たまねぎレポート【234号】

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                        平成181121

                    阪南青果株式会社

社内報

 10月の天候は、大陸の高気圧が発達したため、温暖・小雨であった。特に九州では、月間降水量の最低値を更新する地点が続出した。月平均気温は西日本で過去2番目、東日本では3番目の高さであった。

 気象庁が発表した11月20日〜12月17日の1か月予報によると、期間中は冬型の気圧配置が長続きせず、日本付近は周期的に気圧の谷の影響を受ける。ただ、12月上旬は一時的に寒気の南下しやすい時期がある。このため北日本の日本海側は平年同様に雨、または雪の降る日が多くなるが、降雪量は少ない予想。太平洋側では天気の崩れる日はあるものの、晴れる日が多い見込み。

 東日本の日本海側では曇りや雨の日が多いが、平野部の初雪は平年より遅れそう。東日本の太平洋側と西日本の天気は数日周期で変わり、太平洋側では平年に比べて晴れる日が少なくなる見込み。南西諸島は、気圧の谷や湿った気流の影響で、曇りや雨の日が多い。

 気温は、12月上旬に平年並み程度となる時期はあるが、全般に平年より高い日が多くなる見通し。

 

需要市場の動き

 東京都中央卸売市場の10月の野菜の入荷は138,487トン前年比101%(前月比103%)と順調であった。主要品では果菜類の入荷が回復し、キュウリが前年比115%、トマトが111%、ピーマンが107%と前年を上回ったほか、葉茎菜類のハクサイ、キャベツ、レタスも前年を上回った。他方、ネギ、ニンジンは引き続き前年を下回ったほか、ホウレンソウ、タマネギも前年を下回った。平均単価はkg¥189前年比100%(前月比85%)で¥200を割り込んだ。品薄高が続いているニンジンが前年比5割高、キャベツが3割高、ナス、ネギが2割高であった。前月まで高値で推移したキュウリは4割安と下落したのを始め、ダイコンが3割安、レタスが2割安となった。タマネギは前年をやや上回ったものの弱含みの推移であった。

 

          京都中央卸売市場の10月の入荷量と単価

前年比

%

前月比

%

単 価

kg¥

前年比

%

前月比

%

 

野菜総数

  138,487

 101.4

 102.8

 189

  99.8

  85.1

たまねぎ

キャベツ

はくさい

だいこん

レタス

にんじん

トマト

ばれいしょ

きゅうり

ね  ぎ

かぼちゃ

ながいも

にんにく

  10,312

  14,804

  13,940

  12,727

  8,681

  7,475

  7,100

  7,078

  6,714

  5,269

  4,156

  1,016

   415

 97.8

 102.1

 103.5

 102.8

 103.2

 90.6

 110.9

 103.4

 114.7

 88.5

 93.3

 97.6

 93.3

 90.9

 103.8

 162.2

 100.0

 95.4

 111.8

 84.5

 95.4

 89.6

 109.4

 92.0

 87.9

 91.6

   88

   76

   46

   54

  106

  132

  343

  109

  182

  241

  107

  185

  415

 103.6

 133.4

 91.5

 75.2

 81.4

 152.3

 104.7

 107.9

 64.2

 115.2

 123.7

 95.7

 88.2

 101.1

 77.6

 49.5

 65.1

 79.7

 87.7

 103.0

 96.5

 73.1

 90.6

 89.9

 95.9

 93.7

 

 10月の主要市場の野菜の市況は、多少の地域差はあったものの東京市場と大きな差はなかった。秋冬野菜の生育の回復を反映して、入荷は札幌が前年を下回ったほかはいずれも前年を上回った。特に福岡は7%増となった。平均単価は前年を2〜3%下回った。夏の高値が解消され月後半は平年水準を大きく下回った。 玉ねぎの入荷は、札幌・福岡では前年比14〜13%増となったが、その他の市場では前年をやや下回った。平均単価は、何れの市場も前年比10〜3%高であったが月後半は弱含みの推移であった。

 東

 東京都中央卸売市場の10月の玉葱の入荷は10,312トン前年比98%(前月比101%)と順調であった。北海物オンリー的な販売で、北海物の入荷は前年比104%占有率は96%に達した。中国物は前年比37%に激減し占有率は3%に低下した。平均単価はkg¥88前年比104%(前月比101%)で、続落歩調の野菜に押され活気なく保合市況であった。

 10月後半の市場は、主要野菜が続落した影響等から、小売店(量販)の買い手口が細ったことや転送需要も一服状態となり、荷動きが鈍化した。なかには周辺市場から逆流する場面もあり、市場滞貨が増加した。昨今の販売は相対売りが主力で、成り行き販売がなくなったため、表面的な価格は保合を維持したものの、内容的には苦しい販売が続いた。

 11月前半の市場は、10月に続き玉葱市況は保合からやや弱含みであったが、キャベツ、大根、白菜等大型野菜の安値に比べると、価格を維持したと言える。産地では倉入れ作業が順調に進んでいると聞くが、入荷は順調で市況回復の兆しは見えない。産地の楽観的な思いと、市場の販売現場とでは、可成の温度差が生じている。大型野菜の低迷で沈滞ムードが拡がり、特売需要もなく意気消沈し活気のない日が続いた。

 名

 名古屋市中央卸売市場の10月の玉葱の入荷は5,367トン前年比97%(前月比98%)であった。北海物の入荷は前年並みで占有率は93%であったが、佐賀以外の府県産の入荷が前年を下回ったことや、輸入物の中国が少なかったことで総体的には前年を下回った。平均単価はkg¥79前年比110%(前月比96%)で弱含みの推移であった。

 10月後半の市場は、主力の北海物の入荷は直送・転送等が入り混じり、数量的にバラツキが多かったものの、荷動きの鈍化は改善されず相場に変化は起きなかった。大型野菜の続落で販売環境が悪く売込みチャンスもなく、仲卸の多くは当用買いの姿勢を固持したため、荷受の在庫が増加した。

 11月前半の市場は、荷受け各社とも市場在庫を一掃するため、入荷の抑制に努めたことで市場在庫は減少し、荷凭れ感はなくなったが末端の買い気は振るわず、底値固めが精々で市況回復のムード作りには至らなかった。市場関係者の多くは、今シーズンの玉葱は北海物だけでは不足するとの認識はあるものの、沈滞ムードに支配され買い手口は細り気味であった。

 大

 大阪市中央卸売市場本場の10月の玉葱の入荷は1,695トン前年比99%(前月比85%)で前月に続き減少傾向であった。全野菜に占める玉葱のウエイトは年々低下傾向にあり、10月は過去最低の6.4%に落ち込み、主要市場では長年最下位にあり、上位市場の12%前後に比べれば格段の開きがある。主力は北海物で前年比121%の順調な入荷で占有率は59%に上昇した。兵庫物は前年と同量の入荷で占有率は34%、中国は25%と激減し占有率は3%に低下した。中国物の減少分を北海物で埋めた形になった。平均単価はkg¥101前年比103%(前月比104%)で単価的には強含みの推移であった。兵庫・香川の冷蔵物が¥123、北海物が¥89で府県の冷蔵物と北海物の価格差は縮少傾向にある。

 10月後半の市場は、荷動きが鈍化し鍋底市況の状態となったことから、荷受け各社とも北海物のオーダーを控えたが、他市場からの流入等があり需給の改善は図れなかった。北海物はもとよりシーズンを迎えた兵庫の冷蔵物も、産地の差し値販売は続かず弱含みで推移した。即売品に比べると品質は安定しているが、価格的には伸び悩んだ。

 11月前半の市場は、大型野菜の安値低迷が響き、玉葱市況も変化なく凡調な動きが続いた。他市場からの流入が減少したが、直送品は順調な入荷で荷動きは変わらず活気がなかった。兵庫の冷蔵物は銘柄別の価格差が大きく、中心のLサイズでkg高値¥150、安値¥100と値開きが大きい。寒い日には荷動き回復かと思わせる場面もあったが、翌日には元に戻ってしまって後が続かず、寒波待ちの状態となった。

 福

 福岡市中央卸売市場の10月の玉葱の入荷は2,393トン前年比113%(前月比108%)で順調な入荷が続いた。北海物主力の販売で、佐賀、香川を併売した。平均単価はkg¥84前年比104%(前月比98%)で市況は凡調で横這い状態であった。

 10月後半の市場は、荷動きの鈍化傾向は他の市場と同じで、特に2L、L大の動きが悪く悩まされた。大口の需要家の発注はL中心でLの手当には苦労した。上場数を調整しながら価格維持を図ったが、北海物の着荷は順調でコンテナー基地での留置きが増加した。香川の冷蔵物は品質良好だが今一つ値が出なかったし、佐賀物は品質にバラツキがあり人気が出なかった。

 11月前半の市場は、一般野菜の安値低迷で市場ムードは意気消沈型で活気のない日が続いた。大型野菜が軒並み安値を更新しているなかで、玉葱は横這いを維持出来たことはせめてもの救いであった。北海物の直送品の優良銘柄で人為的に価格誘導を試みたが、時期尚早で効果は出なかった。

 

11月20(月)主要市場の玉葱市況は次の通り

札幌市場】入荷67トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,3801,350、 L\1,7001,330、 L \1,5001,280、  M \1,3001,000

【太田市場】入荷180トン、保合

 北海道 20kg 2L \2,0001,400、 L\2,0001,500、 L \1,7001,400、  M \1,4001,300

【名古屋北部】入荷400トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,8001,600、 L\1,7001,600、 L \1,6001,450、  M \1,4001,300

【大阪本場】入荷113トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,7001,600、 L\1,7001,600、 L \1,6001,500、  M \1,4001,300

 兵 庫 10kg 2L \1,4001,000、  L \1,5001,000、 M \1,300〜 900

福岡市場】入荷78トン、保合

 北海道 20kg 2L \2,0001,600、 L\1,8501,600、 L \1,7001,500、  M \1,5001,400

 佐 賀 10kg 2L \1,2001,000、  L \1,2001,000、 L \1,000〜 800

 

供給産地の動き

 夏秋野菜は、日照不足や豪雨の影響で異常高値となったが、秋冬野菜は、西九州地方に塩害をもたらした13号台風以外に大きな被害がなく、順調な出回りとなった。豊作を反映して供給過剰に陥り、大型野菜を中心に市場価格は続落した。10月の主要市場の野菜の平均価格は、大阪本場を除きkg¥200を大きく割込み、平成7年以来の安値になった。玉葱もその影響を受けて弱含みに推移したが、幸いにして前年同期を上回る数少ない品目の一つとなった。

 10月の市場は北海物の順調な出回りで、減少傾向が続いている輸入物の不足を補った形で、需給バランスは均衡した。他野菜の潤沢な出回りと価格安が影響して、玉葱の消費にも減少傾向が見られることから、11後半〜12月前半も需給は均衡する見通しにある。此の先、秋冬野菜から順次春野菜に移行が進み、需給が改善され、野菜の安値が回復に向かえば、玉葱の需給も不足気味のムードに変わり、品薄感が出て市況が好転する可能性がある。いずれにしても玉葱の需給は、今後の輸入物の動向に大きく影響されることになる。

 北 海 道 産 地

 10月の北海道の天気は、初旬には台風並に発達した低気圧の影響で大荒れの天気となったが、月平均気温と降水量は平年並みで、日照時間は平年を上回った。いずれの地域も夏の高温旱魃で収量減が心配されていたが、最終的には平年作をやや下回ったものの、予想したほどの減収にはならなかった。高温年には収穫直後に進行が常態化する乾腐病の被害も昨年に比べると少なく、多少の圃場格差があるものの、球締まり、球揃いが良く、品質的には良好であった。格外品の発生率が低く、加工原料が品薄傾向となった。

 8〜10月のホクレン、北商の道外出荷は138,643トン前年比109%で予想以上に順調であった。地区別では石狩が前年比83%と減少したが、空知が101%、上川が125%、網走が108%で上川の増加が目立った。ホクレンの直近の生産概況調査では、生産・出荷量は前年比106%、地域別では石狩92%、空知103%、上川121%、網走103%と発表されており、8〜10月の出荷量と概ね同様の趨勢値となっている。

 今年の北海物は、球揃い球締まりが良いが、やや小振りで2Lの発生率が少なく、L中心の球流れである。栽培品種は主要な銘柄だけでも10数種類もあり、品種別の作柄に可成の差が出ているし、種苗会社別の格差が拡がっている。そのなかでも玉葱種子専門のC社の品種が良いとの声が高い。市場の動きはL中心の発注で2Lの動きは今一つである。輸入物の減少で加工原料向けの動きが活発で、特に割安の格外品は発生率が少なく、品薄状態が続いている。加工原料は前年に比べ20kg当り¥100高の価格設定になっているが、中国を始め各国からの輸入価格が大幅に値上がりしているため、むしろ割安になっている。

 産地では既に倉入れ作業は終盤を迎えているが、暖秋で寒波の訪れが遅く温暖な天気が続いており、品質管理が心配されている。倉入れが終了すれば収穫作業が一段落し、産地の関心事は市場動向に移る。此処数年来年明け市況が堅調に推移したことで、玉葱生産者の懐が豊かになり顔色が良くなった。此の先産地ではストーブを囲み玉葱談義に花が咲くが、今シーズンも年明け期待ムードが拡がりそうな雲行きである。願わくは、気候が暖秋に続き暖冬になって販売環境が悪化しないことを祈りたい。

 此処に来て、個人出荷の多い札幌市場の入荷が前年同期を大きく下回っており、生産者段階での在庫が少ない故なのか、先高期待で出荷を先送りしている故なのか、判断に苦しむところである。市場関係者のなかには、出荷が順調で生産者の手持ち在庫が少ないとの声もある。近年、府県産地が減反傾向にあることや、中国からの輸入に蔭りが見られること等から、全道的に増反意欲が台頭しており、地域間競争が強まる可能性がある。

 府 県 産 地

 府県産地の冷蔵物も出荷は本番を迎えているが、近年は市況に影響を与えるほどの数量はない。今年の入庫は前月に報告した通り25,700トン前年比14%増になっているが、市場性を発揮するには50,000トン程度欲しいところである。近年いずれの産地の生産者も肥培管理に熱心だが、気象環境の変化か、栽培土壌の劣化か、品種の退化か、定かでないが品質低下が早く、冷蔵玉葱の長期保管が難しくなり、出庫は前進化している。産地別に重点出荷先は決まっていて、兵庫は関西市場に、佐賀は福岡・北九州に、香川・愛媛は関西と福岡・北九州に出荷している。黒黴の発生率が高くロス率の高い佐賀は、出荷が前進化して年内に終了する見込みである。兵庫も年内に70%近くが終了すると見ている。いずれの市場も府県の冷蔵物と北海物との価格差が縮まり、従来のような冷蔵物の10kgが北海物の20kgよりも高いと言う相場はなくなった。しかし、現在も産地では品薄高を反映して、淡路では20kg裸値(2L〜M混み)倉前渡し¥2,500〜2,400が相場となっている。

 輸 入 物

 10月の輸入は、速報値で25,678トン前年比91%で予想を上回る入荷となっている。主力の中国が19,935トンで前年比83%、アメリカが5、742トンで前年比130%となっている。

 中国、今年は主産地の減反減収に加え、人件費、輸送費、関連資材の値上がりのほか自国の消費増等から、大幅な値上がりとなり、前年同期に比べC&F価格で50%を越える値上がりとなっている。現在の港頭倉庫渡し相場はkg¥75〜80となっている。主力産地の山東省では、青切りの未熟品を冷蔵入庫したため、品位が安定せず着荷品に不良品が多くクレームが多発していると聞く。値上がりに加えて品質的な劣化もあり、今後の輸入は大幅減となりそうだ。

 アメリカ、現地からの報告では、11月1日現在の産地在庫は1,199,000トン前年同期比88%で過去5カ年の最低量となっている。ただ、日本向け輸出が一番多いワシントン州は95%で減少率が少ない。10月の輸入量は前年比3割増となっていることから、今後も前年を上回る輸入が続くと考えられる。今シーズンの玉葱は、熱波による被害を受け球肥大が悪く小粒である。日本向け価格は50ポンドC&F$10.5〜9.5、Mは$7前後である。

 

12月の見通し

 今後の玉葱の供給量は前年並みか前年をやや下回ると見ている。主力の北海物は前年を上回るものの、輸入物は国際価格が高値にあることや、主力の中国が価格高と品質低下で大幅減が予想されることで、総輸入量は前年比20%前後減少する予想で、需給は均衡から供給不足気味に転向する可能性が高い。

 市場は北海道産地主導の販売となる。産地では倉入れが終了し、在庫量の把握が容易になり、需要に即した出荷対応が出来るようになる。ホクレンでは年内出荷の進捗率を63%に設定していると聞くが、現状で推移すると63%を上回る可能性があり、早晩出荷調整の必要に迫られる。いずれにしても市場は産地(ホクレン)主導の販売態勢となり、市況は保合から強含みに転じる。他野菜の動向次第では堅調相場が早まる可能性もある。12月相場は強保合に推移し、11月に比べ10%前後の値上がりになると見ている。気象庁の3カ月予報では今冬は暖冬予想になっており、秋冬野菜に続き春野菜も豊作になる可能性が高く、野菜の販売環境は更に厳しさを増すこともあり、連れて玉葱市況も流動する。()

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