たまねぎレポート【235号】

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                        平成19年4月23日

                    阪南青果株式会社

社内報

 3月の天候は、中旬に冬型の気圧配置となって冷え込んだものの、上・下旬は移動性高気圧に覆われたことなどから、月平均気温は全国的に1度C前後高く、暖春であった。桜の開花も予想よりは遅れたものの平年よりは早かった。

 気象庁が発表した4月23日〜5月20日の1か月予報によると、この期間中、4月下旬は、気圧の谷や前線の影響を受けて全般に雲が広がりやすい。このため、東日本や西日本の太平洋側を中心に、平年より晴れる日が少なくなる見込み。南西諸島ではぐずつき、梅雨のはしりとなりそう。その後、5月中旬にかけては、日本付近を低気圧と高気圧が交互に通過し、北日本から西日本の天気は周期的に変化する。

 南西諸島は5月の初めは高気圧に覆われ、平年より晴れ間の出やすい時期がある。その後は前線の影響を受けやすくなり、平年と同様に曇りや雨の日が多くなる見込み。

 この先1カ月の平均気温は全国的に平年並かやや高くなりそう。4月下旬は平年並か平年より低い日が多く、その後、5月中旬にかけては平年並か平年より高い日が多くなる。

 

需要市場の動き

 東京都中央卸売市場の3月の野菜の入荷は132,085トン前年比100%(前月比114%)で概ね順調であった。主要品目では、ピーマンが前年比30%増となったのを初め、玉ねぎが18%、なす、人参、きゅうりが10%以上の増加となった。一方、ほうれん草の20%減を初め、レタス、白菜が10%以上の減、キャベツ、大根も5%以上の減少となった。平均単価はkg¥222で前年と同値(前月比112%)に回復した。市況は尻上がり歩調で上旬の¥206(前年比93%)から下旬が¥242(前年比108%)に上昇した。品目別では、ほうれん草とレタスが前年比50%高、トマトが13%高となった。一方、人参は回復歩調乍ら前年の半値のほか、前年比で安値の品目が多かった。

 

          京都中央卸売市場の3月の入荷量と単価

品      目

 入

 前年比

 前月比

 単 価

 前年比

 前月比

 

 

野 菜 総 数

 132,085t

 100.2%

 114.0%

 kg\222

 99.7%

 112.1%

 

た ま ね ぎ

キ ャ ベ ツ

だ い こ ん

ば れ い しょ

に ん じ ん

は く さ い

レ  タ  ス

き ゅ う り

ト  マ  ト

ね     ぎ

か ぼ ち ゃ

な が い も

に ん に く

  11,679

  15,468

  12,056

  8,750

  8,554

  7,334

  7,106

  6,714

  5,852

  4,904

  3,900

  1,131

   476

 118.4

 94.8

 94.9

 108.8

 114.0

 88.4

 83.8

 110.9

 101.2

 103.8

 103.8

 101.6

 102.2

 136.0

 121.6

 107.4

 116.6

 126.1

 74.5

 101.2

 136.8

 123.1

 107.0

 106.4

 124.4

 119.6

  102

   79

   68

  120

   77

   58

  214

  265

  455

  161

  133

  194

  425

 91.5

 100.8

 65.7

 94.5

 52.3

 85.0

 147.7

 73.2

 116.6

 69.2

 101.8

 104.0

 85.5

 98.1

 146.3

 125.9

 105.3

 145.3

 200.0

 109.7

 80.3

 119.4

 111.0

 120.9

 101.0

 97.3

 

 

 

 3月の市場では、野菜の月間入荷量は概ね前年並みではあったが、暖冬の影響で月前半は潤沢であったが、後半は低温等の影響で生育が停滞し、多くの市場で前年を下回った。特に、月後半は端境期に入ったキャベツ、白菜の入荷が減少し、値上がりに転じたほか、冷え込みで煮物需要が回復し、大根、レタス、ほうれん草が値上がりした。暖冬で春の訪れが早いとされていただけに、3月半ばの冷え込みは予想外で、小売店等では主力を春物商材に切り替えた途端に冷え込みが続き、消費は鍋物商材中心の動きに逆戻りした。

 東

 東京都中央卸売市場の3月の玉葱の入荷は11,679ン前年比118%(前月比136%)と順調であった。引き続き北海道物主導の販売で、北海物の入荷は前年比116%、占有率72%で予想を上回った。北海道産地が春高相場を期待してか在庫が多かったことに加えて、暖冬による生育の前進化と豊作で府県産の早生物の入荷が増加した。静岡物の入荷は前年比183%、占有率は15%。佐賀物は前年比396%、占有率7%。愛知物が前年比301%、占有率2%と増加した。一方、アメリカ、中国など輸入物は激減した。平均単価はkg¥102前年比92%で府県の早生物の急増が相場の足を引っ張った。

 4月に入ってからも、北海物の入荷は前年比110%を上回る入荷が続いたことに加え、生育が前進化した府県の早生物の出荷が最盛期を迎えたことで、入荷は前年比130%を超える状態となった。佐賀、愛知とも平年に比べ1週間から10日も早い最盛期となった。特に、主力の佐賀物の入荷が激増し市場の売場は佐賀物で満杯状態となった。周辺市場でも新物が溢れ、受け皿探しに助けを求める声が多く、逆流阻止に手を焼く始末。飽和状態となった新物の相場は4月としては近年にない安値に落ち込んだ。ヒネ物は北海物の入荷は順調であったが、輸入物がなく需給バランスは均衡して環境悪化のなかで保合相場を維持した。

 

 名古屋市中央卸売市場の3月の玉葱の入荷は6,328トン前年比117%(前月比150%)と潤沢であった。引き続き北海物主導の販売であった。北海物の入荷は前年比115%、占有率73%。静岡物が前年比128%、占有率10%。愛知物が前年比670%、占有率8%。輸入物ではタイが増加したものの占有率は2%弱であったし、中国は前年並み、アメリカ、ニュージは激減した。平均単価はkg¥88前年比88%(前月比93%)でジリ貧相場となった。

 4月にはいって、北海物は終盤を迎えたものの入荷は順調で、品質の低下も見受けられず、府県物が続落歩調となるなかで、価格は保合を維持し大過なく終了した。府県の早生物は、暖秋暖冬の影響で生育が前進化し、静岡物が早めの終了となったが、続く佐賀、愛知物も生育が前進化したことに加えて豊作型となり、愛知物のはしりは12月から入荷が始まった。4月は北海物と愛知(地場)物の併売ではじまったが、日毎に愛知物の入荷が増加し、主力は愛知物に切り替わった。愛知も早生の比率が上昇し作付の60%を超える状態にあり、荷受け各社とも早生物が終盤を迎える迄は、厳しい販売環境が続くと見ている。産地では発生している菌核病の防除対策や、加工需要が伸び悩んでいるなかで多発している肥大球の対応に頭を痛めている。

 

 大阪市中央卸売市場本場の3月の玉葱の入荷は2,249トン前年比119%(前月比も119%)。北海物の在庫増と府県の早生物の前進化を受けて潤沢であった。北海物が前年比105%の入荷で占有率は38%、兵庫の冷蔵物が154%で占有率は20%、静岡物の極早生が139%で占有率は19%。長崎が185%で占有率は15%。佐賀物が334%で占有率は4%であった。平均単価はkg¥101前年比76%(前月比80%)で軟調に推移した。府県の新物の安値が平均価格を押し下げた。

 4月に入ってからも、月前半は北海物や兵庫の冷蔵物などのヒネ物は、保合市況で価格を維持した。府県の新物は月替わりから本格的な入荷が始まり、静岡物は早めの切り上がりとなったが、長崎、佐賀が急増し、月初めはkg¥100の水準を確保したものの、その後は続落歩調となり、月半ばには半値に落ち込んだ。いずれの産地も豊作で球肥大が進み、2Lの発生率が高く2Lはkg¥40〜35に下落した。4月に中心相場がkg¥50を割り込む様な安値は、近年経験したことがなく、市場も産地も想定外の展開であった。一時、泥沼化した市況は此処に来て底値固めの兆しが見え始め、小売店等からの発注も徐々に増えている。長崎、佐賀産地では軟弱で日持ちの悪い極早生品種は終盤を迎え、この先徐々に球締まりの良い普通早生に切り替わることから、出荷は安定化し市況も安値から半戻し程度の回復は期待出来そうだ。

 

 福岡市中央卸売市場の3月の玉葱の入荷は1,953トン前年比108%(前月比106%)で順調であった。北海物と九州管内産地の早生物との併売であった。北海物の入荷は安定していたし、品質も良好で保合相場を維持した。九州物は月前半は鹿児島、長崎。月後半は長崎、佐賀でいずれの産地の入荷も前進化した。管内の早生物の入荷が早まったのに連れ、小売店等では北海物(ヒネ物)から管内産地の早生物(新物)への切り替えが例年になく早まった。月平均単価はkg¥98前年比91%(前月比85%)の弱保合で推移した。

 4月に入って、佐賀、長崎物の入荷が急増し、荷動きは鈍化し仲卸段階に荷溜りが出来、相場はつるべ落しに下落した。先安と見た大口小売店では、買い控えの姿勢を強めたため発注量が増えず、販売環境は厳しさを増した。市場滞貨が増えない様に入荷を抑制しながら販売に努めたが、大勢には抗しきれず仲卸の手持ち在庫が増加した。此処に来て産地の出荷が安定化傾向となり、小売店の動きも回復に向かっている。

 

4月20日(金)の主要市場の玉葱市況は次の通り

【札幌市場】入荷58トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,6001,400、 L\1,8001,400、 L \1,7001,400

 佐 賀 10kg 2L \450 〜 400、  L \550 〜 520、 M \550 〜 500

 佐 賀 20kg 2L \1,200〜 800、  L \1,2001,000、 M \1,300

太田市場】入荷247トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,8001,400、 L\1,8001,600、 L \1,7001,500

 佐 賀 20kg 2L \1,000〜 600、  L \1,000〜 700、 M \1,000〜 800

名古屋北部】入荷100トン、保合

 北海道 20kg 2L \2,0001,900、 L\1,9001,800、 L \1,8001,700、  M \1,700

 愛 知 20kg 2L \1,000〜 900、  L \1,4001,300、 M \1,200

【大阪本場】入荷102トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,800〜    L\2,0001,700、 L \1,8001,600

 香川冷 10kg 2L \1,000〜     L \1,000

 兵庫冷 10kg 2L \1,200〜 800、  L \1,300〜 800、 M \1,000〜 700

 佐 賀 10kg 2L \600 〜 450。  L \600 〜 450、 M \600 〜 500

 長 崎 10kg 2L \500 〜     L \500 〜    M \500 〜

福岡市場】入荷80トン、保合

 佐 賀 10kg 2L \500 〜 400、  L \600 〜 350、 M \600 〜 400

 長 崎 10kg 2L \600 〜 500、  L \650 〜 500、 M \600 〜 500

 

供給産地の動き

 

 1〜3月(年明け)のホクレン・北商の道外出荷は137,000トン前年比103%で概ね順調であった。市況は産地関係者の期待に反し、横這いから弱含みに推移した。終盤の4月の道外出荷は20,000トン強の予想だが、今も品質低下は見受けられず、府県産が続落相場を続けるなか、大きな値下がりもせず採算価格を維持した。3〜4月の需給は、輸入物の減少でヒネ物均衡、新物過剰の構図となったことで、北海物有利の販売環境であった。

 4月に入って北海道地方の気候は、平年温度を下回る寒い日が続いたが、今冬は暖冬で平年に比べ融雪が早く、移植作業は例年に比べ1週間〜10日も早く始まった。苗立ちも順調で、多くの生産者の間では苗に余裕が出来、予定の面積は良苗で充分作付が出来る状況である。過去3〜4年の収益を顧みると他の畑作物に比べて玉葱栽培が有利であり、新旧いずれの産地の生産者も事情が許せば増反したい意向である。ホクレンの19年度産玉葱の作付動向調査では、前年比8%の増反となっており、生産者の意向が反映された数値となっている。苗半作と言われる玉葱栽培のなかで、苗立ち移植とも順調でこの先、生育期の天候に恵まれれば、豊作貧乏になる確率が高い。

 府 県 産 地

 今19年度、府県産地の4〜6月期(青切玉葱)の出荷計画量は234,500トン前年比107%となっている。うち佐賀が110,000トンで45%を占める。次いで愛知が39,000トンで17%を占め、次ぎに兵庫が25,000トンで11%を占める。寡占化が進み上位3県で73%を占めることになる。また、今年はいずれの産地も豊作型で、特に佐賀の極早生は近年稀に見る豊作となっていることから、実勢値は上記計画量を上回ることが確実視されている。

 今年の府県産地の作付は、全国的には前年並みか前年をやや下回るとみられているが、九州産地が軒並みの増反で、本州、四国産地の殆どが減反となっている。九州産地は地理的条件から、早生物のウエイトが非常に高く、出荷は4〜5月に集中する。大産地の佐賀が前年比4%、長崎が9%、熊本が8%の増反となっている。一方、中晩生が主力の淡路が前年比6%、愛知、香川が2%の減反、その他の産地も群馬を除き5〜2%の減反になっている。

 主力産地の佐賀では、JAの共販面積は1,950ha前年比104%と発表されているが、非共販を加えると2,500haに達しており、実質は前年比5%を上回る増反になっていると見ている。従来、中晩生系が主力の産地であったが、近年は早生系主力の産地に変わっている。早生系のウエイトが高く、出荷の70%は4〜6月期である。今年マルチ栽培の早生は、生育が前進化し球肥大が順調で3月上旬から出荷が始まっている。現状の球流れは、概ね2L25%、L65%、M9%、S1%で大粒傾向で、いずれの圃場も反収は7〜6.5トンはあり豊作型である。今年はJA、商系とも選果選別機の更新増設が相次いだが、収穫が集中しJA、商系とも選果作業が追いつかず、受入れ中断が常態化し、作業場や生産者の手許の滞貨が増加している。出荷先の市場も過剰入荷で荷止め要請が相次ぎ、市況は再生産価格を大幅に割込み、異常安値に落ち込んでいる。また、2Lの受け皿探しと少ないMの調達にも頭を悩ましている。肥大球の販売が難行する事を受けて、完熟前の早穫りが多くなり、球締まりの悪い物が出たり、病害に弱い物が出たりして、品質的には前年に比べやや見劣りするなど、生産流通に悪循環が続いている。4月に入ってからは、低温傾向で生育にやや停滞が見られたものの、普通早生や中生の球締まりには幸いした。また、17日には主産地の一部が大粒の降雹に見舞われ、100ha前後の圃場で葉が中折れしたり、1円玉大の穴があいたり、葉が色褪せしたりで、普通早生や中晩生に被害が出た。一部で普通早生の収穫が始まっているが、極早生に比べると2Lの発生率がやや低下し、球締まりも良くなった。4月末には出荷がピークを越え安定化に向かうと見ている。

 佐賀に次ぐ大産地である淡路では、作付が年々減少傾向にある。今年の作付は1,580haで前年比94%と言われている。品種別では、早生が17%、中生が56%、晩生27%となっている。商系のなかには自社栽培をする向きも多く、感触的には前年並みの作付が維持されているとの声もある。作柄は暖秋暖冬で育苗・定植・生育ともに順調に推移し豊作が予想されている。早生は普通早生の一部で収穫が始まっているが、出荷が本格化するのは連休明けになる。3月末には、草丈、葉数から見て生育は2週間〜10日前進化していると言われていたが、実質的には3〜4日の前進化にとどまりそうだ。生産者の多くは、今年の早生は定植後の活着が良く、根の発育も充分で、抽苔の発生率が高く豊作型であると言う。中晩生においても、草丈が長く葉茎が太く根の張りが深いので豊作が期待出来ると言う。3月の冷え込みで生育がやや停滞したが、低温が幸いしてベト、アーリー病等の病害発生は少ない。4月の天候にも恵まれ球締まりが良くなり、品質的には期待出来る年廻りになりそうだ。豊作型で仕上がりが良質とされることで商品化率が向上し、生産出荷量は前年を上回ると予想される。

 愛知、作付はJAの共販面積が442ha前年比99%とされているが、個人出荷を含めると600ha前後になる。極早生の生育は2週間以上前進化し、分球・抽苔の発生が多かった。現在、主力は順次普通早生に移行し、出荷は最盛期に入っている。球肥大が良く2Lが50%を超えている。市況が異常安値に落ち込んでいることから、加工向けの契約が後退している。

 輸 入 物

 3月の輸入は速報値で21,858トン前年比61%で引き続き減少している。中国が13,458トンで前年比91%、タイが3,349トンで前年比85%、ニュージランドが2,478トンで前年比51%、アメリカが747トン前年比7%である。1〜3月では前年比63%で35,000トンの減になる。予想外に入荷しているのが中国で、年明けの出荷産地(雲南、甘粛)の作付が大幅減との報告であったが、1〜3月の入荷は41,089トン前年比89%強で予想を上回る。今年度は多くの地域の作付が前年比20%以上も増え、生育は順調と伝えられている。増反の背景には韓国資本の流入があり、韓国向けの加工が増えそうだ。今年度の契約が始まっているが、価格水準は前年を可成下回ると聞く。

 

5月の見通し

 府県産地の早生物の生育の前進化と豊作で、4月の市況は予想外の暴落となった。3月半ばに佐賀産地の圃場を廻った際、豊作型の作柄を見て洪水的な出荷が起き連休前の安値を予測したものの、暴落市況は2週間も早まった。昔から4月は、其の年の最高値・最安値の起きる波乱の月と言われて来た。特に、今年は九州産地の増反率が高く、早生の作付に偏重していたことが、早い時期の暴落につながった。3〜4月の九州市場は地場物に占有され、大産地の佐賀物の九州市場での商圏が縮少し、量的に捌ける京浜、関西市場への集中出荷となったことが相場の暴落を早めた。此処に来て九州産地の出荷は一段落の方向にあるし、この先、佐賀の出荷も安定期に入る。淡路が出荷期を迎えるものの、早生の比率が少ないため、出荷は安定化し市況は異常安値から脱却すると見ている。()

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