たまねぎレポート【224号】

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                        平成171220

                    阪南青果株式会社

社内報

 

 11月の天候は、気温の変動が大きく、北・東日本の太平洋側で日照時間が記録的に多く、多くの地域で旱魃傾向であった。

 気象庁が発表した12月19日〜1月15日の1か月予報によると、12月下旬は冬型の気圧配置となる日が多く、日本付近は寒気の流れ込みやすい状態が続く。北日本から西日本にかけての日本海側は雪または雨の日が多く、降雪量のまとまる恐れがある。

 太平洋側は晴れる日が多いが、寒気や気圧の谷の影響で平野部でも雨や雪の降る日がありそう。1月上旬から中旬の前半にかけては周期的に気圧の谷が通過し、通過後は冬型の気圧配置となる。このため、北日本から西日本の日本海側は雪亦は雨の日が多くなる。太平洋側は晴れる日が多いものの、気圧の谷の影響で雨または雪の降る日がありそう。

 南西諸島は気圧の谷や湿った北東の風の影響で、平年同様に曇りや雨の日が多い。期間中の平均気温は、全国的に平年並か平年より低くなる見込み。

 

需要市場の動き

 東京都中央卸売市場の11月の野菜の入荷は129,896トン前年比108%(前月比95%)で総じて順調であった。今年は台風の被害もなく、暖秋で降雨は少なかったが、秋野菜の生育は順調で多くの品目で入荷が前年を上回った。主要品目では、トマト、キュウリが前年を下回ったほかは、軒並みに前年を上回りレタス、ホウレンソウは5割増となった。平均単価はkg¥189前年比80%(前月比99%)で前月に続き大幅安となった。トマト、タマネギが前年価格を上回ったものの、レタス、キャベツが6割安、ニンジンが5割安、ダイコン、ハクサイ、ホウレンソウが4割安となった。

 

         東京都中央卸売市場の11月の入荷量と単価

品   目

前年比

前月比

単  価

前年比

前月比

 

  129,896t

 107.9%

  95.2%

 kg\189

  79.6%

  99.5%

レ  タ 

しょ

ね    ぎ

ト  マ 

  10,122 

  13,301 

  12,712 

  13,456 

  7,628 

  7,473 

  6,722 

  6,038 

  4,970 

  4,379 

  3,808 

  1,052 

   465 

 104.2 

 106.8 

 111.5 

 111.7 

 112.1 

 151.2 

 101.7 

 106.2 

 95.3 

 92.4 

 140.0 

 111.4 

 92.5 

 96.0 

 98.8 

 102.6 

 92.8 

 92.4 

 88.9 

 98.1 

 101.4 

 84.9 

 68.4 

 85.5 

 101.1 

 104.5 

   90

   44

   57

   64

   96

  136

   97

  194

  321

  466

  104

  198

  496

 108.1

 57.9

 60.6

 44.2

 53.5

 41.3 

 93.4

 79.6

 101.6

 110.7

 67.6

 61.8

 103.3

 105.9

 86.3

 79.2

 112.3

 110.3

 104.6

 95.1

 92.8

 113.4

 142.1

 119.5

 102.6

 96.1

 

 11月の市場では、10月に続き秋冬野菜の潤沢な入荷で、豊作貧乏的な市況となった。平均単価は大阪本場が前年比80%台を維持したほかは、いずれの市場も前年の7割台に落ち込んだ。玉葱の入荷は札幌、東京、名古屋は前年を上回ったが、大阪、福岡では10〜20%も下回った。単価は前年並みか前年より強保合で推移した。

 

 東京都中央卸売市場の11月の玉葱の入荷は10,122トン前年比104%(前月比96%)で久しぶりに前年同期を上回った。前月同様北海道主導の販売で北海物の入荷は前年比103%占有率は88%であった。中国物の入荷は前年比2.4倍占有率は7%、アメリカ物は前年比69%の入荷で占有率は5%であった。平均単価はkg¥90前年比108%(前月比106%)で漸く強含みの動きに転じた。

 11月後半は、他の野菜が低迷を続ける中で、玉葱の荷動きは順調で価格的にも強含みで推移し、月前半に比べ¥100〜150上昇した。順調だった転送需要は月末が近づくにつれて減少し、底固さはあったものの、荷動きは再び鈍化傾向となった。

 12月前半は、低温の影響でレタスや鍋物野菜に回復の兆しが見え始め、野菜の価格に底値感が出てきた。玉葱の動きに大きな変化は見えなかったかが、L大の動きに回復の兆しが見え始めた。月半ばにはL大に品薄感が出て、相場は強含みの動きとなり、平均単価はkg¥100の攻防になった。12月中旬には野菜の価格は急騰し、平均単価はkg¥214で前旬比18%も値上がりした。玉葱も強含んだものの北海物で¥101前旬比4%の値上がりに過ぎなかった。買参人の関心は値上がりの大きい品目に集中し、玉葱は話題の中に入れなかった。此の先産地の強気を反映して、ホクレンからの価格指示も強まる傾向にあり、年末年始に向けては、強保合の動きとなりそう。

 

 名古屋市中央卸売市場の11月の玉葱の入荷は5,956トン前年比101%(前月比107%)と順調であった。北海物主力の販売で北海物の入荷は前年比103%占有率は92%であった。中国、アメリカ物も少量の入荷があったが、市況に影響することはなかった。平均単価はkg¥78前年比106%(前月比108%)で総じては強含みの動きであった。

 11月後半は、末端需要に変化は見られず保合市況が続いていたが、産地の先高ムードに乗せられて、強気の販売に努めたことから、月末の平均単価はkg¥90台に乗せた。周辺市場への入荷が少なく、転送業者は割安品を物色していたが、手当が出来ず嘆いていた。荷動きに活気は見られなかったが、相場は底固い動きであった。

 12月前半は、寒波の到来で一般野菜が、下げ止まりから上昇基調へと好転したことや、北海物の入荷が減少傾向となったことで、荷動きに変化が見え始めた。仲卸のなかにはL大の手当買いを始める店もあり、L大の注文が増え始めた。年末を控えL大に品不足が生じる可能性があり、ひいては玉葱相場を底上げすることも考えられる。此処に来て年末年始の品薄を懸念する声もあり、此の先相場は強含みの展開が期待出来ると予想される。

 

 大阪市中央卸売市場本場の11月の玉葱の入荷は1,393トン前年比80%(前月比82%)で大幅な減少が続いている。主力の北海物の入荷が激減したことが影響した。北海物の入荷は前年比56%で占有率47%、兵庫物は前年比150%で占有率は37%、中国物は169%で占有率は7%、アメリカ物は91%で占有率5%であった。平均単価はkg¥107前年比109%(前月比111%)で堅調に推移した。

 11月後半は、北海物の直送品の入荷がない日もあったが、仲卸は冷静で急騰するような場面はなかった。入荷減を感知していたと思われる様な動きで、先取り等も平常通りで、騒々しさも緊張感も見られなかった。荷動きも良くなかったが、少ない入荷で間に合ったのが不思議なくらいである。北海物の入荷減から月末には兵庫物が強含み、特にM・Sが底上げとなった。

 12月前半は、依然北海道のJA物の入荷は減少傾向が続いたが、商系の入荷が増加したことや、兵庫物の入荷が順調で特に品薄感はなく、相場も保合状態が続いた。此処に来て兵庫物の銘柄品と、北海物のL大に買い注文が増えているがLの動きは今一つである。年末年始に向けて、兵庫物と北海物のL大は更に強含みの動きを予想しているが、L、Mは今一つで売り残りが出ている。輸入のアメリカ、中国の再選物は荷動き悪く荷凭れ気味である。

 福

 福岡市中央卸売市場の11月の玉葱の入荷は2,299トン前年比91%(前月比109%)で減少傾向であった。北海物主力の販売で、佐賀、香川の冷蔵物を併売した。平均単価はkg¥83前年比98%(前月比102%)で変化はなく保合相場であった。

 11月後半は、入荷減にも拘らず荷動きが鈍化傾向となり、実勢価格は20kg当り¥100前後値下がりした。特にL大の動きが鈍く販売に苦労した。香川の冷蔵物は、入荷量が少なく10kg¥1,750〜1,600を維持したが、買い手口は小口化した。

 12月前半は、11月に続き低調な動きで、相場は頭打ちの状態が続いた。此処に来て仲卸のなかには、年末年始の手当買いを始める店もあり、L大の動きが回復傾向にあるが、L、Mの動きは今一つである。寒波の到来も玉葱市況には影響していない。産地の強気とは裏腹に消費はやや低調である。

 

12月19(月)主要市場の玉葱市況は次の通り

札幌市場】入荷128トン、保合

 北海道 20kg 2L \1,6001,550、 L \1,8501,550、 L \1,7001,570  M \1,6001,000

【太田市場】入荷209トン、保合

 北海道 20kg 2L \2,3002,000、 L \2,1001,900、 L \2,0001,900  M \1,6001,500

 アメリカ  20kg 2L \1,500

【名古屋北部】入荷262トン、保合

 北海道 20kg 2L \2,2002,100、 L \2,2002,100、 L \2,0001,800、  M \1,7001,500

 アメリカ  20kg 2L \1,500

大阪本場】入荷136トン、保合

 北海道 20kg 2L \2,2001,900、 L \2,2002,000、 L \2,0001,900、  M \1,6001,500

 兵 庫 10kg 2L \1,6001,400、  L \1,7001,400、 M \1,3001,100

 中 国 10Kg 2L \700 〜 650

 アメリカ  10kg 2L \750 〜 700

福岡市場】入荷69トン、保合

 北海道 20kg 2L \2,2002,100、 L \2,2002,100、 L \2,1002,000、  M \1,7001,600

 佐 賀 10kg 2L \1,500〜     L \1,4001,250、 M \1,2501,100

 香 川 10kg 2L \1,700〜     L \1,8001,700、 M \1,4001,300

 

供給産地の動き

 12月に入ってからは、冬型の気圧配置が強まり寒い日が続いている。各地の平均気温は平年に比べ2〜3度も低く、暖冬予報から寒い冬に転向した。先日来の寒波の影響で野菜の需給は逆転し、葉物野菜や果菜類が急騰している。冷え込みが長期化しており、冬野菜の生育が停滞し出荷が減少傾向にあるなか、今回の更なる降雪積雪で収穫不能に見舞われている。他方、連日の寒さで鍋物商材の引合いが強く、年末を控え関係者は野菜需給の急変に期待と戸惑を強めている。玉葱も、北海道を始め産地関係者の間では先高期待感が強く、出回量は減少傾向である。越年の供給量見込み量では、輸入は大幅減となるものの国内産は前年を上回ることから、総量的には前年比2〜3%減にとどまると予想される。また内容的には、輸入減から業務加工向けは可成の減少となるものの、青果向けは前年を上回る可能性もある。

 全玉連では年明け1〜4月の出回量を北海物176,000トン(前年比119%)、輸入物113,000トン(前年比74%)、府県冷蔵物9,400トン(前年比106%)、府県早生物636,000トン(前年比109%)、合計334,400トン(前年比97%)と試算している。また、10月からは全国市場の販売量も、家庭の購入量も大きく落ち込んでおり、1月以降も此の状態が続くとすれば、玉葱の需給は品薄傾向から過剰傾向に変わる可能性も否定は出来ない。

 北 海 道 産 地

 11月25日に、農林水産省北海道統計情報事務所から発表された平成17年産北海道玉葱の作付面積、収穫量及び出荷量は次表の通りである。同時期のホクレンの調査に比べ趨勢値では、収穫量で1ポイント、出荷量で3ポイント低くなっている。

        玉葱の主要地域別作付面積、収穫量及び出荷量

地 域

作付面積 (前年比)

反  (前年比)

(前年比)

(前年比)

 

全 道

11,100 ha(101%)

5,220 kg(93%)

582,400 t(95%)

544,700 t(94%)

石 狩

469   ( 98  )

5,320  (93 )

24,900  (91 )

22,600  (92 )

空 知

2,080  (100 )

5,050  (97 )

105,000  (97 )

87,800  (94 )

上 川

2,180  (105 )

4,870  (91 )

106,000  (95 )

98,600  (95 )

網 走

6,150  (101 )

5,410  (93 )

332,400  (94 )

323,000  (93 )

その他

273    (102 )

5,110  (98 )

13,900  (100 )

12,800  (99 )

 ホクレン、北商の8〜11月の道外出荷は182,800トンで前年比15%減になっている。地域別には石狩が8,800トンで前年比32%減、空知が30,500トンで7%減、上川が42,000トンで19%減、網走が133,500トンで15%減となっている。地域別には可成のバラツキがあるが、或る程度地域の意向を反映した出荷になっているとも言える。

 ホクレン、北商などの出荷団体では、年内出荷の抑制で年明け出荷は前年より多くはなるが、過去5カ年の平均値より少ないと話している。現在、市場の平均価格はkg¥100を上回る水準に上昇しており、現在までの平均価格も予定水準をクリアーしている。不作による収量減を考えると今一段の高値を望みたいところである。此処2〜3年は年明け市況が堅調に推移していることから、産地関係者は総じて春高と見ている。

 今年の玉葱は不作ではあったものの、球締まりが良く現在もロス率は低く商品化率は高い。10月、11月は暖秋で品質管理が心配されたが、12月に入り積雪は少ないものの平年並みの気温に下がり、品質低下の心配は遠のいた。

 府 県 産 地

 冷蔵物の出荷は順調で進捗率は60%前後に達している。ロス率も予想を下回っており市況はLサイズで10kg¥1,700〜1,400と北海物に比べると銘柄格差が大きいが、殆どは手入れによる格差で、品種による差は小さい。11月は横這い市況だったが、12月に入ってからは堅調に推移しており、コスト高を吸収して採算に乗っている。いずれの産地でも手間の掛かる晩生の栽培面積が減少し、冷蔵に好適な品種、品質の確保が困難になっている。近年、2万〜2万5千トンの入庫に落ち込んでいるが、5万トン程度確保出来れば市場性が向上し、有利販売につながると思われるが望みは薄い。

 晩秋の天候に恵まれ次年度産の移植は順調に進んでいる。いずれの産地も苗立ちが良好で、大産地の佐賀、淡路では苗余り傾向から、前年をやや上回る作付になりそうな気配である。九州地域では2〜3月出荷の極早生の収益性が高いとの情報が広がり、極早生の試作栽培が各地で広がっている。

 輸 入 物

 11月の輸入は、速報値で27,238トン前年比96%で引き続き予想を上回っている。中国が22,685トン前年比165%で大幅増が続いている。一方在庫の少ないアメリカは4,552トン前年比37%で大幅に減少している。

 中国物の輸入は、月間2万トンを越えており、国内産地の大きな脅威となっているが、廉価で良品質な商品供給はユーザーの望むところであり、歯止めをするのは極めて困難である。此処に来て、さしもの中国も秋冬期のムキ玉は、貯蔵費、ロス率の増加に加え、原油高に伴う輸送費の値上がりで大幅なコストアップを余儀なくされ、契約価格の値上げ要請が相次いでいる。年明けには港頭倉庫渡し価格がkg¥50前後に値上がりすると見ている。1月後半からは順次南部地域の早生物に移行するが、例年、早生物は軟質でクレームの発生率が高い。

 アメリカの12月初めの産地在庫は874,000トン前年比81%で在庫減ながら、2002年、2003年と比べれば大差はない。特に日本向けの産地であるワシントン州では前年比91%の在庫だが、その数量は2001年〜2003年のいずれの年度をも上回っている。減反減収による価格高から内需外需ともに売行き不振で、月次の在庫レベルは月ごとに上昇している。荷動きの鈍化を反映して、輸出価格は値下がり傾向にあり日本向けではC&F$8以下のオファーも出ていると言う。現在は為替相場は円安で推移しており、浜相場は50ポンドJサイズで¥1,250〜1,200の水準である。

 ニュージランド、生育は順調との報告を受けているが、商談は進んでいない。現在、為替相場は変動幅が大きく、NZドル対円レートは¥88〜78と激動している。為替は近年にない円安が続いており、多くの商社は契約を見送っている。巷ではC&F¥1,200〜1,300との情報がある。

 

1月の見通し

 此処に来て小売店の動きが活発化してきたが、市場では葉物や果菜類に加えて正月素材に関心が集まり、玉葱は関心外で推移している。一時的に北海物のL大に品不足傾向が見えたが、それも納まりつつある。此処1週間は年末需要で市場も追い込みに入るが、品薄高が起きそうな気配はない。12月相場は概ね予想通りの流れで北海物の市場平均価格はkg¥100台に乗せた。

 1月は、北海物の年始売りに品不足傾向が出るか否かが市況を大きく左右することになる。産地の春高ムードを反映して、流通段階では多少のストックはしている模様。主要野菜は12月急騰の後だけに、年明け市況は総体的に小休止になる可能性が強い。玉葱はホクレン主導で強含みの相場展開となり、1月の価格水準は前年並みかやや上回る水準(北海物kg¥110)を予想している。(了)

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