たまねぎレポート【227号】
平成18年3月18日
阪南青果株式会社
社内報
今冬は例年になく厳しい寒波が続いたが、立春を過ぎてからは平均気温は平年を上回り急に春めいた気候になった。梅の開花は平年に比べ2〜3週間も遅れたが、桜の開花は早まるとの予報だ。
気象庁が発表した3月20日〜4月19日の1か月予報によると、低気圧と高気圧が日本付近を交互に通過するため、北日本から西日本にかけて天気は周期的に変わる見込み。下旬には、日本付近に寒気が流れ込みやすくなる見通し。その影響で全般に雲が広がり、雨または雪の降りやすい時期がありそうだ。
南西諸島の天気は周期的に変化するものの、気圧の谷や前線の影響で、平年と同様に曇りや雨の日が多くなる。期間中の気温は北・東日本で平年並み、西日本と南西諸島は平年並みか低めで経過する。特に下旬は寒の戻りとなって、平年を下回る所が多い見込み。引き続き、雪崩や落雷、融雪による河川の増水などには充分注意するよう呼び掛けている。
需要(市場)の動き
東京都中央卸売市場の2月の野菜の入荷は118,078トン前年比100%(前月比105%)で低温による生育の停滞等から前年並にとどまった。主要品目ではホウレンソウ、キャベツ、レタス等5品目が前年を上回った。一方、ネギ、ピーマン、タマネギ、ダイコン、ハクサイ等8品目が前年を下回った。平均単価はkg¥231前年比100%(前月比90%)で弱含みに推移した。品薄のネギ、ダイコンが前年比3割高となったのを始め、ピーマン、キュウリ、バレイショが1割高となった。他方、キャベツが3割安、トマトが2割安、ホウレンソウ、ハクサイ、ニンジン、ナス、タマネギが1割安であった。
東京都中央卸売市場の2月の入荷量と単価
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品 目 |
入 荷 量 |
前年比 |
前月比 |
単 価 |
前年比 |
前月比 |
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野 菜 総 数 |
118,078t |
99.9% |
104.7% |
kg\231 |
100.4% |
89.5% |
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た ま ね ぎ キ ャ ベ ツ は く さ い だ い こ ん は れ い しょ レ タ ス に ん じ ん ト マ ト き ゅ う り ね ぎ か ぼ ち ゃ な が い も に んにく |
8,664 13,060 11,570 11,342 7,470 7,177 6,737 5,044 4,604 4,242 2,904 908 393 |
94.3 113.1 95.7 96.4 95.6 106.6 101.6 102.0 97.1 88.1 86.6 90.7 79.8 |
105.7 110.5 86.7 98.5 111.6 115.4 106.9 97.8 99.7 91.4 123.9 122.0 102.9 |
104 96 62 122 122 228 136 301 417 298 173 187 515 |
92.8 69.9 87.1 127.6 108.3 105.1 90.4 82.9 109.2 129.9 137.3 96.7 119.9 |
101.0 67.6 103.3 114.0 100.8 63.3 104.6 101.7 86.0 108.4 103.0 96.9 97.9 |
2月の市場は、年末、年始に高騰した野菜の価格は値下がりに転じ、いずれの市場に於いても、特にネギ、ほうれん草、キャベツ等葉物類が急落した。生育遅れとなった分の出荷と、通常の出荷が重なり、潤沢な出回りとなったことや、前月の高値反動から需要が振るわず反落した。建値市場の入荷は前年並みか5%増に回復し、平均単価は前年並みか1割安の水準に値下がりした。
東 京 市 場
東京都中央卸売市場の2月の玉葱の入荷は8,664トン前年比94%(前月比106%)と引き続き減少傾向であった。主力の北海物の入荷が前年比99%、占有率85%で予想を下回った。静岡物の入荷は順調で前年比118%占有率は2%強であった。輸入物は中国が前年比150%と増加し、アメリカが67%と減少した。平均単価はkg¥104前年比93%(前月比101%)で横這いであった。北海物は¥104で前月比99%と保合、静岡物は¥241で前月比69%と値下がりしたが、静岡物の入荷増で平均単価は前月を上回った。
2月後半の市況は、一般野菜に高値疲れが出て市場に活気がなく、多くの品目が軟調な動きとなった。玉葱は中旬まで順調な入荷が続いていた静岡物が、下旬に入ってからは前年を下回り、品不足の状態が続いた。一方、北海物は前年を上回ったものの予想を下回ったことで、荷動きはやや回復に向かったが、相場は横這に終始した。
3月前半の市況は、北海物、静岡物ともに入荷は予想ほどに増加せず、アメリカ物の入荷減から需給は均衡して、相場は保合を維持した。静岡物の出荷が最盛期に入ったことや、佐賀、愛知の出荷が近づいたことで、新物は値下がり歩調となる中で、ヒネ物の北海物も弱含みの推移となったが、価格水準は前月並みを維持した。
名 古 屋 市 場
2月後半の市況は、大口需要家からの発注が少なく、凡調な動きで推移したが、月末には転送需要にやや回復の兆しが見え始め、Lの動きが良くなった。また、静岡の新物は入荷増ながら流れが良く、品薄傾向で高値を維持した。
3月前半の市況は、北海、静岡ともに思ったほどに入荷は増えず、総入荷量は前年比2割前後も減少したが、需要も振るわず市況は弱含みで推移した。新物は静岡物に愛知物が加わり入荷は日々順増傾向となったが、ヒネ物に比べると流れは順調であった。
大 阪 本 場
2月後半の市況は、横這いで凡調に推移した。兵庫の冷蔵物が前年を上回る高値になったが、入荷は減少傾向に転じた。静岡物は荷動きが良く品不足気味で、仲卸の各店舗に対し割当て配分の状態が続いた。月末には長崎、熊本の新物も顔を見せた。
3月前半の市況は、北海物は変化のない動きであったが、兵庫、香川の冷蔵物は高値疲れが出て荷動きが鈍化した。価格的には大きな値下がりはなかったが、銘柄間の品質格差が広がった。終盤に入って北海物は、高値を期待していた向きが、在庫整理に入ったと思われる節があり商系の入荷が増えた。静岡物の入荷も増加傾向となったほか、長崎、熊本も増加し新物の価格は値下がりした。
福 岡 市 場
3月前半の市況は、末端需要が回復せず、活気のない状態が続いた。大口が動かず買い手口は小口化し、荷動きは鈍く表面的には保合相場となっているが、実質的には弱含み市況であった。九州地方はいずれの市場も軟調で、他市場から販売依頼の打診が多く、当分は市況回復の望みは薄い。
3月17(金)主要市場の玉葱市況は次の通り
【
北海道 20kg 2L \1,800〜1,400、 L大 \2,100〜1,500、 L \2,000〜1,600、 M \1,800〜1,700。
北海道 20kg 2L \2,300〜2,000、 L大 \2,200〜2,000、 L \2,100〜1,900、 M \1,800〜1,600。
静 岡 10kg 2L \1,800〜 L \2,000〜 M \1,800〜
アメリカ 20kg 2L \1,600〜1,400。
【名古屋北部】入荷130トン、保合
北海道 20kg 2L \2,300〜2,100、 L大 \2,200〜2,100、 L \2,100〜2,000、 M \1,900〜1,800。
アメリカ 20kg 2L \1,500〜
【大阪本場】入荷85トン、保合
北海道 20kg 2L \2,200〜2,000、 L大 \2,300〜2,000、 L \2,100〜1,900、 M \1,800〜1,700。
静 岡 10kg 2L \1,800〜 L \2,100〜2,000、 M \1,900〜1,800、
兵 庫 10kg 2L \2,200〜2,000、 L \2,200〜2,000、 M \1,700〜1,600。
長 崎 10kg 2L \1,500〜1,400、 L \1,650〜1,400、 M \1,400〜1,200、
ニュージ-ランド 20kg M \1,400〜
アメリカ 10kg 2L \800 〜 750、
【
北海道 20kg 2L \2,300〜2,100、 L大 \2,300〜2,100、 L \2,250〜2,000、 M \1,900〜1,800。
香 川 10kg 2L \1,800〜1,700、 L \1,900〜1,700、 L \1,700〜1,600、
熊 本 10kg 2L \1,400〜1,300、 L \1,400〜1,300、 M \1,200〜1,100。
供給(産地)の動き
北海物の出荷がやや低調である。1〜4月の道外出荷は前年比1万5千〜2万トン増と見られていたが、2月末現在88,400トン前年比104%で予想を大きく下回っている。既に、終了間近のところもあり今後も予想を下回る可能性が強い。一方、輸入物は前年比80%前後と予想されていたが、1〜2月の輸入は5万9千トンを超え前年比102%に達している。また、府県の新物は年末からの冷え込みで生育が遅れていたものの、昨今では遅れは順調に回復して、作柄は豊作型に好転している。主力産地の順調な作柄を反映して、早生物の出荷は前年を大幅に上回るとの見方が大勢を占めている。また、輸入物も予想を大幅に上回る入荷が続いている一方、末端消費が伸び悩んでいることから、玉葱の需給は不足傾向が解消され、過剰傾向が懸念される状況に変わりつつある。今後は佐賀、長崎、愛知の新物の動向が市況に大きく影響する。
北 海 道 産 地
2月のホクレン、北商の道外出荷は44,145トン前年比105%であった。前年比ではホクレンが104%、北商が112%となっている。年末には年明け出荷は前年比15%前後増加すると言われていたが、現在までの出荷は5%弱の増加にとどまっている。いずれの地域も出荷は終盤に入っているが、在庫は予想外に少なく、此の先大幅な出荷増にはならない。
平成17年度産の作柄は平年作を下回り、生産減となったものの、品質良好でロス率が少なく、通期の市場平均価格は当初の希望水準であったkg¥75を大きく上回り、好成績を修めることが出来た。
此の4年間は、年明けの市況水準はkg¥100を上回る高水準で推移したことで、農家経済は大きく向上したし、栽培農家にも意欲が戻ってきた。既に、例年を超える積雪の中で早めに播種を終えたビニールハウスの苗床では、元気の良い苗が育っている。生産者の栽培意欲を反映して播種・育苗とも管理が行き届き、一部の品種を除き発芽率は良好で、苗立ちが良く4月半ばから始まる移植を待っている。石狩を除いては増反となるほか、新しい産地作りも進んでおり、全道的には前年比5%以上の増反が予想されている。
府 県 産 地
今冬は、久しぶりに冬らしい冬の到来で、日本列島は厳しい寒さに見舞われたが、2月後半からは平年並みの気温に戻り、適雨にも恵まれ遅れていた生育が順調に回復している。
早生産地のトップを切って出荷されている静岡の作付は前年比7%減、出荷計画は113%となっている。当初出遅れていた極早生の出荷も2月は前年を大きく上回り、既に現在はピークに達している。3月の出荷計画は4,070トンで全体の71%を占める。球肥大はやや小振り傾向であるが、格外品の発生が少なく例年に比べるとロス率も低い。市況は高値であった前年を下回っているものの、高水準で推移している。
静岡に続く、愛知、佐賀、長崎も一部で出荷が始まっている。今冬の冷え込みが厳しかったことで生育が遅れ、出荷開始がやや遅れたものの、低温が続いたことで病害や格外の発生は少ない。球肥大はやや小粒であるが球締まりが良く、早生物としては良好である。作付は愛知では減反傾向が続いているが、佐賀を始め九州産地では増反傾向にある。特に、佐賀では2桁の増反となっており、4〜5月期の早生物の出荷が大幅に増加すると見ている。いずれの産地も育苗の共同化や移植の機械化が進んでいることもあって、圃場格差が少なく生育は順調に回復している。現時点では球肥大に多少の遅れは見受けられるものの、素性が良く草勢に活力があり、早生は総じて平年作を上回ると見ている。佐賀ではトンネル栽培の出荷が始まっているが、白マルチは来週から、黒マルチの出荷は4月から本格化する。県JAでは4〜5月の早生の出荷は前年比26%増を計画している。
彼岸に入り三寒四温の気候となったが、早生の圃場では未だ抽苔の発生が見受けられない。篤農家の一人は、「生育の遅れから抽苔の発生が遅れていると思われるが、近日中に抽苔が発生しなければ、豊作は期待はずれになるかも知れないし、天候次第で作柄は収穫直前まで変動する。」と言う。
中晩生の主力産地である淡路島では、一昨年の台風被害で破壊された圃場の修復が進み、今年の玉葱の作付はやや増反したものの、極早生の作付は大幅に減少している。4月に出荷出来るのは少量で、出荷の本番は普通早生の「七宝」からで5月になる。作柄は未だ流動的で確定は出来ないが豊作型と見ている。
大阪、和歌山、香川、愛媛の作付はいずれも減少傾向だが、生育は順調で、出荷量は前年並みかやや上回ると予想されている。
輸 入 物
2月の輸入は速報値で31,287トン前年比96%で前月に続き予想を上回っている。中国が14,491トンで前年比147%、アメリカが13,109トンで前年比71%、タイが2,139トンで前年比237%、ニュージランドが1,173トンで前年比35%となっている。
中国、2005年産は、主要産地で減反されているとの情報が早くから伝わり、関係者の多くは2005年産の輸入は前年並みかやや上回る程度と予想していた。だが、実質は日を追う毎に増加し、昨年5月〜今年2月までの日本の輸入は213,000トンを超え前年同期比178%に達している。その他の玉葱加工・調整品を含めると年間25万トンにも達する勢いである。輸入価格は今年に入り、C&F・kg¥40前後に値上がりしているが、ムキ玉が主力であることから、まだまだ価格競争力は強い。日本国内では環境問題が深刻化し、ムキ玉加工場では残滓の処理費用がうなぎ上りに値上がりして、昨今ではkg当り¥15(20kg¥300)前後の高値になっている。現地でも各種の問題が生じているとの情報もあるが、当面は輸入の減少は考えられない。
アメリカ、2005年度は減反減収で輸出余力には乏しいものの、年明けの輸入は意外に多い。年内は20,800トンにとどまったが、年明けの2カ月で24,000トン弱の入荷になっている。現地の詳しい事情は把握していないが、年明けになってオファー価格が値下がりし、C&F価格が$7台に値下がりしたことが年明けの輸入増につながったと言える。
タイ、主力は静岡の新物の代替用に輸入されている。全盛期に比べれば数量的には大幅減だが、全盛時代に比べれば輸入価格は格段に値下がりしている。中心価格は、C&F・$10を割り込んだために、静岡物に比べて割安感があり、小売店の売行きは順調と聞く。輸入のピークは3月になる。
ニュージランド、此処に来てオファー価格は値下がりしているが、今シーズンは減反減収になったことや、通貨がNZ$高=円安が進んだことでコスト高となり、商談が後退し成約量は少なかったが、此処に来て商談が進み、3〜4月は前年の50%近い輸入になるとの情報もある。
4月の見通し
4月に入れば、市場環境は北海物主導から新物主導に切り替わる。北海物の3〜4月の出荷は、前年を上回るものの計画を大幅に下回る状況にある一方、府県の新物は出荷が本格化し前年を20%前後も上回ると見られることから、需給は日を追って緩和し、市況は日々軟化傾向を辿る。ただ、4月一杯府県の新物は軟弱で、用途によっては硬質の北海物を好む向きもあり、府県の新物の値下がり幅に比べると、北海のヒネ物の値下がり幅は小さいと見ている。
4月は、従来から需給変動とともに価格変動の大きな月と言われ、年によっては年間の最高価格と最低価格が発生する月として警戒されている。今年も4月中旬から値下がり相場が続くと思われるが、極端な暴落はないと見ている。全国市場の月間平均単価はkg¥80台を確保出来ると予測している。(了)