たまねぎレポート【231号】

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                        平成18721

                    阪南青果株式会社

社内報

 6月は、全国的に日照時間が少なかった。特に、北海道の日本海側では観測史上3番目の少なさであった。他方、梅雨前線が日本列島の南岸に位置することが多く、北陸の雨量は観測史上2番目の少雨であった。気温は全国的に、前半は平年に比べて高く、後半は低かった。平均気温は北日本で平年並み、東・西日本は平年より0.6度高かった。

 気象庁の7月24日〜8月20日の1か月予報によると、北海道では、低気圧と高気圧が交互に通過し、天気は周期的に変わる。ただ、太平洋側は湿った気流の影響で、曇りや雨の多い時期がある。東北から西日本は、7月25日ごろにかけて、平年よりぐずつく日が多くなる。大雨に注意が必要。7月26日ごろからは太平洋高気圧の勢力が強まり、東日本や西日本を中心に晴れ間が出やすくなるが、夏空は長続きしない見通し。

 梅雨明けは7月26日から8月5日ごろとなりそうだが、北の方は遅れる可能性もある。南西諸島は、7月下旬に台風や湿った空気の影響でぐずつくが、太平洋高気圧に覆われて、晴れる日が多い。

 気温は、北日本は平年並みかやや低く、東日本と西日本はほぼ平年並み、南西諸島は平年より高くなる見込み。

 

需要市場の動き

 東京都中央卸売市場の6月の野菜の入荷は135,837トン前年比96%(前月比95%)であった。曇天や日照不足による生育遅れと作業の後ずれが影響した。主要品目では、馬鈴薯、玉葱、大根、ねぎが前年を上回った一方、なす、トマト、人参が前年を下回った。キャベツ、きゅうり、レタスは前年並みであった。平均単価はkg¥223前年比126%(前月比103%)で堅調な推移であった。白菜、人参が前年比2倍の高値であったのを始め、キャベツ、ピーマンが7割高、なす、レタス、トマトが5割高で、前年を下回ったのは馬鈴薯と玉葱の2品目だけであった。

 

         東京都中央卸売市場の6月の入荷量と単価

品    目

t

前年比 %

前月比 %

\/kg

前年比 %

前月比 %

 

野 菜 総 数

135,837

96.3

94.5

223

125.7

102.8

た ま ね ぎ

キ ャ ベ ツ

     

ば れ い しょ

だ い こ ん

     

き ゅ う り

に ん じ ん

は く さ い

ね   ぎ

か ぼ ち ゃ

な が い も

に ん に く

12,419

15,956

9,161

8,756

8,552

8,085

7,781

6,762

5,877

4,523

2,760

1,183

501

105.0

100.9

89.7

107.1

103.9

100.7

100.9

90.4

98.5

103.8

79.7

100.8

98.6

81.6

86.8

97.3

80.2

87.1

101.3

94.4

86.4

90.4

104.2

109.7

112.9

98.8

72

82

252

123

84

119

210

186

84

277

314

184

462

97.9

173.7

144.1

96.7

128.5

156.8

133.0

197.5

206.7

111.2

180.6

101.2

110.4

85.7

96.5

89.0

96.1

92.3

79.3

92.5

102.2

101.2

101.5

115.9

96.8

84.8

 

 6月の主要市場の野菜の入荷は、前年並みかやや少なめであったが、平均単価は前年比26%〜17%の値上がりになった。全国的に日照不足の影響で生育遅れの品目が多く、周辺の中小市場では産地からの入荷が減少し、大市場の転送需要が活発化した。葉野菜や果菜類の堅調な需要に支えられて、久しぶりに市場が活気づいた。軒並みに前年価格を大きく上回るなかで、入荷が安定していた馬鈴薯と玉葱の価格は前年を下回った。

 

 東京都中央卸売市場の6月の玉葱の入荷は12,419トン前年比105%(前月比82%)と順調であった。前月に続き佐賀主導の販売であった。佐賀物の入荷は前年比104%占有率51%で他産地を大きく引き離した。次いで香川物の入荷は前年比105%占有率14%で順調な入荷であった。後ずれしていた兵庫物の入荷は、急速に回復し前年比155%占有率11%に上昇した。愛知物は引き続き低調で前年比64%占有率は6%であった。栃木を始め関東産地も出荷期に入り、前年比130〜120%と順調な入荷が続いた。平均単価はkg¥72前年比98%(前月比86%)であった。旬別では上旬¥74、中旬66、下旬¥78で月前半はじり安、月後半はじり高の推移であった。

 6月後半の市場は、雨天曇天続きで産地の出荷作業が捗らず、主力産地佐賀の出荷が減少に転じ、市場の荷凭れ感は払拭された。一部市場ではランニングストックが底を突き品薄感が出始めた。佐賀以外の産地も出荷先を集約する動きが見受けられ、兵庫のJAなどではロットを縮少して価格誘導に動き始めた。各産地の商系も様子見の出荷に転じた。また、小売店では他野菜の堅調な動きで、売場のスペースに空きが出来、空きスペース埋めに入荷が安定している玉葱を利用する店が増えたことや、周辺市場への転送需要の増加で荷動きが回復した。

 7月前半の市場は、産地在庫が前年比15〜20%も多いと言われる、佐賀、兵庫の入荷が前年を下回った。入荷は総じて減少傾向であったものの、荷動きは鈍化傾向となり、市況は保合から弱含みの動きであった。例年、真夏になると野菜の消費が減少し、夏休みとともに玉葱の需要も減退する時期になる。今年は主要産地からの入荷が減少傾向にあり、入荷減が相場を維持している状態で、販売環境は楽観出来ない。7月に入って価格水準は前年同期をやや上回っているが、多分に他野菜の高値が影響していると思われる。

 

 名古屋市中央卸売市場の6月の玉葱の入荷は4,936トン前年比107%(前月比82%)であった。前月同様愛知物主力の販売であった。愛知の入荷は前年比109%で占有率は58%、兵庫が前年比119%で占有率は23%、佐賀は前年比215%で占有率は3%であった。平均単価はkg¥62前年比98%(前月比86%)で軟調な動きであった。

 6月後半の市場は、愛知物が終盤に入り順次淡路物へと移行し、値上がり相場となったが、月末には伸び悩みから横這い相場となった。淡路物と愛知物では品質差が見られるものの、価格差が20kgで¥300〜400も開いたため、仲卸段階では積極的な売込みが出来ず、買い控え傾向となり、小売店でも値上がり分を即売価に転嫁が出来ず、入荷減ながら荷動きは鈍化した。

 7月前半の市場は、淡路物主力の販売となったが、産地の価格要請が強く、入荷減ながら買い気が振るわず、荷凭れ感が出始めた。在庫を懸念した荷受けでは一部で裏相場の販売も見受けられ、気温の上昇とともに市場は気の重い雰囲気に変わった。学校給食が休みとなることもあり、現状相場(20kg¥1,800)の維持が困難の状況にある。

 

 大阪市中央卸売市場本場の6月の玉葱の入荷は1,842トン前年比96%(前月比58%)で予想外の減少であった。佐賀物の入荷激減が影響した。淡路物中心の販売で淡路物の入荷は前年比114%で占有率は85%、佐賀の入荷は前年比28%で占有率は6%にダウン。大阪は前年比145%占有率は5%であった。平均単価はkg¥70前年比95%(前月比90%)で、月前半は弱含みで推移、後半は強含みの推移であった。

 6月後半の市場は、入荷の減少傾向が続いたため、保合から強保合に転じた。量販店からの発注は今一つであったが、2Lの動きが良好で品薄高となったことや、転送需要が動き出し転送屋の手当買いが相場を支える形となった。在庫が多いと言われる淡路産地も、産地相場は値上がりして集荷が思うに任せず、荷受けに対する価格要請が日々強まった。20kg¥2,000を唱える強気の向きもあった。他方、末端の荷動きは鈍化傾向となり、相場は頭打ちとなった。

 7月前半の市場は、入荷は引き続き減少傾向が続いたが、雨天曇天が多く荷動きが鈍化し、相場を上げるまでには至らなかった。主力の淡路物は、栽培履歴が明らかで、買い手に安心感を与え有利に売れている。島根の銘柄産地の入荷も始まり、10kg¥1,200〜1,000をつけ、プライスリーダー的存在であったが、値上がり相場につながらなかった。産地に強気ムードが台頭し、市場には弱気ムードが漂い、市況はむしろ弱含みの状態となった。

 

 福岡市中央卸売市場の6月の玉葱の入荷は1,568トン前年比106%(前月比65%)であった。佐賀の入荷のペースが落ち、前年を上回ったものの伸び率は低下した。佐賀を主力に福岡を併売した。平均単価はkg¥64前年比100%(前月比89%)であった。

 6月後半の市場は、主力産地の佐賀物の入荷が減少傾向となり、日を追って市場の荷凭れ感は無くなったが需要は鈍く、市況は横這い状態が続いた。月末になって2Lの動きが回復し、底上げ気配が強まった。佐賀の一部(早生のストック)にイタミが出て買い手の警戒感を強めた。

 7月前半の市場は、月始めには強含んで一時はkg¥100を窺う気配を見せたものの息が続かず、頭打ちから弱含みに転じた。佐賀の中晩生のコロガシ(短期貯蔵)が品質低下で腐敗が散見され、販売先からのクレームが発生し、相場は月始めに比べ10%以上の値下がりとなった。

 

7月21(金)主要市場の玉葱市況は次の通り

札幌市場】入荷55トン、保合

 栃 木 20kg 2L \1,500〜     L \1,500

 佐 賀 10kg 2L \850 〜 830、  L \900 〜    M \900 〜

  〃  20kg 2L \1,8001,550、  L \1,8001,470、 M \1,7001,370

 兵 庫 20kg  L \1,800

 和歌山 20kg 2L \1,750〜     L \1,700

【太田市場】入荷120トン、保合

 愛 知 10kg 2L \800 〜     L \800 〜    M \700 〜

 兵 庫 20kg 2L \1,7001,600、  L \1,7001,600、 M \1,5001,400

 香 川 20kg 2L \   〜   、  L \   〜   、 M \   〜  

 佐 賀 20kg 2L \1,7001,600、  L \1,7001,600、 M \1,5001,400

【名古屋北部】入荷154トン、保合

 兵 庫 20kg 2L \1,8001,600、  L \1,8001,600、 M \1,5001,300

【大阪本場】入荷87トン、保合

 兵 庫 10kg 2L \900 〜 800、  L \900 〜 750、 M \750 〜 650

  〃  20kg 2L \1,600〜     L \1,600〜    M \1,500

 鳥 取 10kg 2L \900 〜 850、  L \900 〜 800、 M \700 〜

 香 川 20kg 2L \850 〜     L \850 〜    M \700 〜

福岡市場】入荷50トン、保合

 福 岡 10kg 2L \750 〜 700、  L \750 〜 700、 L \700 〜 600

 佐 賀 10kg 2L \800 〜 700、  L \800 〜 700、 L \700 〜 600

  〃  20kg 2L \1,6001,500、  L \1,6001,500、 L \1,4001,300

 中 国 20kg 2L \1,000

 

供給産地の動き

 7〜10月の国内産地の出荷見込量は35〜36万トンで前年比112%前後と予想されているが、北海道の作柄が豊作型で推移していると言われており、今後の天候次第では更に上乗せとなる可能性もある。輸入は流動的で見通し難であるが、7〜10月期は前年をやや下回ると予想される。中国が前年より減少しアメリカが増加すると見られている。府県、北海道産地とも8月後半の高値を期待しており、概ね府県は後ずれ出荷に、北海道は早出し出荷に傾いている。

 府 県 産 地

  府県産地の在庫は、大産地の佐賀、兵庫が前年比15〜20%増と言われているが、その他の産地は前年並みか前年を下回る状況にある。一時、回復歩調にあった市況が此処に来て弱含んでいることや、ぐずついた天候が続いているため出荷は様子見状態にある。

 淡路の栽培動向は、早生17%、中生55%、晩生28%で出荷の主力は7〜8月になる。今年は天候不順で肥大期に入ってからは、日照不足で球伸びや仕上がりが心配されたが、生育は概ね順調で平年作をやや上回る作柄となった。初期生育期の2〜3月は、降雨多く濕害で根の発育が不良で、5〜6月の天候が心配されていたが、高温・旱魃に見舞われることなく難を逃れた。早生の出荷は後ずれして、5月出荷は計画を大幅に下回った。6月入って出荷は回復歩調となったものの、市況の低迷で再び後ずれ傾向となり、コロガシ(短期貯蔵)が増加した。現在、既に冷蔵入庫期を迎えているが、今年は梅雨明けが遅く、今以って雨天曇天が多く出荷・入庫とも作業は見送り状態にある。梅雨明けを待って一斉に入庫が開始されると見ている。現在、産地では先高期待感が広がり、産地相場は20kg裸値¥1,100〜1,200で平年よりやや高めの水準にある。中生系の「ターザン」は、色乗り・球締まりとも良好で品質に問題はないが、優良品種の「もみじ」に芯腐りが散見される。

 佐賀では、早生のウエイトが高くなり、出荷は4〜5月で50%弱、6〜9月で50%強の計画になっている。4〜5月の出荷は順調で前年を15%以上も上回ったが、6月は前年並みに落ち込んだ。6月に入って市況は低迷し産地相場も20kg裸値¥700に値下がりしたため、生産者の多くは青切り出荷を中断し、コロガシ(短期貯蔵)として自家倉庫やビニールハウスに貯め込んだ。JAや商系の集荷用のポリコンテナーが、生産者のストック容器に利用され、集荷用コンテナーが不足し集荷に支障を起たした。6月下旬には市場で品薄高となったが、雨天曇天続きで、集荷が思うに任せず産地相場は¥1,000に値上がりした。7月に入ってコロガシの出荷が始まり、集荷は回復したが市況は弱含みに転じた。コロガシのなかには、品質低下が進み腐敗が多発し、市場で評価を落したものもある。現在の出荷は中晩生の吊り玉が主力で、球流れは概ね2L15%、L60%、M15%、S3%、B7%で早生に比べると一回り小粒になっている。今年は梅雨明けが遅れていて今だに雨天曇が天続き、高温・旱魃時に多発する黒煤の発生は少ないが、晴天が続き酷暑になると発生が心配される。

 香川、愛媛とも作付は減少傾向にあり、特に冷蔵向けの栽培が激減している。作柄は平年をやや上回る程度で、品質的には球揃い球締まりとも良好だが、生産減を反映して、品薄高が定着し冷蔵向けは20kg裸値で、香川が2L〜L¥1,800、M¥1,400。愛媛がL・M¥1,600。の高値となっている。

 輸 入 物

 6月の輸入は速報値で27,901トン前年比85%に減少した。主力の中国が27,014トン前年比84%、ニュージランドが732トン前年比169%、オーストラリヤが138トン前年比22%であった。

 中国では、日本向け玉葱の作付は減少していると言われている。現地からの報告によると「山東省では、玉葱からトウモロコシへの転作が多く、前年比20%の減反で、収穫は1週間〜10日の遅れとなった。作柄は平年作だが一部で高温障害が発生している。甘粛省は前年比30%の減反だか、生育が良好で反収は10%増になると見ている」現在の日本向けの価格は20kg・C&F$5.2〜5.5、7月積みは$6.7となっている。

 アメリカ、正式な作付情報は入手していないが、昨年並みかやや増と見ている。カリフォルニヤ州では、出荷が始まっているが、収穫は平年より10日の遅れで、品質は良くない。現在アメリカ市場は高値で推移しており、産地相場は50ポンドJ$12〜10、M$10〜8で動いている。ワシントン州では、全体的に1週間程度の生育遅れはあるものの、作柄は平年作をやや上回りそうだ。輸出向けのパッキングは8月15日頃から始まる予想。今年は韓国、台湾からの引合いが多いと言う。

 北 海 道 産 

 今年の作付は、ホクレンの5月調査では11,150haで前年比103%となっている。最終的には農水省の指標面積である11,700haに近い作付になり、前年比5〜6%の増反になると見ている。道農政部の7月15日現在の生育調査によると、生育は空知・上川で2日遅れ、網走は平年並み、道平均の数値は草丈22p平年差+2.1pで平年並み、葉数9.2枚で平年差−0.3枚、葉鞘径19.9oで平年差+0.3o、球径3.8pで平年差−0.1pとなっている。各地区から試験的に抜取りされたサンプルを観察すると、岩見沢地区が地上部の生育は良好だが、根の太さ、長さ、張りがやや見劣りする。此の先高温・旱魃に見舞われると抵抗力に心配がある。富良野、網走は根の張りが良く概ね豊作型と見受けられた。早出し出荷は7月末から根切りが始まり、盆前には市場に顔見せをする。球肥大・球揃いも昨年を上回る予想で盆明けには連続出荷が可能になる。生育状況をつぶさに把握をしている生産者の多くは、今後の天候に深い関心を抱くと共に、増反で増収の可能性が高いと見て、早期出荷に歩があると話している。玉葱の作柄は、変化を繰返し収穫2週間前の天候で確定することから、この先1カ月の天候に一喜一憂することになる。

 

8月の見通し

 通常、玉葱市況は土用(京都祇園祭〜大阪天神祭の頃)になると、売行きが鈍化し、市況が低迷すると言われている。真夏に入り食材が変わり土物類は外様になる。土用に玉葱の売れる年の秋は暴騰するとも言われて来た。7月前半に弱含んだ市況は此処に来て回復歩調から強含みに転じている。今年は春の天候不順で一般野菜が高値となり、5〜6月の玉葱の家庭消費は前年を5%前後も上回っている。府県産地の在庫が前年を上回るものの、現在の消流を眺めていると、8月相場は概ね堅調で、市場価格は前年比1割高の¥90攻防と予想する。(了)

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