たまねぎレポート 【233号】

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                        平成18年10月20日

                    阪南青果株式会社

 

 9月の天候は、月後半は高気圧に覆われ月間降水量は全国的に少なく、南九州では平年の3割未満であった。一方、台風13号の影響で一日の雨量が観測史上最多となった地域もあった。日照時間は北日本で多く、南西諸島や九州南部で少なかった。

 気象庁が発表した10月23日〜11月19日の1か月予報によると、北日本を高気圧と低気圧が交互に通過するため、天気は周期的に変化する。低気圧の通過後は一時的に寒気が流れ込み、朝晩は冷え込みそう。日本海側はしぐれる日もあるが、長くは続かない見込み。東日本と西日本は移動性高気圧に覆われて、平年同様か平年より秋晴れの日が多くなる。ただ、気圧の谷や湿った空気の影響で、雲の広がる日もありそう。南西諸島は高気圧に覆われて、平年より晴れる日が多くなる見込み。平年に比べて、湿った空気の流れ込む日は少なくなる見込み。

 気温は寒気の南下が弱いため、全国的に平年より高い日が多い。ただ、北日本では一時的に寒気が入る日もあるため、気温の変動がやや大きくなりそう。

 

需要市場の動き

 東京都中央卸売市場の9月の野菜の入荷は134,745トン前年比100%(前月比109%)に回復し、品目ごとのバラツキはあるものの、天候不順の影響がほぼ解消した。主要品目では次表の通り、玉葱、大根、レタス、馬鈴薯が前年を上回ったが、人参、トマト、きゅうり、ピーマン、キャベツが前年を下回った。平均単価はkg¥222前年比107%(前月比90%)で鎮静化に向かった。入荷の回復が遅れているピーマンが前年比5割高、トマトが2割高。玉葱、馬鈴薯は前年並み、昨年安値であった白菜、キャベツは前年比4割高だったほか、入荷減が続いている人参は2割高であった。一方、入荷増のレタス、大根は1割安であった。

         東京都中央卸売市場の9月の入荷量と単価

 

前年比

前月比

単 価

/kg

前年比

前月比

 

野菜総数

134,745

100.1

108.9

222

107.2

90.2

たまねぎ

キャベツ

だいこん

レタス

はきさい

トマト

きゅうり

ばれいしょ

にんじん

ね ぎ

かぼちゃ

ながいも

にんにく

11,350

14,262

12,722

9,100

8,592

8,406

7,497

7,423

6,688

4,817

4,516

1,156

453

109.5

97.9

103.2

103.0

98.7

92.7

94.3

101.7

92.9

100.1

101.2

93.7

91.8

110.9

97.7

124.1

109.8

168.1

85.2

89.1

136.4

65.3

115.9

141.0

91.6

101.1

87

98

83

133

93

333

249

113

151

266

119

193

443

99.6

137.6

91.9

90.9

142.8

124.4

109.1

97.7

119.3

107.4

104.1

99.9

87.2

93.5

93.3

89.2

79.2

67.9

115.6

102.9

88.3

162.4

92.7

56.9

98.9

88.1

 

 9月の建値市場の野菜の入荷は、福岡と名古屋が前年を上回り、東京は前年並み、大阪本場と札幌が前年を下回った。平均単価は前年比109〜105%で、いずれの市場も前月に比べ10%前後の値下がりとなったが、平年を上回る好価格で推移した。玉葱は北海物主流となり、入荷は順調で東京、名古屋、福岡は前年を上回り大阪は前年を下回った。特に地場市場の札幌か前年比84%の大幅減になった。平均単価は札幌を除くいずれの市場もkg¥80台後半で、前年と大差はなかった。

 東

 東京都中央卸売市場の9月の玉葱の入荷は11,350トン前年比110%(前月比100%)と順調であった。北海物主導で北海物の入荷は前年比114%で占有率は79%に上昇した。次いで佐賀の入荷は前年比114%占有率は9%、兵庫の入荷は前年比281%占有率は6%で3.4ポイント上昇した。中国の入荷は前年比43%占有率4%に落ち込んだ。北海物の出荷が本格化して、順調な入荷が続き、平均単価はkg¥87前年比100%(前月比94%)で落ち着いた動きであった。品質劣化が進行した佐賀物の値下がりが目立った。

 9月後半の市場は、府県産地が順次終了し北海物への切り替わりが進んだが、流れは順調であった。府県の切り上がりが予想より早く、輸入物の入荷も意外に少なかったことや、北海物が豊作でなかったことで需給バランスは均衡した。当初小粒傾向と言われていた北海物も、順次L大の比率が上昇しL大、Lの比率が半々に近い荷口が多くなった。Lの動きは順調だがL大の動きにかげりが見え始めた。当初散見された乾腐病によるイタミの発生も朝夕の涼しさから減少した。

 10月前半の市場は、北海物の入荷は順調で占有率は95%を上回り、中国、アメリカ等の輸入物は何れも前年の30%前後の入荷にとどまり、北海物オンリーの態勢になった。2L、L大の動きが鈍くなり、順調だったL、Mの動きも頭打ちとなり、堅調だった転送需要も一服状態となり、相場は弱含みの展開となった。買手の動きも模様眺めとなり、凡調で活気がなくなった。

 名

 名古屋市中央卸売市場の9月の玉葱の入荷は5,502トン前年比118%(前月比106%)で順調且つ潤沢であった。月前半は兵庫物と北海物の併売だったが月後半は北海物オンリーの販売であった。平均単価はkg¥81前年比102%(前月比98%)であった。

 9月後半の市場は、北海物の入荷は順調で荷動きも良く、場内販売よりも転送需要が活発で、仲卸段階では落札即出荷で手持ち在庫が出来る間がなかった。入荷も市況も安定した状況が続いた。府県産地の切り上がりが予想より早く、北海物へのバトンタッチがスムーツに行ったことも流れを良くした。量販店等の北海道フエアーの流れを受けて小売店の販売量も増加した。特にLの発注が多くLが品薄となる場面もあった。当初小振りであった北海物も順次L大の比率が上昇し、月末にはL大の動きが鈍化した。

 10月前半の市場は、中日の優勝セール等の取組みもあり、小売店の手当買いが積極化し、L、Mが品不足気味となった半面、L大が品余り気味の状態となった。中旬に入ってからは荷動きが鈍化し、L大が荷凭れ傾向となり、市況は弱含みに転じた。亦、地方市場にも北海物が行き渡り、中央市場からの転送需要も減少傾向となり、市場は静かになった。

 

 大阪市中央卸売市場本場の9月の玉葱の入荷は1,999トン前年比98%(前月比106%)でやや減少傾向であった。北海物の出荷が本格化し入荷は前年比104%占有率は48%に達した。兵庫物は前年比118%の入荷で占有率は41%、中国の入荷は前年比38%と激減し占有率は5%に低下した。銘柄産地の島根物の入荷は前年比58%、占有率は4%に落ち込み、銘柄産地としての地位が低下した。平均単価はkg¥97前年比103%(前月比98%)で総じては好水準で推移した。兵庫が¥113、島根が¥107、北海が¥85で、島根はプライスリーダー的役割を果たせなかった。

 9月後半の市場は、朝夕気候が涼しくなり小売店の需要が回復歩調となったことや、転送需要が動き出したことから市況は強保合の動きとなった。淡路物を中心とした府県物、早生物の出荷が軌道に乗った北海物、ともに荷動きが活発で品薄傾向の販売が続いた。特に、割安の北海物のMに買い手が集中しが、入荷が少なく対応出来なかった。中国物の再選品は品質良好で割安だが、買い手が限定されており一般的には敬遠気味だった。

 10月前半の市場は、北海物の出荷が本格化し、順次早生から中生に移行が始まり、L大の比率が向上してきたが、Mの比率に変わりはなく、Mの手当に苦労した。府県産地の即売が終末期を迎え北海物主導の販売になっが、荷動きは頭打ちから鈍化傾向となった。北海物は2L、L大に荷凭れ感が出て、仲卸の手持ち在庫が増え始めた。Lの動きも9月のような勢いはなくなった。

 福

 福岡市中央卸売市場の9月の玉葱の入荷は2,213トン前年比113%(前月比130%)で順調であった。月前半は佐賀物主力で北海物を併売、月後半は北海物主力で佐賀物を併売した。平均単価はkg¥86前年比100%(前月比105%)で強含みに推移した。

 9月後半の市場は、北海物の入荷が順調で、量販店(小売店)、転送とも発注多く荷動きは順調であった。終盤を迎えた佐賀物は品質低下が進み、荷口毎の品質にバラツキがあり客離れが起き、北海物と同価格にとどまった。佐賀物の切り上がりが意外に早く、小売店等の北海物との切り替わりがスムーツだったので、市況に大きな変化はなく、落ち着いた動きであった。

 10月前半の市場は、北海物の入荷が順調だったが、市況は保合で推移した。当初L中心の球流れであったが、順次L大の比率が向上しL大の受け皿探しに苦労した。量販店(小売)の発注はLに偏重しており、L大は割高で学校給食以外は大口の需要がなく、売込み先を物色したが価格交渉が難航した。中旬に入ってからは一般野菜の相場が鎮静化したこともあり、玉葱の動きも鈍化傾向となった。

10月20日(金)主要市場の玉葱市況は次の通り

【札幌市場】入荷127トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,4001,350、 L\1,7001,330、 L \1,5001,330、  M \1,300〜 970

【太田市場】入荷150トン、保合

 北海道 20kg 2L \2,2001,600、 L\2,2001,600、 L \1,7001,500、  M \1,5001,400

【名古屋北部】入荷523トン、弱保合

 北海道 20kg 2L \1,8001,700、 L\1,8001,700、 L \1,7001,600、  M \1,5001,400

【大阪本場】入荷102トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,8001,600、 L\1,8001,650、 L \1,7001,600、  M \1,5001,400

 兵 庫 10kg 2L \1,5001,100、  L \1,5001,100、 M \1,200〜 900

 香 川 20kg 2L \1,4001,300、  L \1,4001,350、 M \1,1001,000

【福岡市場】入荷187トン、保合

 北海道 20kg 2L \2,0001,700、 L\2,0001,700、 L \1,7001,600、  M \1,5001,400

 香 川 10kg 2L \1,350〜     L \1,300〜    M \1,100

 佐 賀 10kg 2L \1,2001,000、  L \1,2001,100、 M \1,000〜 800

 

供給産地の動き

 関係者の間では、北海道産も府県産も10月1日現在の在庫は、前年を上回ると認識されているが、外国産の輸入量は大幅減になると予想され、需給は均衡すると見られている。亦、此処数年、年明け市況は堅調で春高相場が続いたことから、産地関係者の間では先高ムードが漂っている。全国玉葱商業団体連合会では、10月1日から来春4月末までの玉葱供給量を次ぎのように試算している。

 

 

 16年度実績

 17年度実績

 18年度予想

 前年比

 

府県産即売

    4,500t

    5,000t

    6,000t

  120%

府県産冷蔵

   19,500

   22,680

   25,750

  114

北海産移出

   325,959

   314,570

   350,000

  111

輸   入

   228,696

   198,560

   170,000

  86

府県産早生

   33,000

   36,000

   38,000

  106

   611,656

   576,810

   589,750

  102

 註 北海物はホクレン、北商の道外出荷のみ

 

 北 海 道 産 地

 今年の北海道産玉葱は、7月までは好適な天候に恵まれ豊作が予想されていたが、8月の高温が影響して平年作からやや不作へと下方修正された。最終的には総じては平年作をやや下回るものの前年を上回る作柄となった。前年を上回る8月の高温少雨の気象被害が前年ほど大きくなかったことが幸いした。作付面積は予想を下回ったものの前年比3%の増反となった。今年の作柄は、気温、降水量、圃場保水の差違から全道的には可成のバラツキがあり、地域別、圃場別にも格差が生じた。全般的に小粒傾向と言われているものの、出荷の球流れを見ると前年に比べると総じてやや太めである。

 既にいずれの地域も収穫が完了し、出荷は最盛期にあるが、生産者段階では貯蔵に向けて粗撰、風乾、倉入れの作業が順調に進んでいる。今年の玉葱はやや小振りであるが、球締まり、球揃いが良く、格外品の発生が少なく質は良い。比重が重く、20kgL大で2〜3粒、Lで3〜4粒入り数が少ない。品質の向上は喜ばしいことだが、他方、格外品の減少は加工原料に不足を生じ、加工筋が輸入物の手当を増やす可能性がある。産地を廻ると平均反収は予想を上回ると言う生産者が多く、生産量は9月時の予想をやや上回る気配である。

 ホクレン、北商の8〜9月の道外出荷は73,873トンで前年比108%で、天候に恵まれたこともあるが、出荷は概ね順調に推移している。出荷の最盛期に入ったものの、市場の平均価格は前年をやや上回っている。現在市況は弱含み乍らも安定しているので、産地関係者に慌ただしさはなく落ち着いている。此処数年、玉葱栽培は他の作物に比べて有利とのムードが漂い、主産地圏外で栽培に意欲的な動きが見られるが、既存産地との作付調整が難しいと聞く。道内の建値市場である札幌中央市場の9月の入荷は前年を大きく下回っていることが気に掛かる。札幌市場は生産者の個人出荷が主力であることから、石狩、空知地区の生産者の意向が反映されているものと思われる。

 府 県 産 地

 既にいずれの産地も即売出荷は終了して、冷蔵物の出荷が始まっている。今年の冷蔵入庫はおよそ25,700トンで前年比113%、入庫コストは可成のバラツキがあるが、20kg裸値¥1,400〜1,800と予想外の高値になった。また、入庫時から冷蔵適性品種と言われる「もみじ」系に腐敗が多く、品質に不安はあったが、冷蔵関係者は長期貯蔵には「もみじ」が有利との概念に支配され「もみじ」にこだわった傾向があった。銘柄産地と言われる香川でも今年は歩留まりが悪く、商品化率は低下している。通常、年内出荷の歩留り率は100〜95%とされているが、今年は香川で95%、淡路で90〜80%、佐賀では80〜70%でロス率が高い。入庫時の高値に加えてロス率の上昇で損益分岐点が上昇して、市場価格でkg¥130〜150に跳ね上がっている。

 いずれの産地も即売物の切り上がりが予想より早かったことで、冷蔵物の出庫も前倒しとなっている。近年冷蔵物は、北海物の数量攻勢と品質向上に押されて、苦戦を強いられているが、今も品質・食味では一日の長があり、家庭消費では根強いファンがある。品質劣化は一過性であろうと、構造的であろうと、お客の要望に応えられる商品でなければ、市場価値を失い更なる客離れが進むこと必定である。入庫は昨年、今年と2桁で前年を上回ってきたが、品種の選定、肥培管理、品質管理を見直し、関係者が一丸となって改善に努力すべきである。

 輸 入 物

 9月の輸入は速報値で20,733トン前年比80%で予想を上回る減少であった。主力は中国で入荷は19,231トン前年比78%、占有率は93%に落ち込んだ。アメリカは1,477トン前年比121%、占有率7%でいずれも上昇した。

 中国、主力の山東省は既に6月中旬に収穫が終了し、現在は貯蔵物の出荷になっているが良品は少ないと言う。作付減に加えて高温・多雨の影響で作柄不良で小玉傾向であった。甘粛省は8月初旬〜9月中旬の収穫で、現在出荷の主力は甘粛省産である。現地からの報告では、作付は前年の70%台で反収も前年比20%前後減少していると言う。中国情報は過大表現が多いのでストレートに受け止めるのは考え物だが、山東・甘粛省共に現地在庫は昨年に比べると少ないことは確かである。国内マーケットも堅調で推移しており、韓国政府の買い付けの情報もあり、産地ブローカーの動きが活発で産地相場は高値に張り付いている。

 アメリカ、今シーズンの作付は前年比98%だが、春先の低温長雨による作付の遅れに加え、夏の熱波による被害で不作となり、10月1日現在の産地在庫は1,439,000トンで前年比91%と報告されている。主力のアイダオは増反、ワシントンは微減で赤・白玉の作付が減少し黄玉が増えている。在庫減を反映して現地相場は高値で推移しており、現在の日本向け価格は50ポンドC&F・Jサイズで概ね$10.45、SJサイズ$9.45、Mサイズ$6.45である。韓国から11月積み12,000トンの打診があり、当面現地価格は値下がりしそうにない。

 ニュージランド、作付は前年比5%増、オファー価格は20kg¥1,050で港頭倉庫渡しに換算すると¥1,500前後になる。

 

11月の見通し

 現在、玉葱市況は頭打ちから弱含みで推移しているが、年内の需給バランスは均衡すると見ている。此処に来て野菜の価格は夏の高値から一転して平年価格を下回っている。暖秋で秋冬野菜の生育が順調な上、温暖な気候で煮物商材の消費が伸び悩んでおり、玉葱の需要にも多少の影響が出ている。現況は北海物の出荷は順調で輸入の減少をカバーしている状況だが、当面は現状維持の状態が続くと見ている。従って相場は横這いで、市場価格はkg¥85〜90のボックス相場で大きな変化はない。次ぎの変化の節目は、北海道産の倉入れが終了し、輸入物の動向が把握出来る12月の中旬になる。(了)

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