勢価格は10〜15%安に終った。盆明けと同時に北海物の販売が始まったが、初売り相場はL大1,500、L¥1,300がやっとであった。今年の北海物は球締まり、色付きともに良好で品質的には申し分はなかったが、淡路、島根物の入荷が順調で時期尚早の感は否めなかった。北海物の入荷が日々増加するなかで、淡路、島根も弱含みに転じている。この先北海物の入荷が急増すれば、相場は共倒れになる可能性もある。

 福

 福岡市中央卸売市場の7月の玉葱の入荷は1,681トン前年比103%(前月比99%)で概ね順調であった。佐賀物を主力に長崎、福岡物を販売した。梅雨明けとともに酷暑が続き、小売店も業務筋も荷動きが鈍化した。平均単価はkg¥69前年比94%(前月比113%)であった。M、Sは売り残りはないが、業務筋の動きが悪く2Lに売り残りが出て販売に苦労した。

 8月に入って、佐賀物に黒煤による肌傷みが発生し、品質不安から荷動きは鈍化し弱含みの場面があったが、産地は強気ムードで産地相場は強含みの状態が続いた。8月も猛暑が続き玉葱の売れる環境ではなく、市場を始め小売店も業務筋も手持ちを抑え、当用買いに転換したため市場に活気がなく、沈滞ムードが支配した。盆明けには府県産地も諦めムードに変わり出荷に焦りが見られた。北海物は9月から販売を予定しているが、佐賀、長崎物の入荷が順調で、末端での北海物への切り替わりは遅れる可能性が強い。

 

8月21日(火)主要市場の玉葱市況は次の通り

【札幌市場】入荷103トン、保合

 北海道 10kg 2L \2,0001,600 L\1,9001,450、 L \1,6501,250、  M \1,150〜  600

 佐 賀 10kg  L \1,200〜    M \1,000

 栃 木 20kg 2L \1,400〜    L \1,400

 兵 庫 20kg  L \1,9000〜    M \1,700

【太田市場】入荷200トン、保合

 北海道 20kg L\1,500〜    L \1,300〜    M \1,000〜   、

 兵 庫 20kg 2L \1,5001,300、 L \1,9001,600、 M \1,7001,600

 佐 賀 20kg 2L \1,5001,300、 L \1,8001,600、 M \1,7001,600

【名古屋北部】入荷65トン、弱気配

 北海道 20kg L\1,500〜    L \1,300〜    M \1,000

 兵 庫 20kg 2L \1,500〜    L \1,650〜    M \1,500

【大阪本場】入荷76トン、保合

 北海道 20kg L\1,6001,400、 L \1,3001,250

 兵 庫 10kg 2L \800 〜 700、 L \1,000〜 800、 M \850 〜 700

  〃  20kg 2L \1,5001,400、 L \1,8001,600、 M \1,7001,600

 島 根 10kg 2L \700 〜 600、 L \800 〜 700、 M \700 〜 650

【福岡市場】入荷45トン、保合

 佐 賀 10kg 2L \700 〜 600、 L \870 〜 800、 L \850 〜 750

 長 崎 10kg 2L \750 〜 600、 L \850 〜 800、 L \750 〜 700

 福 岡 10kg 2L \600 〜    L \700 〜    L \700 〜

 

供給産地の動き

 盆明けの府県産、北海道産の出回量は前年比10%前後多いと見られているが、8月に入って猛暑が続き、府県、北海道産ともに、高温障害が発生し見直しが求められ壮な状況にある。府県産地では淡路、佐賀を除き8月一杯でほぼ終了するが、いずれの産地も高温障害が発生し商品化率が低下している。府県産の主力産地である淡路、佐賀も8月に入ってからの猛暑で黒煤の発生や腐敗進行が早く、正品歩留まりは大幅に低下している。北海道に於いても観測史上類を見ない高温が続き、圃場の地温が40度を越え、広い地域で根切りを終えた早出し玉葱に高温障害(火傷)が続出している。被害の程度にバラツキがあり、秋になるまでは確定出来ないが過去にない被害である。

 8〜9月の輸入は、前年を下回ると予想されるが、10月以降の国際価格は前年に比べて可成りの値下がりが予想されることや、為替が円安から円高に転じていることなどから、前年を上回る輸入があるものと予想される。

 府 県 産 地

 主力産地の淡路、佐賀の盆明けの在庫は当初予想を下回り、前年比5〜6%の増加にとどまりそうだ。8月の猛暑による高温障害で出荷歩留まりが予想外に低下したことや、8月市況が期待はずれの水準で推移したため、見切り出荷に動いた生産者が多かった。

 淡路では、7〜8月の出荷は順調で、青切りの安値で後ズレしていた出荷の進度が大幅に回復した。8月の猛暑で肩落ち、肌腐り、芯腐りが進行し、出荷歩留まりが低下した。黒煤の被害は前年に比べると少ないが、腐敗の発生率が高い。特に例年品質が良好と言われていた島北部(津名地区)での腐敗が目立った。黒煤の減少は肥倍管理の改善にあると言われているが、生産者は夫れ夫れに個々まちまちの管理方法で、標準的な対策やマニアルは公表されていない。今年の玉葱は皺が多いのも一つの特色である。皺の多いことや歩留まり率の悪さは高温だけでなく、収穫時の若穫りに原因があると話す生産者も多い。8月市況が期待に反し軟化したことで、盆前から産地相場が20kg当り¥100前後値下がりしたことで、生産者の焦りを誘った。通常値上がりする時期に値下がりしたことで、多くの生産者に動揺が走った。収容能力の大きいJAへの持込みが急増し、出荷増につながった。8月10日現在の冷蔵入庫量は約82万箱(16,400トン)で前年より多い。

 佐賀では、8月に入ってからの平均気温は淡路より高く、猛暑に悩まされた。生産者のなかには作業中の熱中症を心配して、日中の出荷作業を中止した人も多い。8月に入って、黒煤の多発が深刻化した。現地ではカルシュウム不足が原因との説が拡がっているが、カルシュウムの適切な投入時期や投入方法が難しく、効果はまちまちだと言う。カルシュウムの投入で黒煤の発生が激減した人、目立った効果がなかった人、殆ど効果のなかった人など、まちまちである。酷い人は発生率が50%を越え「来年からは貯蔵玉葱は作りたくない」と話している。8月のロス率の平均は20%前後に達し前年のほぼ2倍の率である。誰もが猛暑の影響であるとして温暖化を恨んでいる。選果の球流れも5〜6月は前年よりも大粒であったが、7〜8月は前年より小粒傾向である。品種差はあるものの大玉に黒煤の発生や肌腐りや芯腐りが多いことも、選果の球流れに反映しているのかも知れない。既に出荷は終盤を迎えており、9月10日頃には一部を残して終了する。佐賀も淡路同様盆から産地相場は10%前後値下がりしている。

 淡路に次いで冷蔵入庫の多い、香川、愛媛では今年の冷蔵物は大粒傾向で、例年になく2Lの比率が高い。入庫量は両県とも前年並みである。

 北 海 道 産 地

 今年の北海道産玉葱の生産出荷予想は、まだ、正式に公表されていないが、概ね作付は1,000haの増反、作柄は平年作かやや上回る、生産量は前年比10〜12%増と予想されている。8月始め産地を一巡した段階では、道外出荷量は前年に比べ5〜6万トンは多いとの感触であったが、その後の高温被害で多少の下方修正が出ると思う。

 北海道の7月の天候は、冷たい高気圧に覆われて低温、少雨、多照で玉葱には好適の天候であったが、8月は高温、多雨、寡照と玉葱の生育に不適な天候が続いた。生育は総じて前進化し、7月末には今年の出荷は1週間から10日早まると予想されていたが、8月に入って雨天曇天が続き、その後は高温に祟られ、作業が捗らず出荷は予想外に遅れている。天気の回復した中旬の圃場では地温が40度を上回る高温に晒され、根切りを終えた早生の圃場で高温障害(火傷障害)が多発した。気象環境による地域差は大きいが、特に空知地区の被害が大きい。中晩生には火傷の被害はないが、連日の高温で球肥大の停滞や、葉鞘に色褪せが出たり、枯れ上がりが早まるなどの被害が出ている。また、総じて変形球の発生が多い。

 今後の天候にもよるが、全道的には平年作を上回ると見られていた作柄が、平年作か平年作をやや下回ることになる可能性がある。7月の美幌地区の雹害、空知・石狩地区の高温(火傷)障害など、気象環境は人為的には抗し切れず、玉葱以外の野菜にも大きなダメイジを与えた。

 現在の市場は、北海物オンリーの道内市場で北海物が高く、府県物が主力の道外市場では北海物が安い。ホクレンでは加工向け原料価格を前年並みに据え置いたが、一部では市場出荷の手取り価格と原料価格が同水準になるのでは?との懸念も出ている。

 輸 入 物

 7月の輸入は速報値で17,716トン前年比93%で時期的には中国物オンリーの状態であった。中国物が17,661トンの入荷で前年比94%と前年をやや下回った。昨今、詐称問題などで中国商品の安心・安全の評価が失墜していることが減量の一因とも考えられる。現在の価格は日本着港倉庫渡し20kg¥700前後の原価で浜相場は¥750前後である。現地価格はやや強含みと聞くが現在の主産地は山東省で、今後甘粛省に移行することで価格水準は現状維持と予想される。来月から出荷が始まるアメリカ物の価格は、20kgC&F・$7〜$7.5のオファが出ている聞く。

 

9月の見通し

 北海物の出荷が軌道に乗る盆明けからは値下がり相場になると予想していたが、高温障害で北海物の作柄が下方修正されることが確実視され、市況は弱含み状態にとどまっている。しかし、主力産地の北見地区は豊作型であるし、空知地区も中晩生の被害は軽いとの情報もあり、強気になれる状態ではない。当初、市場サイドでは今年北海物の最盛期には3桁(¥1,000割れ)相場の出現もあると言われていたが、9月市況の平均はkg¥60台を維持出来そうだ。(了)

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