たまねぎレポート【237号】
平成19年6月22日
阪南青果株式会社
社内報
5月の天候は、東日本以西では高気圧に覆われて晴れる日が多かった。一方、北日本では曇りや雨の日が多かった。月平均気温は東・西日本で高く、北日本と南西諸島は平年並み。降水量は西日本の日本海側と南西諸島は少なく、北日本の太平洋側はかなり多かった。
気象庁が発表した6月25日〜7月22日の1か月予報によると、北海道では、6月下旬は高気圧に覆われて晴れる日が多い。その後、7月下旬にかけては、北日本付近を低気圧と高気圧が交互に通過するため、天気は周期的に変わる見込み。 東北から西日本にかけての地域では、気圧の谷や梅雨前線の影響を受けて、平年と同様に曇りや雨の日が多い見通し。ただ、晴れ間の見られる日もありそう。
梅雨前線の活動が活発となり、降水量の多くなる時期もあるため、大雨による災害に注意が必要。
一方、南西諸島は期間を通して太平洋高気圧に覆われて、晴れる日が多く、降水量は少なめとなりそう。
この先、1カ月の平均気温は、北日本から西日本は平年並みか高くなり、南西諸島は平年より高くなる見通し。
需要(市場)の動き
東京都中央卸売市場の5月の野菜の入荷は143,223トン前年比100%(前月比114%)で低温や一部降雹の影響はあったものの概ね順調であった。主要品目別では、ナス、ピーマン、トマト、キュウリなど果菜類のほか、タマネギも前年を上回った。他方、ホウレンソウ、レタス、ハクサイ、キャベツの葉物類が前年比10%以上下回ったほか、ダイコン、バレイショも少なかった。平均単価はkg¥207前年比95%(前月比95%)で弱保合に推移した。品目別では入荷減が続いたレタスが前年比3割高、ホウレンソウが1割高、キャベツも前年を上回ったが、他の10品目はハクサイ、タマネギの4割安を始め軒並みに前年を下回った。
東京都中央卸売市場の5月の入荷量と単価
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品 目 |
入荷量 t |
前年比 % |
前月比 % |
単 価 ¥/kg |
前年比 % |
前月比 % |
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野 菜 総 数 |
143,223 |
99.7 |
113.6 |
207 |
95.3 |
94.5 |
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た ま ね ぎ キ ャ ベ ツ ト マ ト は れ い しょ だ い こ ん レ タ ス き ゅ う り に ん じ ん は く さ い ね ぎ か ぼ ち ゃ な が い も に ん に く |
15,768 16,139 10,056 10,608 9,302 7,054 8,701 7,828 5,826 4,461 3,464 1,112 512 |
103.7 87.7 106.8 97.2 94.7 88.4 105.5 100.0 89.6 102.8 137.7 106.2 101.0 |
103.5 100.4 157.9 114.7 101.0 112.1 137.7 123.9 102.8 114.5 101.7 106.1 121.9 |
53 90 251 116 85 202 207 143 52 254 177 203 448 |
63.4 105.6 89.0 90.5 93.5 134.4 91.4 79.0 62.5 93.1 65.2 106.8 82.1 |
75.7 93.8 64.2 91.3 93.4 83.8 81.2 115.3 88.1 117.1 109.9 102.5 97.8 |
5月の建値市場の野菜の入荷は、大阪が前年を3%上回った他は、ほぼ前年並であった。平均単価は前年比5〜10%安で、総じて弱含みに推移し、いずれの市場も主要野菜で前年を上回ったものは1〜2品目で他は前年並か前年を大きく下回った。玉葱は4月後半からの続落市況で、いずれの産地も極早生終了後は出荷の抑制に動いたため、札幌、東京市場以外の入荷は前年を下回ったものの、平均単価は前年比4割安に落ち込んだ。
東 京 市 場
東京都中央卸売市場の5月の玉葱の入荷は15,768トン前年比104%(前月比も104%)と順調であった。府県産地が出揃い多くの産地の入荷が前年を上回った。佐賀主導の販売であったが、佐賀物は安値市況を反映してか一時なかだるみ現象が起きたものの、入荷は前年比100%占有率は67%であった。続く兵庫は前年比165%で占有率は7%。千葉は133%で占有率は6%。香川は115%で占有率5%であった。他方、愛知の入荷は前年比60%で占有率は2%に低下した。平均単価はkg¥53前年比63%(前月比76%)で平成14年に次ぐ安値であった。
今年、府県の早生は生育が前進化し、例年大型連休の前後から集中する入荷も、連休明けには入荷が減少傾向に向かった。中旬の入荷は多くの産地が前年を上回ったものの、主力の佐賀が前年比11%減となったことで前年並にとどまった。佐賀の前倒し出荷が終り、例年より早く入荷が安定化したため、5月後半の市況は底値固めに入った。佐賀物も2Lの比率が低下し、2Lの動きに回復の兆しが見え始めた。
6月に入って、佐賀物の入荷が前年同期を大きく下回ったことで、需給バランスの改善は早まり、例年より早く市況は回復に向かった。上旬の平均単価はkg¥55であったが、中旬には¥69に上昇し前年価格を上回った。此処に来て市況は頭打ちで横這い状態になっているが、予想より早い回復で、5月の悲壮感は薄れている。産地に早生のストックが少なく、目立った品質低下がなかったことが幸いした。
名 古 屋 市 場
名古屋市中央卸売市場の5月の玉葱の入荷は5,827トン前年比97%(前月比87%)で荷凭れすることはなかった。愛知物主力の販売だったか、愛知の入荷は前年比91%で占有率は51%と3ポイント低下した。愛知も豊作と報告され球流れは大粒であったが、重点市場への入荷が減少したことは、豊作だが予想外の減反で生産減となっている可能性が高い。兵庫は前年比129%で占有率は10%であった。北海物は前年比82%占有率は20%であった。平均単価はkg¥47前年比66%(前月比68%)であった。
従来から愛知物は球肥大が良く大粒傾向だが、今年は更に大粒化して2Lの発生率が高く、一時は売り切れない2Lが市場に滞貨し、受け皿探しに苦労した。月末になって、入荷は峠を越し減少傾向になった。同時に、市況が底を打ち、品質的には球締まりが良くなったことから加工筋に手当買いの動きが出始めたし、量販店がバラ売り用に使い始めたことから滞貨がなくなり、漸く一息ついた。
6月に入ってからも、入荷の減少傾向が続いた。他方、小売店の動きが回復に向い、月半ばから市況は強含みに転じた。2Lの比率が低下したことから、2Lから値上がりに転じた。予想より1旬早い回復である。いずれの産地も早生は豊作であったが中晩生は平年作を上回るものの早生ぼどの豊作ではないし、全国的には減反傾向にあり、入荷増は期待薄である。市場では愛知物が終盤に入り、淡路物への依存度が高まっているが、産地高を反映して指示価格は、市場価格を¥100程度上回っている。
大 阪 本 場
大阪市中央卸売市場本場の5月の玉葱の入荷は2,704トン前年比85%(前月比107%)で佐賀の入荷減が大きく影響した。前年と異なり佐賀物の入荷が激減し、主力は淡路物と入れ替わった。淡路物の入荷は前年比111%で占有率は50%、佐賀物は前年比58%で占有率は37%と15ポイントも低下した。地産地消を指向する大阪物の入荷は前年比262%で占有率は9%であった。平均単価はkg46前年比59%(前月比77%)で入荷減にも拘らず平成14年以来の安値であった。5月後半には佐賀物の入荷が皆無の日が続いた。佐賀産地では全国一の安値市況を敬遠したのか、淡路物との競合を警戒したのか定かでないが、予想外の激減であった。
6月に入ってからも、入荷は減少傾向にある。淡路のコロガシが例年よりも少ないことが影響しているが、早生の暴落市況の後だけに中生の出荷は慎重になっている。いずれの産地も例年より早く早生の手仕舞が出来て、中生に切り替わったことで球締まりが良くなり、2Lの比率も低下した。初旬は入荷減ながら市況は保合の域を出なかったが、割安の2Lの動きが良くなり、2Lが強含みに転じた。相場の回復は予想より早く、中旬の相場は堅調に推移し2L、Lの価格差が殆どなくなったが、他方、Mの動きが鈍化し割高だったMが割安になった。此処に来て市況は再び頭打ちの状態にあるが、平均単価は前年を上回る迄に回復している。
福 岡 市 場
福岡市中央卸売市場の5月の玉葱の入荷は2,096トン前年比87%(前月比105%)で予想を下回った。主力の佐賀物の入荷減が影響した。佐賀物を中心に長崎、福岡物の併売であった。平均単価はkg¥48前年比67%(前月比81%)で近年にない安値であった。入荷が少ない割に動きが鈍かった。量販店なども市況が安過ぎて玉葱は特売の対象にならないと決め込み、停滞ムードが続いた。月末になって2Lの動きが回復に向い、市況も強保合に転じ、やや明るさが見えたが、ボリューム感の見劣りするMの動きが鈍化した。
6月に入ってからも、入荷の減少傾向が続いた。佐賀、長崎とも早生が終了し、中生に切り替わって品質は良くなり、市況は回復に向かったが、荷動きは今一つであった。月半ばには入荷減から市場関係者の手持ちが底を突き、品薄高傾向となったものの、市況を更に押し上げるまでには至らなかった。現在、梅雨どきだが降雨少なく水不足で、主産地では田植の用水確保に大童で玉葱の出荷は先送り傾向にある。
6月21(木)主要市場の玉葱市況は次の通り
【札幌市場】入荷50トン、強含み
佐 賀 20kg 2L \1,650〜 L \2,000〜1,900、 M \1,650〜1,600、
〃 10kg 2L \900 〜 L \1,100〜 M \900 〜
栃 木 20kg 2L \1,250〜 L \1,450〜
茨 城 20kg 2L \1,600〜1,200、 L \1,500〜1,300、 M \1,350〜1,300。
兵 庫 20kg 2L \ L \2,000〜
【太田市場】入荷120トン、保合
栃 木 20kg 2L \1,000〜 L \1,200〜1,100、
愛 知 20kg 2L \1,100〜1,000、 L \1,300〜
兵 庫 20kg 2L L \1,700〜1,600、 M \1,400〜
香 川 20kg 2L \1,500〜1,400、 L \1,700〜 M \1,400〜
佐 賀 20kg 2L \1,500〜1,400、 L \1,700〜 M \1,400〜
【名古屋北部】入荷60トン、保合
愛 知 20kg 2L \1,100〜 L \1,400〜1,300、 M \1,100〜
兵 庫 20kg 2L L \1,800〜 M \1,300〜
【大阪本場】入荷57トン、強保合
兵 庫 10kg 2L \900 〜 700、 L \1,050〜 800、 M \800 〜 700。
大 阪 20kg 2L \1,400〜1,200、 L \1,600〜1,500、 M \1,300〜
香 川 20kg 2L \800 〜 L \900 〜
【福岡市場】入荷50トン、保合
佐 賀 10kg 2L \700 〜 600、 L \850 〜 650、 L \700 〜 550、
福 岡 10kg 2L \650 〜 600、 L \700 〜 600、 L \600 〜 550、
供給(産地)の動き
府県産地の出荷は、青切りの即売出荷は終了し、コロガシ(短期貯蔵)の出荷に移行している。例年、此の時期のコロガシは品質低下がひどく、市場から不評を買うことが多いが、今年は大きなクレームの発生もなく、順調に経過している。品質の良否は収穫期の天候が大きく影響するが、豊作型にも拘らず日持ちの良くなったのは、晴天に恵まれ堀取り後に圃場で自然乾燥が充分出来たほか、肥培管理のなかで、減肥料を志向した栽培が普及した効果の表れとの説が多い。
今年の早生は、いずれの産地も生育期に温暖適雨に恵まれ、生育が前進化した上に大豊作となり、4、5月の市況は異常安値に落ち込んだ。続く中晩生は平年作を上回ったものの、早生の様な豊作にはならなかった。また、中晩生は全国的に減反傾向にあり、生産・出荷量は前年と大差はないと見られている。此処に来て全国的な出回り量は前年同期を下回っており、市場価格は前年並か前年を上回る水準に回復している。この先、出荷は引き続き安定化し、市況も保合から強含みで推移すると予想される。いずれの産地の生産者も、早生の様な豊作貧乏は回避されたと見ている。ただ、増反が大きい北海道産地の作柄や輸入物の動向に気を揉んでいる。
府 県 産 地
西日本産地は田植期に入り、いずれの産地も出荷は踊り場を迎えて一息ついている。中晩生が主力となる淡路の出荷比率は、概ね4〜6月で30%、7〜10月で50%、冷蔵が20%になる。佐賀とは逆比率で7月以降の府県産は淡路主導の展開になる。今年、淡路では青切りの切り上がりが早く、コロガシ(囲い・短期貯蔵)の出荷も例年より早い。中晩生の作柄は、移植を早くしたもの、完熟を待って収穫したものは豊作で、野菜跡など移植の遅いものや収穫を早めたもの(早穫り)は不作で圃場格差が大きい。5月が安値市況であったことから中生の青切り出荷が少なく、コロガシに廻されたと予測していたが、コロガシの在庫は前年を上回るものの、さほど多いとは思えない。
5月始めには20kg¥300まで値下がりした産地相場は、下旬には¥700に値上がりし、生産者の間に安堵感が広がった。早生の異常安値で出鼻を挫かれたが、中晩生が主力の淡路では安値のダメイジはさほど大きくはなかった。6月に入ってからは、晴天続きで晩生の収穫を始め農作業は順調に進んだが、降雨が少なく水不足で、田植えはやや遅れ気味で終了は1週間程度後ズレした。昨年はコロガシの整理が長引き7月20日頃まで掛かったが、今年は2週間近くも早まりそうだ。例年、高温多湿の梅雨どきにはコロガシの品質低下に悩まされるが、今年は肩落ちや芯腐りが少なく商品化率は高い。
6月末の産地在庫は、昨年を上回ると見ているが、品質は昨年より良好である。球流れは圃場間にバラツキはあるものの、総じては前年より大粒である。現在市況の中だるみを反映して、産地相場は20kg¥1,000〜1,100で落ち着いているが、吊玉葱になれば値上がりの可能性が高い。
佐賀の5月出荷は、前年並みか前年を下回ると見ている。早生は増反増収の掛け声が高く、3〜4月の出荷は前年を大幅に上回ったが、5月は予想外に減少した。安値市況で生産者段階で青切り出荷を見送り、コロガシ(囲い)と吊玉葱に廻された物が多いと言われている。事実5月後半から6月にかけて、商系のポリコンテナーが生産者の間に滞留して容器不足を招き、集荷に支障を起こした。産地を廻るとJAのコンテナーが少なく、いずれの圃場も商系のコンテナーで七夕の様な賑わいであった。市況の回復で、玉葱が詰まったコンテナーが商系の集荷場に還流する時期だか、商系、JAとも集荷が伸びず品不足傾向に陥っている。
早生は豊作で大粒化したが、現在出荷の中生の球流れは、平年並みで前年に比べてやや小粒傾向である。6月に入ってからは、市場価格の回復と共に産地相場も値上がりして、6月の産地相場は前年水準を上回っている。4〜5月は異常安値に見舞われたが、6月以降は前年を上回るものと期待している。中生に切り替わってからは品質は向上しているものの、この先、梅雨が明け酷暑と旱魃に見舞われることになれば黒煤の多発が心配である。6月末の産地在庫は前年より5〜10%多いと見ている。
輸 入 物
5月の輸入は速報値で17,074トン前年比84%で引き続き減少傾向にある。中国が15,917トンで前年比114%、ニュージランドか649トンで前年比15%、オーストラリヤが438トンで前年比24%。依然、中国が増加傾向にあるがその他の国は激減している。今年も中国からの輸入はムキ玉を主力に前年を上回ると予想されている。日本サイドでは皮付きの原袋は規格が厳しく、植検で不合格が多発したり、品質クレームが相次いだりで、対応が困難であるが、その点ムキ玉に加工すると、皮付きの様な問題は発生しない。今年も春からムキ玉の輸入価格は値下がり傾向にあり、日本の浜相場はkg¥40〜¥50の水準で動いている。中国においても人件費を始め資材費の値上がりで、従来の様な安値輸出は続かないとの声もあるが、大手需要家の多くは周年供給が出来て、価格の安い中国物へのシフトが進んでいる。
北 海 道 産 地
今年の北海道産玉葱の生産・出荷の予想数量はまだ発表されていないが、作付動向調査では前年比8%の増反となっている。先週、産地を一回りして来たが、石狩以外の地域では、増反が感触として伝わって来る。特に富良野沿線の増反が目に着くし、北見地域でも新畑が散見される。生産者の間でも前年比1,000haの増反と見ている向きが多い。生育は順調でやや前進化している。ただ、移植の早い遅いで圃場格差が見受けられる。6月に入ってから降雨が少なく、北見地域以外では水不足で圃場が乾燥している。道農政部の6月15日現在の生育状況調査では全道的な平均値は、草丈361oで平年差40o、葉数5.7枚で平年差0.3枚、葉鞘径9.8oで平年差0.8o。生育は平年比1日早い。となっている。今後の気温、降水量が作柄を左右する。
7月の見通し
6月の市況回復で産地には強気感が出ているし、市場では荷動き鈍化で弱気感が出ている。この先、真夏に入り不需要期を迎え、府県産地の作業は即売出荷と冷蔵入庫に分かれるが、不需要期ながら産地価格は強含みの展開になりそうだ。産地価格は20kg高値¥1,200〜安値¥1,000と見ている。市場価格はkg¥80攻防の予想。動きが変わるのは北海道産が高温旱魃に阻まれ不作になるか、適温適雨に恵まれ平年作を上回るかが予測される7月末である。(了)