たまねぎレポート 【238号】
平成19年7月23日
阪南青果株式会社
社内報
6月の天候は高温少雨であった。前半は移動性高気圧に覆われて晴れる日がおおく、後半は梅雨入りしても梅雨前線が北上せず、まとまった雨が降らなかった。平均気温は北海道で2.2度も高く、東日本や西日本で0.7〜0.8度高かった。降水量は全国的に少なく、平年の50%以下のところが多かった。
気象庁が発表した7月23日〜8月19日の1か月予報によると、向こう1カ月、北海道は低気圧と高気圧が交互に訪れるため、天気は周期的に変化する見込み。ただ、7月下旬から8月の初めにかけては、高気圧に覆われて、平年と比べて晴れる日が多い見通し。
東北から西日本にかけての地域は、高気圧の圏内に入るため、平年と同様に晴れる日が多い。ただ、上空に流れ込む寒気や湿った空気の影響で、大気の状態が不安定となり、にわか雨や雷雨が発生しやすくなる所もありそう。
一方、南西諸島は、太平洋高気圧の圏内となるため、平年と同様に晴れて夏空が続く見通し。
この先1カ月の平均気温は北日本と南西諸島はほぼ平年並みとなる見込み。東日本と西日本は平年並みか低めとなりそう。
需要(市場)の動き
東京都中央卸売市場の6月の野菜の入荷は133,725トン前年比98%(前月比93%)で日照不足で入荷が少なかった前年を下回った。入荷増となった品目はナスが15%増であったのを始め、ピーマン、ホウレンソウ、ニンジンが前年を上回った。他方、入荷減となった品目はタマネギが14%減となったのを始め、キャベツ、ハクサイ、レタス、ダイコン、ネギ、キュウリが前年を下回った。平均単価はkg¥197前年比89%(前月比95%)で入荷減の価格安であった。主要品目で前年価格を上回ったのはレタスが10%高となったほかは、ニンジンの5割安を筆頭にバレイショ、ハクサイが4割安、ナスが3割安、ホウレンソウ、ピーマンが2割安、トマト、ダイコン、タマネギ、ネギは1割安であった。
東京都中央卸売市場の6月の入荷量と単価
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品 目 |
入荷量 |
前年比 |
前月比 |
単 価 |
前年比 |
前月比 |
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野菜総数 |
133,725t |
98.4% |
93.4% |
kg\197 |
88.5% |
95.2% |
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たまねぎ キャベツ ト マ ト ばれいしょ だいこん きゅうり レ タ ス にんじん はくさい ね ぎ かぼちゃ ながいも にんにく |
10,662 13,972 9,280 8,969 8,038 7,518 7,480 6,914 5,263 4,367 3,251 1,169 473 |
85.9 87.6 101.3 102.4 94.0 96.5 92.5 102.3 89.6 96.5 117.8 98.8 94.4 |
67.6 86.6 92.3 84.5 86.4 86.4 106.0 88.3 90.3 97.9 93.9 105.1 92.4 |
66 68 226 78 76 196 132 102 54 256 205 211 455 |
91.4 83.2 89.8 63.8 89.9 93.2 110.6 54.9 64.0 92.4 65.2 114.5 98.5 |
124.5 75.6 90.0 67.2 89.4 94.7 65.3 71.3 103.8 100.8 115.8 103.9 101.6 |
6月市場の野菜市況は、全国的に入荷減の単価安であった。建値市場で入荷量が前年を上回ったのは札幌と福岡で東京、名古屋、大阪は前年を下回った。平均単価では名古屋が前年比99%であったが、東京、大阪、福岡は80%台で札幌は79%であった。主題の玉葱の入荷は札幌が前年比3割増であったが東京、名古屋、大阪は80%台、福岡は109%であった。平均単価はいずれの市場も前年を下回り、大阪、福岡、東京が90%台、名古屋、札幌は80%台であった。
東 京 市 場
東京都中央卸売市場の6月の玉葱の入荷は10,662トン前年比86%(前月比68%)で府県産地が出揃い豊作型にも拘らず減少傾向であった。主力の佐賀物は前年比76%の入荷で占有率は45%で5ポイントの落ち込み。香川物は前年比106%の入荷で占有率は18%で3ポイント上昇、兵庫物は前年比91%の入荷で占有率は12%で1ポイント上昇、愛知物は前年比86%の入荷で占有率は6%で前年並み。平均単価はkg¥66前年比91%(前月比125%)で強保合に推移した。香川物がプライスリーダーでkg¥74、最盛期の関東物は¥50台であった。
早生物の安値が影響してか、6月に入って市況は回復歩調となったが、月後半も佐賀、兵庫の入荷は増えず、農繁期の関係もあってか産地の出荷に先送り傾向が見受けられた。入荷減から市況は強含みで推移したが、月末には一般野菜と同様玉葱の荷動きも鈍化傾向となり、市況は再び弱含みの展開となった。
主力産地である佐賀、兵庫の7月始めの在庫は前年より多いと言われながら、入荷は前年を下回る日々が続いた。14日の4号台風、16日の中越地震と災害が続き、台風が上陸接近した日本列島の太平洋側の産地では、野菜の生育・出荷に可成の被害を蒙り、葉物や果菜類が値上がりした。転送需要の引合いが強まるなど、玉葱の動きにも回復が見受けられたものの、市況を押し上げるほどの状態ではなかった。此処に来て学校給食が夏休みに入ったことや盛夏を迎えたことで、荷動きは鈍化傾向となり、市況は保合から弱含みの動きにある。
名 古 屋 市 場
名古屋市中央卸売市場の6月の玉葱の入荷は6,300トン前年比87%(前月比74%)で引き続き減少傾向であった。愛知物主力の販売であったが愛知の入荷は前年比76%占有率51%、兵庫物が前年比74%の入荷で占有率は19%、北海物が前年比599%で占有率は16%、中国物は前年比371%の入荷で占有率は9%であった。平均単価はkg¥53前年比85%(前月比113%)であった。
6月も愛知物の入荷は予想外に少なく、月後半には芯腐り、肌腐り等が発生し品質低下が目についた。兵庫は吊り玉に変わり品質は良好で、愛知物は兵庫物に比べて¥400〜¥300安く価格差が大きかった。入荷が少ない割に荷動きが鈍く、市況は保合から弱含みの推移であった。
7月に入っても変化がなく凡調な動きであったが、愛知の切り上がりが例年より早まったことや、兵庫産地が強気のため販売価格は産地主導の傾向が強まったことで、市況は回復歩調となった。折から台風4号の影響で軟弱物や果菜類が品薄高となり、それに連れて玉葱、馬鈴薯にも手当買いが入り、市況は強含みに転じた。梅雨明けが遅く気温が低めであったことも、玉葱の動きに味方した。此処に来て台風の後遺症が徐々に回復していることや、盛夏を迎え学校給食が夏休みに入ったことで玉葱の動きは鈍化傾向にある。
大 阪 本 場
大阪市中央卸売市場本場の6月の玉葱の入荷は1,568トン前年比85%(前月比58%)で前月に続き大幅減となっている。兵庫物主力の販売で兵庫物の入荷は前年比80%占有率も80%、大阪物が前年比230%で占有率は14%、佐賀物が前年比57%で占有率は4%であった。平均単価はkg¥68前年比97%(前月比148%)であった。早生のコロガシの片付きが例年より早かったことや、淡路産地が出荷を絞ったことで、月後半の市況は前年水準を上回る場面もあった。月間では香川、佐賀、中国物の価格が前年を上回ったことや、主力の淡路物の価格水準が前年比98%と落ち込みが少なかったことで、平均価格は他市場を上回った。
6月後半強含みに転じた市況も、7月に入って荷動きが鈍化し市況は保合から弱含みに変わった。銘柄産地の島根物の入荷が始まったが、大玉傾向で2Lの比率が高く、天候不順の影響か色乗りも期待したほどではなく、プライスリーダーにはなれなかった。月半ばには台風4号の上陸・接近で西日本の太平洋側が風雨の被害を受け、葉野菜・果菜類が品薄高となり、玉葱も転送需要が活発化した。主産地の淡路・佐賀では産地相場が上昇し、採算悪化で入荷減が続いているが、盛夏を迎え荷動きは鈍く、市況は現状維持が精々の状況にある。
福 岡 市 場
福岡市中央卸売市場の6月の玉葱の入荷は1,703トン前年比109%(前月比81%)で概ね順調であった。佐賀物を主力に長崎、福岡を併売した。佐賀の出荷が遠隔市場から近隣市場へ切り替わったことで入荷が増加した。平均単価はkg¥61前年比95%(前月比127%)で水準は低いものの、5月の安値から概ね順調な回復となった。
7月に入って、九州地方は大雨や台風の影響で、軟弱野菜が被害を受け品薄高傾向となったが、玉葱の市況には大きな変化はなく、月後半の動きは鈍い。学校給食が夏休みになったことや、加工筋の原料手当も一服状態で2Lの動きが止まった。遅れていた梅雨明けも、漸く南九州から明け始め酷暑の到来で玉葱の動きは鈍化の一途を辿っている。動きの悪いなかでもM・Sの発注はあるが、2Lの注文が途絶え在庫が増え始めている。
7月20日(金)主要市場の玉葱市況は次の通り
【札幌市場】入荷74トン、保合
佐 賀 20kg 2L \1,500〜1,400、 L \2,000〜1,900、 M \2,450〜2.350、
〃 10kg 2L \900 〜 L \1,000〜 M \1,100〜
栃 木 20kg 2L \1,350〜1,170、 L \1,780〜1,500、 M \1,700〜1,500、
兵 庫 20kg 2L \1,650〜 L \1,950〜 M \2,280〜
中 国 20kg L \1,050〜
北海道 20kg L大 \1,700〜1,600、
【太田市場】入荷170トン、保合
栃 木 20kg 2L \1,000〜 L \1,200〜1,000、 M \1,100〜1,000。
兵 庫 20kg 2L \1,300〜1,100、 L \1,800〜1,600、 M \1,700〜1,600。
香 川 20kg 2L \1,200〜1,000、 L \1,700〜1,500、 M \1,600〜1,500。
佐 賀 20kg 2L \1,300〜1,100、 L \1,800〜1,600、 M \1,700〜1,600。
中 国 20kg L \1,100〜
【名古屋北部】入荷91トン、保合
兵 庫 20kg 2L \1,500〜1,300、 L \1,800〜1,700、 M \1,700〜
中 国 20kg 2L \1,200〜1,100、 L \1,200〜1,100、
【大阪本場】入荷57トン、保合
兵 庫 10kg 2L \850 〜 700、 L \1,000〜 850、 M \850 〜 800。
〃 20kg 2L \1,400〜1,300、 L \1,800〜1,700、 M \1,700〜1,600。
島 根 10kg 2L \800 〜 700、 L \950 〜 800、 M \800 〜 700。
【福岡市場】入荷88トン、保合
佐 賀 10kg 2L \800 〜 700、 L \850 〜 700、 L \800 〜 700、
長 崎 10kg 2L \800 〜 700、 L \900 〜 800、 L \750 〜
福 岡 10kg 2L \650 〜 L \750 〜 650、 L \700 〜
供給(産地)の動き
府県の中晩生は、淡路を始めいずれの産地も大粒傾向で、出荷はやや後ずれ傾向にあることから、今年の府県産は全国的に増収率が減反率を上回っており、7月1日現在の産地在庫は前年を5〜6%上回ると見ている。また、北海道は未だ生育途上にあるが増反・増収が見込まれ、生産出荷量は前年を10%前後も上回ると予想されている。府県産地では、北海道産の増反増収は想定しているものの、盆までの高値を期待して現状はやや強気ムードが支配している。盛夏を迎えて荷動きは鈍化傾向にあるが、逆に産地相場は強含みで推移しており20kg裸値¥1,100〜¥1,200の水準にある。輸入物は大口の成約は控えられているものの、主力の中国物の入荷量は5月、6月とも前年を上回っていることや、秋冬期のアメリカ、ニュージランドも日本向け出荷は前年を上回る動きにあり、今年度の輸入は前年を上回る可能性が高い。北海物も、輸入物も流動的な要素はあるものの、今後の玉葱の供給量は、常識的に見て前年を上回る可能性が極めて高くなっている。
府 県 産 地
府県産地では、早い地区では冷蔵入庫が始まっているが、北海物の生産増の情報をうけて、いずれの産地も入庫は消去的な動きにある。現状の産地相場は市場価格に比べて、割高の水準にあり市場出荷では採算が儘ならず、日々の集荷品の品質の良否から取捨選択をして、冷蔵入庫と市場出荷に振り分けている。
中晩生の主産地淡路島の作柄は、早生は豊作、中生は平年作をやや上回る。晩生は平年作かやや不作との声が高い。今年の球肥大は圃場格差が大きく、2Lの発生率の高い圃場があると思えば、2Lが殆ど見受けられない圃場があり、例年に比べるとバラツキが大きい。地区別では、例年やや小粒で球締まりの良い津名地区が大粒で、三原地区と逆転している。出荷はやや全島的に後ずれ傾向にあり、産地在庫は前年同期に比べ6〜7%多い。ベト病、アーリー病の発生も多く、軟腐病も散見されている。5〜6月の安値市況から7月の産地相場はkg¥50に回復したが、生産者の多くは¥50の手取りでは不満の表情で、冷蔵物に対する期待感は強く、冷蔵入庫は前年を上回ると見ている。近年、JAの冷蔵物の精算価格が入庫時の産地価格を大幅に上回っていることから、商系に対しても生産者からの委託冷蔵が増加の傾向にある。商系各社では自前の冷蔵入庫(自社買い付け入庫)は、先送りの傾向にあるが委託冷蔵の入庫が順調で、委託・買い付けを合わせた今年の入庫量は、前年を上回ると予想している向きが多い。8月に入れば冷蔵入庫は本格化する。先高を唱える荷受会社もあり、盆明けの高値を期待している生産者も多く、産地相場は20kg裸値¥1,100〜1,200に上昇している。
佐賀では早生の増反増収を反映して、4月の出荷は前年比150%、5月は110%と増加したが6月は90%に落ち込んでいる。7月の出荷も前年を下回る動きにある。中晩生の反収は5.5トンを確保しており、平年作かやや平年作を上回る状況にある。今年、吊小屋は満杯で、吊り小屋に吊れないものはミニコンテナーに詰めて、青切りコロガシとして貯蔵されたが、コロガシの出荷は終盤に入っている。今年の6〜7月は雨天・曇天が多く、中晩生の出荷は後ずれ傾向にある。例年、コロガシ(短期貯蔵)は腐敗の発生率が高く品質低下で、市場から不評を買うことが多いが、今年はJA、商系とも完熟収穫を督励したことが効を奏し、選果選別時のイタミの発生は減少している。ただ、気温の上昇につれて、今年も黒煤の発生が散見され、多発生しないかと気を揉んでいる。黒煤の防除に特効薬はなく、対策に試行錯誤を続けている。現在、産地生産者の間に強気ムードが拡がり、産地価格は20kg裸値¥1,100〜1,000の水準で動いているが、盆迄の出荷は低調と見ている。
香川、愛媛では、冷蔵入庫が始まっているが、作付が年々減少傾向にあり、冷蔵物に対して従来のようなJAと冷蔵業者との団体交渉はなくなっている。今年の冷蔵物は大粒傾向で2Lの発生率が高い。両県の冷蔵物の標準相場は、粗選品20kg裸値L¥1,400、2L・M¥1,200、S¥800で佐賀、淡路の切り込み品に比べると割安感がある。
輸 入 物
6月の輸入は速報値で28,404トン前年比102%で予想を上回る入荷となった。中国が28,161トンで前年比105%、ニュージランドが174トンで前年比25%であった。
現在、中国物の主力は山東省で、収穫は6月中旬にほぼ終了している。作付面積については正確な統計資料は入手していないが、現地関係者の話では、昨年の好価格を反映して前年比130%前後の作付がある言われている。現在の日本向け価格は20kgC&Fで、皮付きが$3.5、ムキ玉が$4.0の水準で前年に比べると大幅安となっている。皮付きの入荷は減少傾向にあり、日本の市況の良し悪しに拘らずムキ玉の輸入は増加の傾向にある。
アメリカの今年の貯蔵用玉葱の作付面積は33,200haで前年比0.2%の増反と報告されている。現状はほぼ順調な生育状態にあり、カリフォルニアの早生物の産地FOB価格は50ポンドJサイズ$6〜$7、Mサイズ$8〜$9で前年同期を下回っている。
北 海 道 産 地
北海道の天候は6月〜7月、道東を除き旱魃が続き農作物に影響が出ている。玉葱の生育の現況は、石狩、空知地区は旱魃の影響で平年作か平年作を下回る。上川地区は散水設備があるものの、散水のタイミングが難しく、圃場格差が大きい。富良野市の従来産地は平年作を下回るものの、中富良野などの新興産地は良好で平年作を上回る。道東地区はいずれも平年作をやや上回る。北海道農政部の7月15日調査では、全道的の生育は2日前進化しており、草丈81.3p、葉数9.1枚、葉鞘径20.6o、球径4.2pで平年並みで推移していると発表されている。生産者は早期出荷を計画しており、平年より早く月末から道内市場で販売が開始される見込み。
8月の見通し
市場関係者も産地関係者も市況は北海道産の作況次第と見ているが、此処に来て北海道の長期旱魃で平年作が難しいのではとの声も出ている。現在、生育の前進化は2日と報告されているが、今後も少雨が続き生育が更に前進化すると平年作はおろか不作に変わる。北海道産が不作となれば、先高ムードが先行して市況は堅調を維持する。常識的な市況見通しは府県産主導型の盆明けまでは、多少の変動はあっても総じては保合で推移。8月末から9月始めの北海物主導型に移行する頃から軟調に転じると見ている。北海道の生産者の多くは、今年度の手取り価格は前年水準を確保するのは困難と見ており、早期出荷が必然的に増加の動きにあり、8月後半から9月の出荷は前年を大幅に上回ると予想される。(了)