たまねぎレポート【228号】
平成18年4月22日
阪南青果株式会社
社内報
3月は、全国的に寒い日と暖かい日の気温差が大きかった。上旬には平均気温が東日本以西で平年より2〜3度高く、中旬は東日本以西で平年より寒い日が続いた。月平均気温は北日本で平年より高く、ほかの地域は平年並みであった。降水量は北・東日本で多く、全国的に多雨であった。
気象庁が発表した4月24日〜5月21日の1か月予報によると、期間中は北日本から西日本は、低気圧と高気圧が交互に通り、天気は周期的に変わる見込み。ただ、4月下旬は、寒気を伴った低気圧が通過する影響で、北日本や東日本を中心に不安定な天気となりやすい。落雷や降雹、突風などに注意が必要。また、北・東日本の内陸では晩霜の恐れもあるので、農作物の管理には充分な注意が必要。一方、南西諸島では4月下旬から5月上旬にかけて、周期的に天気が変化する。その後は、低気圧や前線の影響で、次第に曇りや雨の日が多くなりそう。
沖縄地方の梅雨入りは、平年並となる見込み。気温は北日本で平年より低く、東日本は平年並みか低め、西日本と南西諸島は概ね平年並みとなる。
4月下旬の気温は、北日本から西日本で平年より低い時期がありそう。
需要(市場)の動き
東京都中央卸売市場の3月の野菜の入荷は131,816トン前年比102%(前月比112%)で、品目と旬別にバラツキがあるものの総じて順調であった。上、中旬は前年を上回ったが下旬は前年を下回った。品目別にはレタス、キャベツが前年比20%近く増加したほかニンジンが5%増、ダイコン、バレイショ、ホウレンソウが前年並みであった。他方、ピーマンが15%減少したのを始め、果菜類が軒並み5%前後の減となったほかタマネギも3%減少した。平均単価はkg¥222前年比94%(前月比96%)で平年並の価格水準であった。品目別ではキュウリが前年比33%高となったほかピーマン、ダイコン、トマトなど5品目が前年を上回った。他方、キャベツの43%安を始めレタス、ニンジン、ホウレンソウなど6品目が大幅安となった。タマネギは12%安であった。
東京都中央卸売市場の3月の入荷量と単価
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品 目 |
入 荷 量 t |
前年比 % |
前月比 % |
単価 ¥/kg |
前年比 % |
前月比 % |
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野 菜 総 数 た ま ね ぎ キ ャ ベ ツ だ い こ ん レ タ ス は く さ い ば れ い しょ に ん じ ん き ゅ う り ト マ ト ね ぎ か ぼ ち ゃ な が い も に ん に く |
131,816 9,861 16,318 12,698 8,475 8,294 8,040 7,503 6,052 5,784 4,723 3,756 1,113 466 |
101.6 96.8 117.8 100.8 118.2 95.7 100.1 104.7 93.1 93.9 94.1 92.0 89.8 86.9 |
111.6 113.8 124.9 112.0 118.1 71.7 107.6 111.4 131.5 114.7 111.3 129.3 122.6 118.6 |
222 111 79 104 145 68 126 146 362 381 232 131 187 497 |
94.4 87.5 56.9 114.3 65.5 85.7 102.4 85.4 133.4 108.1 101.1 104.0 99.2 105.9 |
96.1 106.7 82.3 85.2 63.6 109.7 103.3 107.4 86.8 126.6 77.9 75.7 100.0 96.5 |
3月の主要市場の野菜の入荷は概ね前年並みであったが、販売単価は前年比5〜10%下回った。年明けの寒波に見舞われて生育が停滞し、品薄傾向であった産地の野菜が順次回復し、3月に入って後続産地の出荷と重なったため、潤沢な出回りとなった。玉葱の入荷は北海物の入荷は前年を上回ったが、アメリカ物が大幅減となったことで前年比5〜20%減となった。平均単価は前年を10%前後下回った。
東 京 市 場
東京都中央卸売市場の3月の玉葱の入荷は9,861トン前年比97%(前月比114%)で予想を下回った。引き続き北海物主導の販売であり、北海物の入荷は前年比114%占有率73%(前年は62%)といずれも前年を上回ったが、予想された程には伸びなかった。静岡の入荷が前年比91%占有率は10%、アメリカは43%の入荷で占有率は8%と減少した。一方、中国は前年比146%、佐賀は377%と大幅な増加であった。平均単価はkg¥111前年比76%(前月比107%)と強含みで推移した。北海物は¥106で前年比76%、静岡は¥178で前年比86%で、前年のような勢いはなかった。
3月後半の市場では、荷動きは回復歩調となったが、相場は逆に弱含みに転じた。価格的には値下がり幅は小さく、北海物は流れが良く相場は横這い。静岡物は入荷増でジリ安相場となったほか、新物の人気は次第に後続の佐賀物に移り、月末には佐賀物の価格が静岡物を上廻った。アメリカ物は入荷減もあって、価格は前年比4割高となった。
4月前半の市場は、府県の新物の入荷が日毎に増え、北海物主導から順次佐賀物主導に移行した。北海物の入荷が終盤を迎えたことやニュージランド、アメリカ物の入荷が少なく、ヒネ物が品薄高となった。出荷の前進化が予想されていた府県の早生物の集中入荷がなく品薄気味で、特に終了間際の北海物が急騰し一時は¥3,000近くに上昇した。4月に入って低温、降雨・曇天が続き新物の生育・出荷が停滞し、出荷の後ずれで市況は予想外の高値を維持した。
名 古 屋 市 場
3月後半の市場は、新物の入荷増を警戒して、買い気は振るわず弱含みの市況となった。前進化が唱えられていた新物の入荷が予想されたほど増えず、他方北海物が終盤に入り、入荷減から荷動きは回復に転じ、北海物のL大が品薄高になった。量販店では順次新物への切り替えが進行し、新物の販売が積極化し発注も増え始めた。月末には北海物の入荷が不安定化し、天候不順で新物の入荷も少なめで、相場は北海物は堅調に新物は保合を維持した。
4月前半の市場は、天候不順に阻まれて静岡、愛知の新物の入荷が思いのほか増加せず、市況は保合相場を維持した。北海物は入荷が日々減少し相場は一段高となった。新物は愛知を始めいずれの産地も後ずれしているため、天気が回復すれば集中入荷で続落相場の可能性大と見て、市場関係者の間で警戒感が強まったが、集中入荷はなく、相場は落ち着いた動きであった。
大 阪 本 場
3月後半の市場は、北海物の入荷が比較的に順調であったが、新物の静岡も増加傾向となったほか長崎が加わり、新物の占有率が60%を超えた。量販店の多くは重点を新物の販売に移したことで、北海物の動きが鈍化し、市況は北海物、新物ともに弱含みに転じた。新物は後続の佐賀物が増反、豊作との情報が伝わり、買い手の警戒感が強まり、月末には長崎物が値下がりした。
4月前半の市場は、北海物が終盤を迎え入荷が日々減少する中で、豊作が伝えられていた長崎、佐賀の入荷が後ずれしたため、弱含んでいた市況が強含みに変わった。4月に入ってからは、低温と降雨が続き日照不足で、新物の生育が停滞したことや、降雨に阻まれて収穫・出荷作業が捗らず、懸念された長崎・佐賀の集中入荷はなく、市況を圧迫する程の入荷にはならなかった。価格的には高値であった前年並みの水準で推移した。特に北海物の品薄高が表面化し¥2,000前後に落ち込んでいたのが、急上昇し¥2,500前後に値上がりした。
福 岡 市 場
3月後半の市場は、月前半に続き荷動きが回復せず、価格的には横這い相場であったが、市場の空気は活気に乏しく弱含みであった。量販店など小売店の買い手口が細り、業務用需要も春休みで学校給食が動かず、腰の重い展開であった。
4月前半の市場は、月始めは前月同様野菜全般に活気に乏しく、総じて軟調な動きであったが、玉葱は北海物の入荷が減少し、佐賀・長崎の新物が主力となった。学校給食などの需要も新物に変わり荷動きが回復に向った。4月に入って低温と雨天・曇天が続き新物の出荷が後ずれし、相場に大きな変動はなかったものの入荷が不安定化した。特に入荷が減少した北海物が独歩高となった。
4月22(土)主要市場の玉葱市況は次の通り
【
北海道 20kg 2L \2,500〜2,400、 L大 \3,000〜2,400、 L \3,150〜1,880、 M \1,700〜
佐 賀 10kg 2L \1,100〜 L \1,200〜1,100、 M \1,300〜1,250。
佐 賀 20kg 2L \2,200〜1,900、 L \2,400〜2,100、 M \2,300〜2,100。
北海道 20kg L大 \2,500〜2,300、 L \2,300〜2,200、
静 岡 10kg 2L \1,000〜 900、 L \1,000〜 M \1,000〜 900。
愛 知 20kg 2L \1,800〜 L \2,000〜 M \2,000〜1,800。
佐 賀 20kg 2L \2,000〜1,800、 L \2,200〜2,100、 M \2,200〜2,100。
ニュージランド 20kg 2L \1,800〜1,700、 L大 \1,700〜1,600、 L \1,600〜1,500。
【名古屋北部】入荷112トン、保合
北海道 20kg 2L \2,400〜2,300、 L大 \2,500〜2,300、 L \2,400〜2,200、 M \2,000〜
静 岡 10kg 2L \1,100〜 L \1,200〜 M \1,000〜
愛 知 20kg 2L \2,200〜2,000、 L \2,500〜2,300、 M \2,200〜2,000。
ニュージランド 20kg L \1,600〜 M \1,500〜
【大阪本場】入荷100トン、保合
北海道 20kg L大 \2,800〜 L \2,800〜
静 岡 10kg 2L \1,100〜1,000、 L \1,200〜1,100、 M \1,100〜1,000。
兵 庫 10kg 2L \1,100〜 L \1,200〜 M \1,200〜
佐 賀 10kg 2L \1,100〜1,000、 L \1,250〜1,150、 M \1,200〜1,100。
佐 賀 20kg 2L \1,900〜1,800、 L \2,200〜2,100、 M \2,100〜1,100。
長 崎 10kg 2L \1,200〜1,000、 L \1,300〜1,200、 M \1,200〜
ニュージランド 10kg 2L \800 〜 700、
【
佐 賀 10kg 2L \1,000〜 900、 L \1,200〜 950、 M \1,100〜 900、
〃 20kg 2L \2,200〜2,000、 L \2,300〜2,100、 M \2,200〜2,100、
長 崎 10kg 2L \1,200〜 900、 L \1,200〜 850、 M \1,200〜 800、
供給(産地)の動き
北 海 道 産 地
年明け1〜3月のホクレン・北商の道外出荷は13万3千トン弱(前年比107%)で予想を下回り、市況は堅調に推移したが、産地関係者が期待した程の値上がりはなかった。終盤の4月になって、天候不順に阻まれて府県の早生物の出荷が後ずれしたため、終了間際に品薄高現象が起き、一時的に期待価格を上廻る場面もあった。3月市況はやや軟調であったものの、今年の販売はホクレンのリーダーシップ宜しく予想以上の好成績を収めた。
3月のホクレン・北商の道外出荷は44,225トン前年比114%で、単月としては潤沢且つ順調であった。4月出荷は計画を下回る可能性が強く、昨年並みか昨年をやや下回りそうだ。現時点では今シーズンの出荷は殆ど終了しており、市場も残務整理に入っている。最終段階では少量ながら、品薄高現象が起き各地の市場で予想以上の高値を呼び有終の美を飾った。
産地では、既に新年度の移植の時期を迎えているが、4月に入ってからは例年になく低温と降雪に見舞われ融雪が遅れ、移植は10日前後の遅れとなりそうだ。既に苗が徒長し老化苗になるのを心配している向きもある。移植開始が連休明けまでズレ込むと作柄にも大きく影響するとの声が出ている。此処数年は、年明けの市況が高値に推移したこともあり、栽培に意欲が出て今年度は5〜6%の増反が見込まれている。
府 県 産 地
今年府県産の4〜6月の出荷計画は226,000トン前年比108%となっているが、うち佐賀が97,000トンで43%を占め第1位、愛知が35,500トンで16%を占め第2位、兵庫が29,500トンで13%を占め第3位とされている。
静岡の早生物はほぼ終了に近いが、今年の市況は前年の高値には及ばなかったものの、高水準で終始した。既にバトンは佐賀、愛知に引き継がれている。いずれの産地も4月の低温と雨天曇天続きで日照不足となり、早生の生育が停滞し出荷は大幅に後ずれしており、今週になって漸く出荷が本格化した。予想より10日前後の後ズレである。豊作が予想されていた産地のなかに、多雨により圃場が乾燥せず、多湿による根の傷みや地上部の葉鞘に病害の発生が見受けられる。
佐賀、府県産地で唯一増反が進んでいる。今年の作付はJA県連発表では約1,900ha前年比107%とされているが、実質は2,000haを超えていると見られている。作型別には早生のウエイトが年々高くなり、約50%を占めている。従って4〜5月の2カ月で全体の45%を上回る出荷になる。近年、中晩生に黒煤が多発し中晩生のロス率が高まっていることや、数年來春高の市況展開であったことが影響している。地域ぐるみで2月からの出荷を目指して品種の更改と栽培技術の開発に取り組んでいる処もあり、年々出荷が早まる傾向にある。
今年産は3月までは生育が順調で前進化傾向であったが、4月の低温・多雨に阻まれ生育が停滞し、トンネル栽培以外の早生の出荷は後ずれした。作柄は当初予想を下回るものの平年作を上回ると見ている。生産者の話しでは、今年の早生は草丈が短く葉数も1枚少ないと言う。しかし、圃場を見る限り圃場格差が少なく平均化していることから平均反収は6トン前後になると見ている。白マルチの早生は球揃いが悪いうえ、格外の発生率が高く反収は前年を下回ると嘆く生産者も多い。現在収穫されている黒マルチの早生の球流れは概ね2L13%(前年8%)、L61%(58%)、M20%(25%)、S2%(3%)、B4%(6%)で前年に比べると大粒で球揃いは良い。4月の出荷量は感触的には前年より2割程度増えそうだ。生育途上にある露地早生や中晩生の一部に、多雨による病害の発生が見受けられ、防除の徹底が求められている。
愛知、今年JAの共販対象面積は450ha前年比99%と報告されている。近隣市場へは生産者の個人出荷が3月から始まっているが、出荷のピークは5月で、5〜6月重点出荷の産地である。3月までの生育は順調であったが4月の低温・多雨で生育が停滞し、4月の出荷は前年を大幅に下回る予想である。現在、極早生の貴錦の共販出荷が始まっているが、肥大遅れで球流れにバラツキがあり、例年に比べるとやや小粒である。作柄は平年作と見ている。
淡路、兵庫県玉葱協会の調査では、今年の作付面積は1,667haで前年比95%と報告されている。産地関係者の間では前年比やや増反との説も多い。淡路島では全域的な耕地整理が続いていることが減反に大きく影響していると言われているし、生産者の老令化が進み軽量野菜の栽培に移行している事も影響している。また、玉葱はレタス、キャベツ等に比べると生産性が低いことにも原因がある。作柄は、定植後は天候に恵まれ順調な生育が続いていたが、4月に入ってからの冷え込みと日照不足で生育が停滞し、早生の遅れが目立っている。中晩生は此処に来て回復歩調にあるが、作柄を断定するには時期尚早である。昨年は気温の関係もあり、早くから軟腐、白色疫病等の病害が発生したが、今年の発生率は前年の半分以下である。ただ、降雨が多く排水の悪い圃場では根腐りの発生が散見されている。今年の品種別栽培比率は、早生17.2%、中生55.2%、晩生27.6%で早生が約2ポイント上昇、晩生が約2ポイント低下している。早生の最盛期は連休明けになる。
輸 入 物
3月の輸入は速報値で36,820トン前年比71%で予想の範囲であった。中国が14,736トンで前年比128%、アメリカが10,637トン前年比49%、ニュージランドが5,122トンで前年比43%、タイが4,559トンで前年比84%と中国以外は減少した。4月の需給がタイトであったため引取りが順調で、現在浜在庫は皆無に近い。既に各国からの輸入は端境期に入り、5月からは中国の春物が主力となる。現在、中国のムキ玉は20kgC&F・$8前後。今年山東省の作付は前年比30%減との情報がある。
5月の見通し
今年も5月連休明けから市況は急落するとの説が多い。その多くは市場価格がkg¥60〜50に値下がりすると見ている。需要に底固さは見受けられないが、府県の早生は佐賀が平年作を上回る以外は、平年作かやや下回ると見られており、全国的な作付は減反傾向にあり、需給はほぼ均衡状態が続くと思われる。従って、一時的な値下がりがあっても市況はkg¥70台を維持すると見ている。(了)