たまねぎレポート 【230号】

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                        平成18年6月20日

                    阪南青果株式会社

 社内報

 5月の天候は、全国的に気温の変動が大きく、雨天曇天が続き降水量が多く、日照時間少なかった。日照時間の不足が野菜の生育に大きく影響した。

 気象庁が発表した6月19日〜7月16日までの向こう1カ月は、北海道で低気圧と高気圧が交互に通り、周期的に変わるが、7月前半は寒気の影響でぐずつく時期がある。東北から西日本にかけて梅雨前線が本州付近に停滞し、平年同様曇りや雨の日が多い。6月20日から25日は梅雨前線の活動が活発となって降水量がまとまり、西日本を中心に大雨となる恐れも。また7月前半は、東北や東日本を中心に上空の寒気の影響を受ける時期がありそう。一方、南西諸島は平年並程度の6月20日から25日に梅雨明けし、その後は晴れる日が多くなる。気温は北日本から西日本で平年並み、南西諸島で平年並かやや高くなる見込み。ただ、6月下旬は北日本を中心に平年を上回る時期があり、7月前半は北・東日本を中心に平年を下回る時期がある。

 

需要市場の動き

 東京都中央卸売市場の5月の野菜の入荷は143,667トン前年比102%(前月比114%)で日照不足等で生育が抑制されたものの総じて順調であった。品目別ではホウレンソウが前年比2割増となったのを始め、キャベツ、バレイショ、タマネギが1割増となった反面、ナスが1割6分減であったほかニンジン、キュウリ、ハクサイが前年を下回った。平均単価はkg¥217前年比110%(前月比92%)で前月に続き堅調に推移した。主要品目ではハクサイが前年比9割高となったのを始めキュウリが6割高、ニンジン、ピーマンが4割高、レタスが3割高、ナス、ダイコンが2割高となった。反面、バレイショが2割安となったほか、ホウレンソウ、キャベツが前年を下回った。

 

         東京都中央卸売市場の5月の入荷量と単価

品     目

前年比

前月比

単 価 kg

前年比

前月比

 

野 菜 総 数

 143,667

 101.7

 113.9

217

 110.4

 91.9

た ま ね ぎ

キ ャ ベ ツ

ば れ い しょ

だ い こ ん

ト  マ  ト

き ゅ う り

レ  タ  ス

に ん じ ん

は く さ い

ね     ぎ

か ぼ ち ゃ

な が い も

に ん に く

  15,212

  18,392

  10,917

  9,824

  9,411

  8,244

  7,984

  7,825

  6,502

  4,339

  2,515

  1,048

   507

 110.8

 114.3

 114.2

 100.2

 100.6

 94.9

 104.7

 94.7

 97.8

 100.5

 71.8

 84.0

 83.3

 127.8

 114.4

 117.5

 87.5

 157.3

 125.2

 110.8

 114.4

 99.0

 108.0

 99.4

 97.1

 123.1

   84

   85

  128

   91

  282

  227

  150

  182

   83

  273

  271

  190

  545

 98.1

 92.9

 77.1

 120.9

 105.3

 161.0

 127.3

 144.0

 192.8

 116.0

 176.8

 101.2

 129.4

 80.0

 69.1

 91.4

 91.9

 71.2

 80.8

 91.5

 148.0

 102.5

 110.5

 126.0

 101.1

 107.1

 

 5月の野菜は5月後半の日照不足で生育遅れの品目があったものの、4月の低温寡照等で生育が遅延していた産地の出荷と重なったことで、総体的には何れの市場も前年を上回る入荷となった。品目別には多少ばらつきがあったが、総量的には概ね順調で、平均単価は4月からの高値を引継ぎ、何れの市場も前年同月比で10%前後高くなった。玉葱は府県の豊作を反映して東京、大阪、福岡は前年比10%以上の入荷増で、価格は前年をやや下回った。

 東

 東京都中央卸売市場の5月の玉葱の入荷は15,212トン前年比111%(前月比128%)と潤沢であった。府県産地が出揃ったなかで佐賀主導の販売であった。佐賀の入荷は前年比127%占有率70%で大幅な増加であった。佐賀に次ぐ千葉は前年比78%に減少し占有率は5%にとどまった。生育遅れで出荷が後ずれしていた兵庫は月後半からは順調な入荷で前年比151%と増加したが占有率は5%であった。5月が最盛期となる愛知は前年比46%と半減し占有率は3%にダウンした。中小産地では香川、熊本、大阪、埼玉等の入荷が前年を上回った。輸入物はニュージランド、中国が減少しオーストラリヤが増加した。多くの野菜が高値水準で推移したが、玉葱の平均単価はkg¥84前年比98%(前月比80%)とジリ安傾向であった。

 5月後半の市場は、主力産地の佐賀物を始め西日本産地が豊作で、入荷は増加傾向を辿った。野菜全般には天候不順で入荷が減少し販売環境は悪くはなかったが、佐賀、兵庫に肥大球が多く、2Lから荷凭れ感が出て市況は弱保合で推移した。何れの産地の早生も軟弱で球締まりに難があり、日持ちが悪く荷動きが鈍化した。Mの比率が少なくMは品薄高となった。群馬、栃木等の関東産地の入荷が始まったが、西日本産地に比べると肥大球はやや少なく、球締まりもまずまずであった。

 6月前半の市場は、主力産地を始め何れの産地からも前年を上回る入荷が続き、順調な入荷を反映して市況は引き続き軟調で推移した。関東産地の出荷の増加と共に周辺市場への転送需要が激減した。荷動き鈍化で市場内の滞貨が日々増加した。量販店の多くは、割安の2Lサイズの特売を始めたために、売り悩んでいた2Lの動きが回復に向かった。

 名

 名古屋市中央卸売市場の5月の玉葱の入荷は6,011トン前年比97%(前月比106%)で引き続き減少傾向であった。地場産地の愛知が最盛期となったものの、愛知物の入荷は前年比99%と伸びなかったが占有率は54%で1ポイント上昇した。次いで北海物が前年比107%占有率20%で、主要市場の中では此の時期の北海物のウエイトが特に高い。兵庫は前年比94%で占有率は8%にとどまった。佐賀、熊本の入荷は前年比で倍増したが占有率は両県で7%に過ぎなかった。平均単価はkg¥72前年比104%(前月比75%)であった。

 5月後半の市場は、球肥大が進み2Lの比率が高く2Lから値下がりし、市場滞貨が増加した。淡路物の入荷が本格化したが、地域別のバラツキが大きく、中心地域の品質劣化が目立った。天候の影響か乾燥状態が今いちで日持ち悪く、買い手から敬遠された。愛知と同値に勉売したが、愛知に比べて品質は見劣りし、買い手の産地指定は愛知に偏重した動きであった。

 6月前半の市場は、荷動きが鈍化し軟調市況が続いたが、早生から中生に移行したことで2Lの比率が低下し球流れが改善され、2Lの相場に回復の兆しが見え始めた。価格的には保合相場だったが、市場在庫が減少に向い市場の雰囲気に変化が見え始めた。愛知、淡路とも産地段階で出荷調整の動きが見え隠れするようになり、変化の兆しが見え始めた。此の先、気温の上昇とともに売行きの低迷期を迎えるが、相場は底値固めから回復に向いそうだ。

 大

 大阪市中央卸売市場本場の5月の玉葱の入荷は3,177トン前年比125%(前月比157%)と潤沢であった。後ずれしていた西日本産地の出荷が本格化し、早生の豊作が数量を押し上げた。主力は佐賀と淡路で両産地で93%を占めた。佐賀が前年比143%の入荷で占有率は54%、淡路が前年比125%で占有率は39%であった。平均単価はkg¥78前年比97%(前月比69%)で月間の値下がり幅は意外に大きかった。

 5月後半の市場は、佐賀、淡路、大阪と何れの産地の入荷も順調だったが、滞貨は殆ど見られず、荷動きは概ね順調であった。20kg詰めは転送とバラ売り用に、10kg詰めは小売店用にと棲み分けの動きであった。多くの小売店の産地表示が佐賀から淡路に移行したことで、流れも佐賀から淡路に切り替わった。佐賀物の早生に腐敗が目に付き出したことも買い手の警戒心を誘った。ボリューム感のある2Lが割安となったことで、量販店の多くが2Lのバラ売りを始めたために、一時は2Lに品薄感が生じた。

 6月前半の市場は、佐賀、香川の入荷が減少傾向となり、淡路主力の販売に変わったが、荷動きが鈍化し市況はジリ安相場となり、市場在庫が増え始めた。早生の売れ残り品に腐敗が散見され、買い手口が細り販売環境は悪化した。此処に来て市場も産地も在庫が減少に向い、相場は底値固めに入っている。田植えが終わって吊り玉葱の出荷が始まれば、市況は強含みに転じると見ている。

 福

 福岡市中央卸売市場の5月の玉葱の入荷は2,423トン前年比114%(前月比117%)で佐賀の豊作を反映して潤沢な入荷が続いた。佐賀を主力に長崎、福岡を併売した。品質的には入荷の多い佐賀物はバラツキが大きく、長崎物の方が安定度が高かった。平均単価はkg¥72前年比95%(前月比74%)でジリ安の相場展開であった。

 5月後半の市場は、天候不順の影響で主要野菜は軒並み品薄高となったが、玉葱だけは前年を下回ったものの、暴落するようなことはなかった。入荷増に加えて品質に難があった割には意外に動いた。佐賀産地では早生の出荷が後ずれしたことや、今年の玉葱は水脹れ傾向で球締まりが悪く、腐敗が目に付き販売後のクレームが多く、事後処理に苦労した。

 6月前半の市場は、梅雨前から降雨の日が多く、玉葱の動きが鈍化し販売環境は厳しくなった。主産地の佐賀では日持ちの良くない早生の在庫が片付かず、市場では品質劣化を警戒して、仲卸や量販店のバイヤーなどの買い手口は小口化し、回転率が悪くなった。此の先、中晩生との切り替わりが進めば品質が安定し、相場も回復に転じると見ている。

 

 6月20日(火)主要市場の玉葱市況は次の通り

札幌市場】入荷74トン、保合

 佐 賀 20kg 2L \1,500〜     L \1,5001,400、 M \1,3501,270

  〃  10kg 2L \750 〜     L \800 〜 770、 M \750 〜

 愛 知 20kg  L \1,5201,500、  M \1,2801,250

 大 阪 20kg  L \1,400

 栃 木 20kg 2L \1,400〜     L \1,4001,300

【太田市場】入荷180トン、保合

 栃 木 20kg 2L \1,100〜     L \1,100〜    M \1,100

 愛 知 10kg 2L \1,200〜     L \1,200〜    M \1,000

 佐 賀 20kg 2L \1,3001,100、  L \1,4001,200、 M \1,3001,100

 兵 庫 20kg 2L \1,3001,100、  L \1,3001,100、 M \1,3001,100

 香 川 20kg 2L \1,4001,200、  L \1,5001,300、 M \1,5001,300

【名古屋北部】入荷100トン、保合

 愛 知 20kg 2L \1,200〜     L \1,200〜    M \1,000

 兵 庫 20kg 2L \1,300〜     L \1,4001,300、 M \1,3001,200

【大阪本場】入荷57トン、強保合

 兵 庫 10kg 2L \750 〜 650、  L \800 〜 700、 M \750 〜 650

  〃  20kg 2L \1,4001,300、  L \1,5001,300、 M \1,4001,300

福岡市場】入荷50トン、保合

 佐 賀 10kg 2L \700 〜 600、  L \750 〜 600、 L \700 〜 600

  〃  20kg 2L \1,3001,000、  L \1,4001,300、 L \1,4001,300

 福 岡 10kg 2L \700 〜 600、  L \700 〜 600、 L \600 〜

 

 供給産地の動き

 府県産地の作柄は、春先の天候不順で生育に遅れが出て心配されたが、5月に入ってからは順調に回復し、5月後半には何れの産地も豊作型に好転した。特に早生種は球の肥大化が進み、2Lの発生率が高く収量増につながった。反面、球締まりに難があり、肥り過ぎと軟質で品質劣化が早く、前年に比べロス率が高く、日持ちが出来ず販売に苦しんだ。5月の出荷量は全国的には前年を上回ったが、他野菜の高値もあって、出荷が増加した割には価格の下落幅は小さかった。現時点の佐賀、兵庫など主力産地の在庫は前年を上回ると見られているが、その他の中小産地の在庫は前年を下回ることから、全国的な在庫は前年並かやや上回る程度と見ている。輸入は4月に引き続き減少傾向を辿ると予想されていたが、5月の速報値では前年同月を上回っている。特に主力の中国は前年比2割増となっており、6月以降も前年を上回る可能性がある。北海道産も順調な生育を続けており、7〜8月の供給量は前年を上回る可能性が強まっている。

 府県産地の関係者の多くは7〜8月の値上がり市況を期待しているが、需給環境は楽観視出来ない状況にあり、一時的な値上がりはあっても堅調を持続することは困難の予想である。

 府 県 産 地

 主力産地の佐賀、兵庫の5月の出荷は早生の豊作を反映して、前年比20%前後増加したが、その他の産地は前年並か前年をやや下回った。

 兵庫では、主産地淡路島の早生種の生育は品種別にやや差はあったものの、1週間から1旬の遅れとなった。4月の出荷は後ずれして5月にずれ込んだ。当初不作と言われていた作柄が、5月の適温・適湿の天候に支えられ急速な回復を遂げ、豊作型に様変わりをした。収穫直前に球肥大が進み2Lの発生率が急上昇した。因みに中心地区の早生の球流れは、2L38%(前年22%)、L47%(54%)、M11%(19%)、S1%(3%)、B3%(2%)となっている。早生の収穫の終了は5月末まで掛かり、出荷の終了は6月半ばまでずれ込んだ。中生の収穫は5月末から始まり早生と中生に切れ目がなく、収穫・集荷用のポリコンが不足し、中生の収穫も後ずれした。中晩生は早生ほどの肥大はないが、早生・中晩生とも水膨れ傾向で病害の発生率が高い。生育盛期に降雨の日が多く防除が不徹底となったことも病害の進行を促した。

 現在の産地在庫は豊作を反映して、前年に比べ15%程度多い。2Lの多発で受け皿となった加工場の多くは満杯状態となったが、ムキ玉の需要も中国物に押されて荷動きが芳しくない。環境汚染をクリアーするため自治体、JA、商協が連携して各所に残滓処理工場を建設しているが、野菜の廃棄にも多額の経費が掛かるようになった。

 今年の玉葱は、総じて軟弱質で日持ちが悪く、4〜5日の止め置きでイタミが出て、選果に支障を来たしている。中晩生に切り替わると品質は安定すると見ているが、此の先、夏場の需要低迷期に入ることもあり、産地の期待とは裏腹に販売環境は厳しくなりそうだ。

 佐賀では、府県産地で唯一増反県となったほか、近年にない豊作で4〜5月の出荷は前年比20%前後も増加している。東京、大阪市場ともトップの占有率を確保しているほか、全国市場においても販売量は逐年増加をしている。出荷は年々前進化傾向にあり、出荷比率は4〜5月で45%近くを占める。4月の低温多雨の天候で球肥大が進んだ後、4月下旬から5月上旬には降雨なく旱魃傾向が続き、圃場が乾燥し地割れで玉葱に根切れが多発した。葉先が枯れる圃場が多発生したが、連休明けからは適温・適雨に恵まれ七宝早生、甘70、アドバンスまでの早生系は大豊作となり球流れは大粒化した。JA、商系の集荷場は何れも満杯状態となり、生産者段階の在庫も急増し、収穫・集荷用のキャリー不足が深刻化した。いずれの選果場もフル操業で出荷に励んだが作業が追いつかず、出荷が後ずれして品質低下を招いた。此処に来て、順次中晩生に切り替わり球流れも一回り小粒になった。現在の球流れは2L18%、L57%、M16%、S2%、B7%であるが、前年に比べると一回り大きく、B品の発生率も3ポイント高い。

 現在田植期を迎えたことと、雨天が多いことで、出荷は減少傾向にあり一段落ついた感じである。此処暫くは出荷の谷間に入り、一時的に市況の回復が期待されるが、吊玉葱も前年より多いし、コロガシ(青切り)のストックも生産者段階で多いと見受けられるので、大きな値上がりは期待出来そうにない。

 輸 入 物

 5月の輸入は速報値で21,010トン前年比104%で予想を上回る数量であった。4月に続いて減少すると予想されていたが、中国の増加で前年を上回る結果となった。中国が14,489トンで前年比122%、ニュージランドが4,658トンで前年比88%、オーストラリヤが1,727トンで前年比90%で中国以外は前年を下回った。昨今では中国物の価格は前年に比べC&Fで30〜40%高になっており、過去最高値に近い。主力のムキ玉では国内産と比べて未だ割安感はあるものの、皮付きでは国内産と大差のない価格水準になっている。例年5〜9月は中国物が主力となるので今年も前年を上回る入荷になりそうだ。

 北 海 道 産 地

 今年の北海道産の玉葱は移植作業の開始が、天候不順で1週間程度の遅れとなったが、期間中は天候に恵まれ作業が捗り平年並みに終了した。5月の気象情報では、平年比で平均気温はいずれの地域も高く、日照時間は10%以上も多いし、降水量は札幌以外では20%も多い。玉葱の生育に適温・適照・適湿な気候であったと言える。道農政部の6月15日現在の調査では、平均値で草丈29.1p、葉数5.1枚、葉鞘径8.5oで1〜2日の遅れとなっている。6月に入って低温・寡照でやや遅れているとの情報があるが、私が産地を一巡した感じでは、生育は順調で豊作になると見ている。

 

7月の見通し

 府県産地の何れも青切りの整理が順次が終了して、吊り玉と貯蔵物の出荷に移行する。全国的な出回り量は減少するが、真夏に入り需要の減退期に入るため活発な動きはない。月前半は一時出荷の谷間に入り市況は強保合となるが、大きな値上がりは期待出来ない。7月の輸入の殆どは中国物のムキ玉であり、価格的には前年に比べて大幅な値上がりとなるものの、前年並みか前年を上回る入荷があるものと思われる。北海物の増反・増収予想から冷蔵物の入庫は消極化するものと予想され、即売の供給量は前年を上回ると思う。従って市場の平均価格は、6月よりも高くなるが前年よりも安く、kg¥80が精々と見ている。()

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